20060930 【馬話】歴史を創れ! ディープインパクト
凱旋門賞というレースがある。
ロンシャン競馬場での芝2400m、賞金総額200万ユーロ。
ヨーロッパだけでなく、世界中の競馬に関わるすべての人たちが憧れる、正に世界一のサラブレッドを決めるレースである。
正式名称「ラルクドトリオンフ」、だがヨーロッパの競馬関係者はこのレースを称してこう呼ぶのだ。
ただ、「アーク(Arc)」と。
1920年より開催されたこのレースには、日本からも当時の最強場が何度も挑戦している。
初出馬は第48回、1969年のスピードシンボリ。
天皇賞(春)、宝塚記念、そして有馬記念を2回勝ち、1967、70年の2度年度代表馬に選ばれ、1990年には殿堂入りを果たした名馬である。父はあの『絶対皇帝』と呼ばれクラシック3冠を含む前人未到のGI7冠を達成したシンボリルドルフである。スピードシンボリは当時の日本にとって宝とも言える最強馬だった。
そのスピードシンボリをして、凱旋門賞は着外。10着と惨敗したのだ。
それ以来37年、日本の馬はただの一度もこのレースを勝っていない。
第51回(1972年) メジロムサシ 着外(18着)
第65回(1986年) シリウスシンボリ 着外(14着)
第78回(1999年) エルコンドルパサー 2着
第81回(2002年) マンハッタンカフェ 着外(13着)
第83回(2004年) タップダンスシチー 着外(17着)
惨敗に次ぐ惨敗。エルコンドルパサーが2着に入っているとはいえ、この馬はアメリカ合衆国で生産されたいわゆる「マル外」、日本馬とは言えない。
そう考えれば、日本の国産馬は未だこの世界最高峰のレースにおいて、優勝どころか一度も入賞すら果たしていないのである。
日本近代競馬発祥の1923年以来、この世界最高峰のレースでの勝利は日本競馬の悲願と言ってもいいだろう。
そんなアークに、今年、日本から一頭のサラブレッドが出場する。
ディープインパクトである。
名種牡馬サンデーサイレンスを父に持つディープインパクトは、2002年3月25日、北海道早来町(現在の安平町)のノーザンファームに生を受ける。
良血統ながら薄い馬体が嫌われ、上場されたサンデーサイレンスの産駒14頭のうち9番目の落札価格だったという。
この薄い馬体の仔馬をそれでも7000万円という高額で買い取った金子真人は、多くの人々に強い衝撃を与える馬になって欲しいと思いを込め、仔馬に「ディープインパクト」と名付けた。
ノーザンファームで他の仔馬たちと元気に育ったディープは、2歳になった2004年12月19日にいよいよデビュー戦を迎える。
デビュー戦の結果は、2着に4馬身をつけての1着。だが玉石混合の新馬戦では4馬身程度の勝鞍は珍しくない。この時点では、ディープは少しばかり血統のいい凡百の馬に過ぎなかった。
次戦の若駒ステークス。このレースでディープは直線一気に抜け出し、2着に5馬身差をつけて圧倒的な勝利を飾った。
そして続く皐月賞ステップレースの弥生賞では2歳王者のマイネルレコルトや京成杯を制したアドマイヤジャパンを相手に堂々の勝利。
「関西にすごい馬がいる」
ディープインパクトの名は、ここに来て一気に全国に広がっていく。
そしてここから、伝説が生まれるのである。
そして迎えた第66回皐月賞。日本クラシック第一冠。
スタート直後に躓き、ディープはこのレースで大きく出遅れる。
