20070302 同人の話【文庫か新書か】
先週Web拍手にて
1:24 同人誌〜新書版と文庫版で出す違いと、利点と損点を…
とのご要望を賜りましたので、徒然と。
ちなみに新書サイズというのは107×175、文庫の105×148 よりも少し大きなサイズですね。ノベルズという言い方をすることもあるようです。
とはいえ、久慈は新書サイズの同人誌は出したことがないのですよね。
これはもう好みの問題です、わたしは小説の紙媒体としては文庫サイズくらいが手ごろで好きなので、新書サイズは使わないだけのことです。しかし当然ながら文庫には文庫のいいところ、新書には新書のいいところがあるので、一概に好みだけでは判断できない部分もあります。
それぞれの長所短所を以下にまとめてみました。
文庫の長所
・1ページあたりの文字数が少ないため、とっつきやすい
・薄い本でもそれなりに格好がつく
・一目で小説本だとわかる
文庫の短所
・厚くなりがち
・新書とページ原価が同じであるため、原価がかさむ
新書の長所
・2段組にできるため、ページ数がかさまない
・同じ文字数の小説であれば、文庫と比べページ数が少なくなるため原価が安い
新書の長所
・1ページあたりの文字数が多いため、とっつきづらい
・あまり薄いと格好がつかない
やはり一番の違いは、ページ数が多くなるか少なくなるかという点だと思います。
文庫の場合は大体250ページくらいが限界だと思います。
好みの問題なのでなんともいえませんが、やはり250ページを越えてしまうと「厚い」という印象になってしまいますね。同人誌の場合は市販の文庫よりも紙が厚いため、あまり厚い本だとてきめんに読みづらいです、ですから250ページを越えるようだと2段組にできる新書を検討した方がよろしいのではないかと。
逆に新書の場合は150ページ以下だとちょっと薄すぎるかな? という気がしてしまいますね。このあたりはもう好みの領域なので一概には言えませんが、わたしなんかは「文庫でいいじゃん」と思ってしまいます。
初心者の方に目安にしてもらうため、いままでわたしが出した文庫本のページ数と、プレーンテキストに落とした場合の表を以下に記載します。
| タイトル |
区分 |
ページ数 |
テキスト容量 |
|
It's a wonderful world
|
文庫 |
138 |
111
KB |
| one fine day
|
文庫 |
214 |
179
KB |
| 遠坂凛の金属バット文庫
|
文庫 |
252 |
199
KB |
| 朋也くんより開かれました!
|
文庫 |
200 |
136
KB |
|
遠坂凛の釘バット文庫
|
文庫 |
200 |
173
KB
|
|
遠坂凛のバールのようなもの文庫
|
文庫 |
196 |
155
KB |
| 機械仕掛けの白雪姫 |
文庫 |
72 |
48
KB |
| Sad Snow does not see. But...
|
文庫 |
160 |
107
KB |
|
名雪づくし
|
文庫 |
80 |
56
KB |
ふーむ、こうして並べてみるとワケ解りませんな。まったく目安にならねぇ、はっはっは。
同じ200ページなのに136KBだったり173KBだったりします。改行の位置と頻度、装丁などによって文字数が変わってきますから、単純にプレーンテキスト何KB以上だったら何ページになる、とは言えないのがわかります。
ゲスト原稿をお願いする際に「文庫で20ページで」とお願いすると、よく「テキストだと何KB?」と聞かれるのですが、上記を見ると一概には言えないことが解っていただけるかと思います。文章のスタイルによってまったく変わってしまうんですよね。
やはり、一度フォーマットに流し込んでみて、どのくらいのページ数になるか判断するしかないと思います。
と、ここまでが書き手側の都合。
文庫にするのか新書にするのかは、読者さんのことを考えれば自然と結論は出るのではないでしょうか。
あなたが読者となったときのことを考えてみてください。同じ厚さで、1ページに文字がびっしりと書き込まれている新書と、あまり詰まっていない文庫の2冊があったとして、あなたならまずはどちらから先に読みますか?
まずは読むのに時間がかからない方から読む、という方が多いのではないでしょうか。わたしだったらそうします。
要するに、1ページあたりの文字数が少ない方が読まれる確率が高いのです。これは非常に大きいと思いますね。
無論、限度というものがあります、いくらなんでもスカスカすぎるのは問題だと思います。ですが一般的に、新書は文庫よりも大きい分、1ページあたりの情報量(文字数・行数)が多くなる。これは確かに作り手側から見れば原価を下げるメリットですが、読み手としては良し悪しだと思うのです。
新書でも2段組にせずに行数を減らせば、文庫と変わらぬとっつきやすさが実現できます、ですがそれって新書にするメリットが無いんですよね、だったら文庫の方がコンパクトでいいじゃん、ということになる。
お買い上げいただいた同人誌はやはり読んでいただきたいじゃないですか。わたしも人のことは言えませんが、購入した同人小説をまったく読まない、という人も多いと思います。少なくとも小説よりも漫画を先に読む人の方が多いでしょうし、小説を読むにしても最初はなるべくとっつきやすい物を優先する人が多いと思います。少しでも読んでいただく確率を上げる意味でも、わたしはいつも文庫を選択しています。
文庫と新書に関しては、こんなところでしょうか。
他にも何か同人に関して取り上げて欲しいことがあれば、Web拍手ないしメールフォームにてお知らせください。