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20060729 同人の話 最終夜 その2




 ちょいと間が空きました。
 出張があったり夏の締め切りがあったりしたわけですが、とりあえず入稿したよっ! 夏は本出ます。さっくりとこちらで販促しましたので、みんな買ってネ☆


 さて、前回の雑記へのご意見代表として、メールフォームへの投稿をご紹介。



name=

mail=

本文=
 同人の話の最終話ですが、Wordを前提条件にいれているのって何の冗談ですか?それとも文章を作るモノに貴賤とかありき?
 別に必須とか言ってないよ〜とか言うつもりでしたら、「Wordを買ってしまえ!!」等を太字から細字に、「将来便利なので〜」のラインを強調しつつ、必須でないことも主張しないとおかしいです。
 回っている数サイトでも、この事で失笑されていますし。


 ご意見ありがとうございます。
 貴賎がうんぬんのあたりは正直意味が解りませんのでスルーしますが、Wordに関してはあくまで「わたしが紹介する『同人初心者の方のための同人誌作成方法』」に必須なだけであって、文章系同人活動に対して絶対必須と言っているわけではありません。このようなことはあえて書く必要も無いだろうと思ったからこそ書かなかったわけですが、どうもわたしの書いた文章に普遍的な意味合いを感じてくれてらっしゃる方が多いらしいので明言しておきます。あくまでわたしの書く方法は久慈光樹流なのであって、一般的なそれとは一部違う可能性もあります。
 わたしがWordを必須だと言い切るのは、わたしがWordでしか同人誌の作成方法を知らないからであり、自分が使ったことも無いソフトを初心者の方に無責任に勧めることはできないとの判断からです。Word以外のソフトによる作成方法をわたしは知りませんので、そちらはぜひメールフォームの名無しさんや「回っている数サイト」の方々が初心者さんに紹介してあげてください。選択肢は多い方がいいでしょうから。





 さて、のっけから後味が悪いわけですが、気を取り直して前回の続きから。今回で一気に終わりまで。
 前回のエントリーで一点重大な書き忘れがありました。



手順3 本の仕様を決める 補足

 仕様を決める中で、印刷部数を決めなければ話になりません。初めての方が一番悩むのが、この印刷部数だと思います。
 ポプルスさんで言えば文庫本は50冊から印刷可能です。ひょっとしたら直接問い合わせれば50冊以下でも印刷可能かもしれませんが、問題は原価と売上の関係です。最初から黒を出すのは難しいかもしれませんが、次を考えればあまりにも赤字というのも困ります、許容範囲を見極めて配布価格とそれにかかる原価を算出しましょう。
 とはいえ原価が決まらないことには何冊刷ればいいかわかりません。刷り数は一旦保留しておいて、次のステップに進みます。





手順4 印刷会社を選ぶ

 本を刷っていただく印刷所を選ぶわけですが、解らないのならとりあえずポプルスさんでいいと思います。
 ポプルスさんのページで「各種料金表」を選択してみてください、そこに「フルカラーカバー付き文庫セット」というのがあります。今回はこれを利用しましょう。ポプルスさんの非常に大きな魅力の一つが、この文庫セット。お値段としては決して安くないですが、とにかく初心者にはこのセットがとっても楽チンです。超オススメ。
 はっきり言って、印刷会社さんは漫画系の同人誌がメインターゲットですので、小説系の同人誌セットは他の印刷会社さんではほとんど無いと思います。ポプルスさん以外を選択する場合には、文庫セットみたいなものがあるところがよいと思います。
 文庫を作る際に気をつけたいのが、カバー掛けの料金です。昔はポプルスさんは別料金でしたが、今は含みの料金体系になっています。このカバー掛けというのが非常に面倒なんですよね、100部くらいだったら自分でもできないことはないですが、直接搬入にするとどうしても会場製本になりますし、開場に間に合わなかったらかなり悲惨なことになります。ご注意をば。
 価格表を見ると、100ページ前後となると96ページと104ページがあります。前回も書いたとおりページ数には表紙の4ページ分が含まれていますので、今回は104ページを選択します。これで本文だけで100ページ書けるわけです。(目次や奥付も含んで、ですが)
 ポプルスさんを利用する場合には、事前にリンク会員になっておくことをオススメします。会員になっておけばFTP入稿が使えますし、基本料金から7%割引してくれます。今はどうか知りませんが、わたしの頃は申し込みから少し時間がかかりましたので早めに申し込んでおくことをオススメします。
 ポプルスさん以外でも別に構いませんが、その場合は周囲の評判等をよく調べて判断しましょう。印刷会社の中には締め切りどおりに入稿したにも関わらず、イベントに間に合わず本を落とすという信じられない愚挙を過去にしたことがあるようなところもあるらしいですので、気をつけてくださいね。
 印刷会社関連も界隈ではやっぱりこの人が詳しいので、聞いてみるといいかも。