「速い馬が勝つ」といわれる皐月賞において、出遅れは致命的。オッズ1.3倍の圧倒的人気に推した観衆は悲鳴にも似た叫びを中山競馬場に響かせた。
だが、出遅れなどディープにはハンデにすらならない。一頭、また一頭と馬群をかわし、第4コーナーで遂にトップに立ったディープはそのまま後続を突き放し、終わってみれば2馬身半の大差で勝利した。
ウイニングランで馬上の武豊は、高々と指を一本天に向けて突き上げる。
それは絶対の自信の現れ。
まずは一冠。
このレース後、主戦騎手である天才・武豊がこんなコメントを残している。
「まるで、走っているというより飛んでいる感じだった」
当時のディープインパクトは、普通の馬よりも蹄鉄の減りが少ない馬だったという。
蹄鉄とは、蹄を保護するために蹄に打ち付けて使う文字通り「鉄の蹄」のことだ。
サラブレッドはこの蹄鉄を21日程度で使い潰す。それはサラブレッドという種の走りにかける情熱を表すものであったが、ディープはこの蹄鉄の減りが他の馬より少なかったのだという。
二冠馬エアシャカールが2週間使用した蹄鉄と、ディープが3週間使用した蹄鉄を比べてみると、ディープの蹄鉄の方が明らかに減りが少なかったのだ。
これはかき込むような走り方でなく、きれいな飛びを持っている証拠とされている。武が「飛んでいる感じだった」という感想は正しかったのだ。
余談だが、この蹄鉄の減りの遅さというディープの特徴は後に姿を消す。後期のディープは通常の馬と同じ蹄鉄の減りに戻るのだ。
だがこれは、彼が他の競走馬と同じ走りになったということを意味するものではない。
パワーが、上がったのだ。
天才・武豊をして「飛んでいるようだ」と言わしめた走りはそのままに、パワーだけがアップした。
つまりは――恐るべきことに、この時点ではまだ、ディープインパクトは完成に至っていなかったということだ。
続く第72回東京優駿、日本ダービー。
単勝オッズ1.1倍。単勝支持率73.4%はかのハセイコーを上回る歴代トップの単勝支持率最高記録であった。
だが若さゆえか、ディープはまたしてもかかっている。パドックでは後ろ脚を蹴り上げ、本場場入場では首を上下に振って横に歩いたりもする。武は後日、「レース前に落ちないように本当は緊張していた」と述懐している。
そんな不安の中、スタート。またしても出遅れ、後手に回り最後尾からの競馬。
第一コーナー時点で15番目、第二コーナーで13番目、第三コーナーで12番目、そして最後の第四コーナーを周る時点でも10番目の位置。そればかりでなく、恐らく位置取りによる不利を嫌ったのか第四コーナーでは大外を周り、他の馬よりも明らかに距離を走ることになった。
「さすがのディープインパクトも、これでは届かないのではないか……?」
そんな不穏な想像を観衆が抱いた瞬間、ディープは爆発する。
かのダンスインザダークにおける菊花賞を髣髴とさせるような鬼脚、一頭また一頭などというレベルではない、前を走る10頭を正に疾風のように抜き去り、一瞬のうちに先頭に立つ。そしてそのまま、2着に5馬身という大差をつけて、ディープは二冠を達成したのである。
第四コーナーを周ってからゴール板まではせいぜい200m、たったそれだけの距離で、東京優駿に出走するほどの実力馬10頭がまるで止まっているかのような速度で抜き去ったばかりか、5馬身という大差をつけて勝利したディープインパクト。
ライバル馬たちの陣営は、心の中で悲鳴を挙げていたことだろう。
強いとか速いとかいう問題ではない、正に――正に器が違う!
こんな化け物に、勝てるわけがない!
レース後の記念撮影で武豊は指を2本立てた。
これで二冠達成である。
夏を休んだディープは、秋一戦目の神戸新聞杯でもトウショウボーイのレースレコードを塗り替える1分58秒4の勝ちタイムで勝利する。
そうして無敗のまま、第三冠の菊花賞を迎えるのである。
このレースでもしディープが勝てば、三冠馬である。
『シャドーロールの怪物』ナリタブライアン以来11年ぶり、史上6頭目の三冠馬。そして無敗の三冠馬ともなればかの『絶対皇帝』シンボリルドルフ以来21年ぶり史上2頭目である。
歴史の証人になろうと、京都競馬場には136701人が集まった。
単勝支持率は79.03%、入場者数も含めて菊花賞最高の数字である。
いよいよスタート、ディープはまたしてもかかった。
スタート後からホームストレッチを過ぎるまで暴走するようにかかり続けるディープ。3200mの長丁場である菊花賞において、かかってしまうのは致命的であるといえる。
このときのことを武は後日こう述懐している。曰く、「(ディープが)一周目のゴール板を正規のゴールと勘違いしてしまった」
なんとも間の抜けた話であるが、ディープの恐ろしいところはそれと気付いたバックストレッチで落ち着きを取り戻したところにある。
競走馬、サラブレッドは走ることを血統からして強要された種である。一度走り始めてしまえば止まることはなく、いちどかかってしまえばレースが終わるまで落ち着くことなどありえない。にもかかわらず、ディープインパクトは落ち着いた。これはディープが単なる速いだけの馬ではなく、頭のいい馬でもあるということの証左だろう。これも余談ではあるが、ディープは自分の理想体重を知っていて、カイバの食べる量を自分で調整することもあると関係者は語っている。
そして落ち着きを取り戻したディープは順調にレースを進め、遂に最終、淀の大坂を越える。
落ち着いたとはいえ、前半かかったぶん他の馬よりもスタミナを消費しているはずだ、最後の直線、果たしてディープは伸びるのか――!
そんな観衆の不安を吹き飛ばすような、鮮やかな直線の伸び。
2着アドマイヤジャパンに2馬身差をつけて、ディープインパクトは史上2頭目の無敗三冠馬となったのである。
終わってみれば単賞倍率は実に1.0倍、100円を買って100円の払い戻し。もはやギャンブルですらない。GI級競走での元返しは1965年天皇賞(秋)のシンザン以来、40年ぶりの記録となったのである。
レース後の記念撮影、鞍上の武豊は満を持して3本の指を突き上げた。
そして次走はグランプリ、第50回有馬記念。
12月25日のクリスマスグランプリとなったこのレースにおいて、ディープはファン投票で160297票を集め、2位のゼンノロブロイに35000票あまりの差をつけて堂々の1位で選出された。
当日の中山競馬場は、前売入場券を持っている人のみが入場できる完全前売り制であったにも関わらず、162409名が中山競馬場に入場、誰もが史上初の無敗4冠馬誕生を固唾を呑んで見守った。
結果から記そう、ディープは初めて敗れた。
いつも通りの後方強襲、だが最後の直線であの疾風のような脚は残っていなかった。
菊花賞3200m激走の疲れが蓄積していたのだろう、ハーツクライに1/2馬身差届かず、ディープインパクトは初めての敗北を経験したのである。
だが2005年のディープの活躍は疑いようもなく、2005年最優秀3歳牡馬には満票(291票)で、年度代表馬では285票(残り6票はディープインパクトに初黒星をつけたハーツクライ)を獲得し、それぞれ選出された。
明けて2006年、雪辱に燃えるディープインパクト陣営は初動に阪神大賞典を選択する。
ここを初動と定めていた他の馬は哀れであったろう。武はゴール前で手綱を緩める余裕を見せて、このレースを快勝。2着には3と1/2馬身の差であった。
古馬になったディープが初めて挑むGIは、4月の天皇賞(春)であった。
天皇賞は日本で最も格式のあるレースと言っても過言ではないだろう。天皇賞(春)を「春の競走」と言い、天皇賞(秋)を「秋の競走」と表することからも、天皇賞が日本競馬にとって特別な意味を持つレースであることが伺える。
そんな天皇賞で、単勝1.1倍、支持率75%、またしても春の天皇賞では史上最高の支持率。古馬との実質的な初対決であったとしても、国内にはディープインパクト以上に強い馬などいない、そんなファンの気持ちが数字になって表れていた。
そして発走した天皇賞(春)、ディープはまたしても、またしても出遅れる。だが道中はスムーズだ、出遅れてからかかりっぱなしという3歳時の悪い癖は既にない。
そう、ディープインパクトは成長していた。かつて「飛んでいるようだ」と言わしめた走りはそのままに、更なるパワーと闘志を身につけていた。もう3歳の頃の自分ではない、そう主張するかのような圧勝。
勝ち時計3分13秒4は1997年のマヤノトップガンが記録したレコードを1秒も縮める脅威の時計。
2着に入ったリンカーンの鞍上にあった横山典弘をして、「リンカーンは、生まれた時代が悪かった」と言わしめるほどのレースであった。
そしてレース後の記念撮影で4本の指を天に突き上げた武豊は、レース後にこんなコメントを残した。
「ラストは、また飛んでいるようでした」
そして遂に、武の口からこの言葉が出たのである。
「海外に行きたい。この馬なら叶えてくれると思う」
この武豊の発言は、日本のホースマンがずっと心に抱いていた悲願を代弁したものであったろう。
1969年のスピードシンボリ以来、ただの一度も達成したことのない日本馬によるアーク、凱旋門賞の制覇。
ディープなら、ディープインパクトならやってくれるに違いない!