手順5 見積を取る

 印刷会社さんが決まったら、何は無くとも見積を取りましょう。
 決まって無くても参考として見積を取ってみるのもいいと思います。見積だけだったら無料ですし、その対応如何では「ここはヤバイんじゃないか」等の判断にもなります。
 大体の価格は価格表でWebから確認できますが、諸経費が意外とかかる場合があります。具体的には、送料・校正料等がそれにあたり、見積ってもらうと以外に出費がかさむこともある可能性がありますから、見積りは絶対にしていただくようにしましょう。
 実際の見積りおよび予約の際には、ポプルスさんであれば「poplsメールオフィス」が楽チンです。刷り数はまだ確定していませんから、50冊と100冊の両方見積ってもらうといいでしょう。「その他希望」欄にその旨を書いておきます。
 予約の際にまず何より決めなければならないのは、締め切りです。ポプルスさんはイベントに際し特に決められた締め切りを設定していません、これは本の印刷部数や仕様によって締め切りが変わってくるということです。事前に必ずこちらの希望を伝え、締め切りを確認するようにしましょう。
 無論、作る側としては締め切りは遅ければ遅いほどいいわけですが、あまり駄々をこねて相手を困らせないように。印刷会社さんとも信頼関係が大事です、「次こそは締め切り守ります!」と5回も6回も言い続けているようなサークルとは信頼関係もなにもあったもんじゃありません! ……マジすんません……
 見積を貰ったら、ページ数を確定させましょう。


 50部の場合、恐らくこんな見積になるはずです。


<文庫セット文庫サイズ/104頁(表紙4頁込)/50部>
基本料金     50,400円
お気楽フルカラーオンデマンド
 カバー校正   1,000円
 カバー取り付けあり
本体表紙/色上最厚口白/黒刷り/表2.3印刷なし
本文/白上90k/黒刷り
 データ校正   1,000円
本送料      1,000円
リンク値引    -3,528円
---------------------------------------
合計 49,872円(税込)




ちなみに100部だと


<文庫セット文庫サイズ/104頁(表紙4頁込)/100部>
基本料金     58,700円
お気楽フルカラーオンデマンド
 カバー校正   1,000円
 カバー取り付けあり
本体表紙/色上最厚口白/黒刷り/表2.3印刷なし
本文/白上90k/黒刷り
 データ校正   1,000円
本送料      1,000円
リンク値引    -4,109円
---------------------------------------
合計 57,591円(税込)



 なんと倍の数を刷っても7,719円しか変わりません。

 次に配布価格と刷り数の兼ね合いを考えるとき、まずは1冊あたりの原価を考えてみます。

50部の場合
 49,872円÷50部=997.44円
100部の場合
 57,591円÷100部=575.91円

 つまり完売を前提に考える場合、50部刷ると1冊約1,000円、100部刷ると約600円で売れば元が取れるわけです。
 イベントで売るのであれば、イベント参加料、交通費、宿泊費等が別途必要になってきますから、同人誌単体で赤になるようでは困ります、50部と100部で原価は7,719円しか変わらないにも関わらず、売値で言うと1冊400円も違ってしまうわけですから、100部刷った方がはるかに得だということが解るかと思います。

 配布価格が高くなるのはかなりのマイナス材料です。だいたい104ページの文庫だと厚さは6mm前後です。あなたのお手元にある小説本の厚みを計ってみてください、6mmって思っている以上にかなり薄いです。そんな本にあなたは1,000円も出しますか? 50部刷っただけでは1,000円で売らないと赤字になってしまいますが、100部だったら最低600円にできるのです、多少ムリしても100部刷った方がよいと思います。
 大丈夫、きちんとした装丁の文庫本であれば、100部くらい1年あれば捌けますよ。ひょっとしたらコミケだと100部じゃ足りないかもしれないくらいです。

 100部刷ることを決めたら、あとは配布価格の決定です。最低600円でいいわけですから600円……としたいところですが、完売を前提にするのは危険です。本の厚み的にかなり割高ではありますが、最初ですから1冊700円にしましょうか。これなら83冊売れれば元が取れます。きちんとした装丁の本であれば、104ページでで700円ならギリギリ買ってもらえる範疇だと思います。800円だと厳しいかな?
 無論、本の単価は安ければ安いほどいいですから、600円で完売を狙うのも手ではあります。ただし先ほども書いたとおり、本だけでなんとか元が取れても、交通費等の諸経費は完全に赤字であるということをお忘れなく。あまり最初から無理はしないのが得策です。