日本の競馬関係者は、ファンは、すべてこのときの武が発した言葉に希望を託したのだ。
10月に行われる凱旋門賞へのステップとして、ディープにはやっておかねばならないことがあった。
それは唯一の敗北を喫したグランプリでの雪辱であった。もう一つのグランプリ、宝塚記念への出走である。
ファン投票では89864票を集め1位となり、単勝支持率も天皇賞(春)に続きレース史上最高の75.2%と圧倒的な人気。宝塚記念はディープのフランス壮行会レースの様相を呈した。
だがこのレース、思ってもいない苦境がディープを襲う。
当日の京都競馬場に朝から降り続く雨。レース時にはなんとか稍重(やや重)の状態まで持ち直したものの、ディープにとっては経験したことのないGIでの重馬場であった。
前々走の阪神大賞典で稍重は経験しているとはいえ、古馬最強が集う宝塚記念となればまったく状況が違う。重馬場というのは馬のスタミナを奪うだけでなく、足を滑らせて故障を起こすことが何より心配される。
果たしてディープインパクトは重馬場に対してどう挑むのか、アークを前に故障などという事態になるのではないか。そのような不安が関係者やファンに重くのしかかる。
だが、ディープにそんな心配はまったく不要のものであった。
序盤こそいつもの後方待機であったが、向こう正面から第三コーナーにかけていっきに先頭に踊り出ると、そのまま一気にスパート。2着を4馬身引き離しての圧倒的な勝利であった。
ディープインパクトに敵う馬などもう国内には一頭もおらず、更には雨すらも彼の勝利を阻むことなどできない。
もはやおなじみになったレース後の記念撮影で武が掲げた指は五本、ディープインパクトが国内5冠、そして史上7頭目にして史上最速の10億円ホースとなった瞬間であった。
そして明日、ディープインパクトは満を持して世界最高峰のレースに出走する。
しかもただの挑戦馬ではない、ディープはIFHAから発表された「トップ50ワールドリーディングホース」で125ポンドに評価され、ランキングが設立された2003年以降、日本馬として初めて首位にランクされたのだ。
そう、明日のアークにおいてディープインパクトは本命馬なのだ。世界最高峰のアークで日本馬が初めて本命に推されるのである。
強敵は多い、いや、強敵しかいない。世界最高のレースには世界最高の馬たちしか出走を許されないのだから。
地元フランスの3歳の雄、レイルリンク。
抜群の差し脚を持つ6歳牝馬プライド。
デットーリ騎乗予定のシックスティーズアイコン。
そしてディープと並ぶ絶対の大本命が2頭いる。
前年の凱旋門賞優勝馬、ハリケーンラン。
そして前年のブリーダーズカップの覇者、シロッコ。
ディープも本命とはいえ、厳しいレースになるだろう。
それに加えて、長距離輸送、日本とは違う気候、固い馬場、不安の要素を挙げていけばきりがない。
日本時間2日午前0時35分に、レースは発走する。
どうか祈っていて欲しい、ディープが世界を制すことを。
あなたが例え競馬に興味が無かったとしても、これだけは覚えておいて欲しい。
あなたはいま、歴史が生まれる瞬間に立ち会っているのだ。
近代日本競馬83年の歴史が変わる瞬間に、あなたはいま立ち会っているのだ。
ディープインパクトと武豊、頑張れっ!!
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20060928 バイオレンス澪 VS
長森
清らかな空気、にぎやかな小鳥の声。清々しい朝。
普段の全力疾走とは比べ物にならないほど穏やかな登校風景に、長森はほうと息をつく。
「こんな朝も、たまにはいいかな」
傍らにいつもの幼馴染の姿はない。
今朝迎えに行ったら隠れて寝たのか見当たらなかったので、ノータイムで無視して置いてきた。浩平は恐らく間違いなく遅刻だろう、長森だってやるときはやる女なのである。
「え――?」
“それ”は、清々しい朝にはまるで不釣合いな禍々しい瘴気を発してそこにいた。
うつむき加減に立つ“それ”は、悪意が形になったかのよう。
半開きになった口、死んだ魚のような瞳、だらりと垂らされた両の腕。その先には、真新しい角材。
澪だった。
「み、澪ちゃん?」
くわっ!
「ひっ!」
ブンブンと角材を振り回しつつ、襲い掛かる澪。
「ひぃっ!」
死ぬ気で逃げる長森、なんだか知らないが追いつかれたらヤバイ。
ちらりと後ろを振り返ってみたりすると、なんか首をかしげたような感じで半開きの口と死んだ魚の目でブンブンと角材を振り回している。エクソシストだ。
「ひいいいぃっ――!」
そりゃあもう必死で逃げた。泣きながら。
「ぜぇ、ぜぇ……」
基礎体力の差か、息を切らしつつもなんとか窮地を脱した長森。ちなみに澪は酸欠でばったりと倒れていた。大の字に。
「み、澪ちゃん、大丈夫?」
よろよろと立ち上がり、息も絶え絶えになりながらも大丈夫とばかりににっこりと笑う澪。その健気さに長森の胸の奥がキューンとなった、長森は猫が好きだがマウス系の小動物も大好きだ。
そして澪は笑顔のまま、スケッチブックを取り出す。
『ちっ、逃げ足の速いヤロウなの』
「えー」
なにもかもが台無しだ。
「えっと、澪ちゃん、いったいどうしてこんなことを」
そう聞かれた澪の笑顔が曇る。
「あ、む、無理に言わなくてもいいんだよ、話したくないことだったら別に……」
ふるふると首を振り、また無理に笑顔になる。ああカワイイ…ハムスター飼いたいなぁ。
『あのね、あのね』
「うん、うん」
『我より胸の大きい奴は全員撲殺』
「えー」
いろいろ台無しだ。
『だいたい何だその乳は! 制服の前留まってねぇじゃねーか! キツイのか、キツくて留められないのか。 ちくしょうふざけるなっ!』
「そ、そんなこと言われても……」
『許さん、絶対に許さん。我よりもチチの大きい娘は全員地獄行き』
「ひっ!」
再び角材をぶんぶんと振り回し始める澪。
「だ、ダメだよ澪ちゃん、そんなことしたらうちの学校全員人がいなくなっちゃうよ! ――あ」
角材を振る腕を止め、にっこりと笑う澪。
つられて微笑む長森。
『絶対コロス』
「ひいいぃぃーーっ!」
頑張れ澪! 負けるな澪!
チチ牛どもを狩り尽くすその日までっ!!
次回予告!
遂に姿を現した、最大最凶の敵!
澪は果たして、奴を打ち倒すことができるのかっ!
次回、バイオレンス澪、『大決戦! 異次元胃袋女! 〜瞳にハイライトかかってないんですけど仕様ですか?〜』
(20006年9月29日放映予定)
りょーちんが澪を愚弄しているのを見て、カッとなってやった。今は後悔している。
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20060924 なんということだ……
遅ればせながら、Type-Moonのキャラクターズマテリアルをメロンブックス通販で手に入れたわけですが――
10代橙子さんがヤバすぎるっ!!
……なぜ黒服の深窓の令嬢系なんですか……
しかも儚げでありながらなんかこう人を見下したような眼光はこの頃から健在。
「うふふ、出直してらっしゃるとよろしいのじゃないかしら? というか今すぐ死ね」
とかそういう系。
いやもうど真ん中ストライクというか、今日の阪神の試合内容のように完璧すぎるんですがっ!!
うわー、この橙子さんでゲーム作ってくれねぇかなぁ。
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20060913 ひぐらし終了 音楽感想
ひぐらしを終えたわけですが、普通に感想書いてもつまらないので、ここはひぐらしで使われていた曲のレビューなんかを書いてみようかと思います。
おまけにある「音楽室」(サウンドテスト)の順番で、頭から。
【】の中は作曲者名、敬称略です。あしからず。
Thanks【dai】
なにげに、これが「ひぐらしの鳴く頃に」を代表する曲なんじゃないかと思っています。
いいなぁこの曲。ずっと聞いてても飽きない、そして聞くたびにいろんな場面が思い浮かぶ、これこそゲームの曲として最高なんだと思います。
iru【dai】
平和な曲です、ですがなんとなく寂しいメロディ。
風車小屋の少年【ゆうね@柏餅】
ファミレスのメロディですね。平和の象徴みたいな曲。
daily_passing_by【zts】
これもひぐらしにおける平和の象徴みたいな曲ですね。エピローグっぽい感じがします。後半は割とピアノ系では強いメロディの曲なんですよね、割と好きかも。
What_is_wished【zts】
ここら辺は日常の曲ですね。2リピートするんですが、その繋ぎがゆったりとした変調で割と好き。
陰(かげ)【dai】
少し物悲しいけれど優しい曲。この曲は結構好き。耳に残る前半もいいですけど、後半の神秘的な雰囲気もかなりいいね。
Spring_Step
これもファミレス系の曲。春の歩み、という曲名の通り、温かみのある曲です。ただ若干単調すぎるかも。
Digital_Network
口先の魔術師、圭一の曲。部活関連でもよくかかってた曲ですね。ある意味、これもひぐらしにおける平和の象徴である曲であるような気がします。なにげに後半のキーボードメロディはカッコイイんですよね。
Bady's_Walk
梨花ちゃまの曲。ぴこぴこ、という音が耳から離れんのですがー。
なにげに梨花ちゃまはあれでいてひぐらし最黒キャラであるわけで、侮れません。
you(M.Box風アレンジ)【dai】
ひぐらし代表曲、そのオドロオドロシイアレンジ。つかこの微妙な半音ズレが不快であり、かなり怖い。これどこでかかってた曲なのかあんま印象ないんですよね。
古 −いにしえ−【ゆうね@柏餅】
怖い系の曲。夜によく流れてた曲ですね。ちょっと和風のテイストが非常にひぐらしらしい。
ひぐらしの声
ただただ単調な、ひぐらしの声。だけどこれこそが「ひぐらしの鳴く頃に」の原点でありすべて。
曲ですらないわけですが、これを聞いているだけでいろんな場面が思い浮かぶあたりは圧巻です。
Soul_scour【dai】
神秘系の、怖い系。じわじわと効いてくる怖さがありますねこれは。単調なんだけれど、それが這い上がってくるような怖さを演出しています。
違和感の発芽
問題編で、遂に壊れ始めた世界、その序章をイメージさせる曲。不協和音。こりゃ怖いわ。たった30秒ちょっとの曲なんですが、すごい存在感です。
depressive_paranoia【tack】
直訳だと「鬱病の被害妄想」これも不協和音系。
疑心暗鬼という言葉をそのまま曲にしたような感じ。ねちっこい弦楽器の音がすごい嫌な感じです。曲は嫌いじゃないが。
soak【zts】
曲というよりは音の集まり、と言った方がしっくりくるような曲。音の高低、大小が聞いている者の余裕を奪う絶妙な曲です。
このあたりの曲は、ひぐらし問題編のホラー部分を担う非常に重要な曲たちですね。
見えぬ未来【DJ NATA-RAW】
テクノ系なのに、そのくせメロディラインは純和風という一風変わった曲。リズムの疾走感が素晴らしい。正直、どのあたりで使われていた曲なのかあまり印象に無いのですが、曲自体のできはかなりいいです。
狂気への回廊【DJ NATA-RAW】
祭具殿の曲ですねこれは。怖いよこれも。
狂気【モロコ】
正に「狂気」の何相応しい。もう完全に狂ってしまった世界を的確に描写しています。
祝祭(Soundscape Var.)【カレギュウ(oi)】
「祝祭」とはよくつけたなぁ。メロディだけ聞くと、確かに楽曲系なんですが、どこかボタンを掛け違えたような強烈な違和感のある曲に仕上がっています。これは上手いと思う。
後半に入るひぐらしの声が非常に印象的。この辺も上手いなぁ。
Solitude【すえばし】
直訳で「孤独」
物悲しい曲です。取り返しのつかないことをしてしまった後のような、そんな曲。ひぐらしはこういう曲も秀逸ですね。
Confession【dai】
直訳は「自供」この訳はちょっと直接的すぎてアレかも。
曲自体は非常に好きです、この曲が流れる場面はもう本当に取り返しがつかなくて、バッドエンド手前。ああすればよかった、こうしておくんだった、そんな強烈な後悔がひしひしと伝わってくる、傑作です。
you【dai】
dai氏最大の傑作はこの曲でしょう。正真正銘、この曲こそがひぐらし、上述したConfessionや、後述するリズム系最良曲たるdestructiyのベースとなっている曲です。
使われていた場面の影響でしょうか、なんとなく物悲しいメロディで、正に「ひぐらしの鳴く頃に」という作品のすべてを表している曲であると思います。この曲を聴くだけで、色々な場面が思い浮かんで、感慨深くなります。ゲームミュージックはかくあるべし。
daily_passing by【celesta】
直訳だと「通り過ぎる日常」かな?
平和な曲なんですけれど、この曲もどことなく物悲しいですね。なんというか、過ぎし日を思い返しているかのような、そんな曲。
スタコラサッサ
わはは、これは監督の曲だ。底抜けに明るい曲。ミュージックテストの順番的に、この曲にほっとします。
つーか長ぇよ! 何ループするんだ!
見えない何かに怯える夜-2ndEdition-【煉獄小僧】
この煉獄小僧氏こそが、解答編のリズム系曲の雄であるわけですが、この曲も例外なくカッコイイです。解答編、レナとの対決時の曲ですね。あれはシナリオ自体は現実感の無さに眩暈がした、久慈がひぐらしを見捨てるきっかけになったひどいシナリオですが、曲は超絶にカッコよかった。
つか圭一本当にカッコイイなぁ。こういう普段は三枚目だけれどもいざという時には頼りになる男ってすげぇカッコイイと思うわけですが、詳しくは後述。
後半のサビ部分で、1キー上がるあたりが超絶にカッコイイ。何度聞いてもすげぇいい曲だなこれ。
Amber【朱月笛丸】
ピアノの音色が美しい、物悲しい曲。シンプルですけれどそれだけにメロディラインの秀逸さが光ります。単純な2ループかと思いきや、2ループ目はちょっと違うんですよね。芸が細かいなぁ。
Bellflower【朱月笛丸】
ベルフラワー、釣鐘草ですね。
朱月笛丸の曲はシンプルだけれどメロディラインが美しい曲が特徴的です。この曲もとても綺麗。メロディだけで物語性を感じさせてくれます。
Frozen_Memories【すえばし】
凍った記憶、とでも訳すべきか。
過去の回想でよく流れていた曲です。圭一が転向してくる前を回想したときも確かこの曲じゃなかったか。
feel【dai】
あれ、圭一が回想してたのこっちだっけ? どうもこの曲はレナの過去、というイメージが。
非常に澄んだ綺麗な曲なんですけれども、とても物悲しい。レナにはこういう曲がとてもよく似合うと思うんですよね。
Birth_and_death【dai】
出生と死。物語のクライマックスを飾るに相応しい、荘厳な、盛り上がりのある、だけどやっぱりとてもとても悲しい曲です。
この曲は、レナが殺人を犯したことをお気に入りのガラクタ置き場で独白する場面が非常に印象に残っています。あれは何編だったか。普段はすべてを包み込んでくれるようなレナが、恥も外聞もなく声を上げて泣く、そんな場面。もう二度と取り返すことの出来ない、やり直しのきかない、そんな日常への後悔と慟哭。ああ、この曲すげぇ好きだ。
Sheep Counts【propan_mode】
シープカウント。羊が一匹、羊が二匹、というやつですね。
物語の核心が見えてきた、そんな曲。
鬱【海老スパ】
また直球ストレートなタイトルだな(笑
正に鬱、聞いているだけで気だるくなってくるような、そんな曲。
Cradle_song【dai】
ゆりかごの歌。この曲も後悔を思い起こさせる曲ですね。どことなく孤独を感じさせるメロディに、リズムがどこかズレている違和感が秀逸です。
pros【propan_mode】
サスペンスというか、ミステリーというか、そんな感じの場面でかかっていた曲だったような。悪い曲ではないのですが他の秀逸な曲に埋もれてしまっていますね。
空夢【dai】
曲自体はどの場面で使われていたか印象が無いんですが、サウンドテストのバックに表示されるのが、月を瀬に微笑むレナで、すとーんと納得してしまいました。優しいんだけれど物悲しく、空虚で、でもやっぱり限りなく優しい、そんなレナのような曲です。
彷徨いの言葉は天に導かれ【煉獄小僧】
空夢の直後にこの曲、というチョイスがまずは神。そしてこの曲自体が既に神。煉獄小僧氏の曲の中でも、この曲は頭一つ抜けていると思います。
場面としては、校舎の屋上で金属バットと鉈を打ち付けあう場面。
この話事態は嫌いです、あまりにも現実感が無いし、なによりあれだけ神秘的だったレナというキャラが、ただのキ印でしかなかったあたりが激しく嫌。
だけどこの場面の異様な盛り上がりと爽快感は異常でした、それもこれもこの曲があったからこそなのだと、いまこうして聞いているとよくわかります。先ほどの空夢と同じく、月夜をバックに笑うレナの絵がサウンドテストのバックで、曲は正反対なのにこれ以上の選択肢はありえないくらいに嵌っているあたりがおかしいよこれ。
この二面性こそがレナ、この狂気こそがレナ。レナ好きにはたまらない編曲です。
とにかく、空夢→彷徨いの言葉は〜 と連続して聞いてみてください、鳥肌立つぜ。
レナのことばかり書きましたが、この場面での圭一も最高にカッコイイやつです。問題編で沙都子の叔父を撲殺する場面では狂気に駆られたカッコよさでしたが、ここでの彼は普段の彼のパーソナリティのままに、突き抜けた明るさとはちゃめちゃさで、金属バットを手にレナの鉈と打ち合います。解答編の圭一は正に「覚醒」と呼ぶに相応しい活躍っぷりで、見るものをわくわくさせてくれます。まぁ祭囃子編では圭一もレナも部外者で見せ場はゼロであり、だからこそ激しくつまらなかったわけですが。
というわけで前半終了。今回はここまで。
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20060909 ひぐらし祭囃子編 一言感想
赤 坂 !
ちょっ……! おま…っ!
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