 ちと話が逸れますが、上記したように配布価格を考えれば多く刷った方が1冊の原価を安く抑えられます。そうすれば本をより安い価格で読者さんに提供できるわけです。真に読者さんのことを考えるのであれば、本はなるべく安く提供したいですよね?
 同人誌というのは確かに趣味の範疇ですから、あまり売上だ利益だと拘泥するのは趣旨に反します。同人をやっている人にとって、売上に拘る、利益に拘る、という姿勢をあまり全面に出すのはタブーになっているように思います。「同人ゴロ」という蔑称もあるくらいですから。
 わたしもいわゆる「同人ゴロ」と陰口される人は大嫌いです。お前何のために同人やってんだよと小一時間と言わず小三日間くらい問いただしたい思いです。ですがその感情があまりに行き過ぎ、赤字を出して同人活動を続けるのが普通だ(美徳だ)という意識もまた極端すぎます。
 先ほどの配布価格計算にしても、50部刷って700円で売ってもいいわけですよ。完売しても15,000円の赤字になるわけですが、それは作者側で吸収すればいい。でもそんな無理なサイクルがいつまでも続くわけがありません、いつかは資金繰りに行き詰まり、同人活動を止めることになるでしょう。そのとき、あなたはファンになってくれた読者さんを裏切ることになるんです。あなたの作品を楽しみにしてくれる人を裏切るか、無理を続けて赤字での発行を続けるかの二択です。わたしはそんなの嫌ですよ。

 こう考えたらどうでしょう。


読者さんに安く本を提供したい
   ↓
そのためには数を多く刷りたい
   ↓
数を多く刷ると、それだけ多く売らないといけない
   ↓
どうしたらより売れるようになるかを考える


 すべては読者さんのことを考えてのことなのです。読者さんに満足してもらえる本であれば多少は高くても致し方ないという考え方もありますが、読者さんに満足してもらってなおかつ安ければそれに越したことはありません。そのためにどうすれば数多く売れるかを考えるのは、果たして後ろめたいことでしょうか?
 赤字になるのは当たり前、という考え方は、単なる思考停止です。どうすれば赤字にならないのかを必死で考えて、計算して、実行する、それこそが実際に金銭のやりとりをする同人活動の、お客様に対する礼儀なのだと、わたしはそう考えます。

 余談でした。刷り数100冊、配布価格700円が決定したところで次のステップに行きます。




手順6 表紙絵を描いてくださる絵描きさんを探す

 重要な工程です。ここでつまずくと先に進めません。以前の雑記を参照して、あなたの初同人誌の表紙を飾ってくださる素敵な絵描きさんをゲットしましょう。
 これに関してはもう頑張ってくださいとしか言えませんが、一つだけいえるのは、普段から絵描きさんには敏感になっておきましょう、ということ。
 例えばうちのサイトはこの同人関連エントリで色んなリンクサイトさんに紹介されたおかげで、普段はリンクされたことないサイトさんにまで紹介していただいたわけですが、その中には絵描きさんのサイトもいくつかありました。無論、その中でわたし好みの絵描きさんのサイトはすべてブックマーク済みですよ(笑) うちをリンクしてくださった絵描きさんは、ある日突然、久慈光樹と名乗るSS書きからファンレターメールが飛ぶかもしれません、ふふふ。まあ要はそれくらいの貪欲さが必要ということです。
 ただこの段階では、印刷会社さんに予約もしてないので表紙の締め切りが確定していません。印刷会社さんにもよりますが、コミケであればイベント当日から一ヶ月〜一ヶ月半ほど前が締め切りと見ておけば確実です。そこから絵を描いていただく時間を逆算するわけですから、できれば3ヶ月くらい前にはお願いするようにしましょう。
 そして絵描きさんに運良くOKをいただけたら、絵描きさんに詳細をお伝えしましょう。
 締め切り、ジャンル、キャラ等詳細な仕様をお教えして描いていただかねばなりません。
 まず何より考えねばならないのは、締め切りです。
 絵描きさんも忙しいでしょうから非常に心苦しいことではありますが、締め切りはしっかりと守っていただくように考えねばなりません。はっきり言って表紙が落ちたら本文があっても本は出ません。表紙と本文は一蓮托生ですから。
 絵描きさんには非常に失礼な話ですが、大事なのは、ポプルスさんから伝えられた締め切りをそのまま伝えないこと。これは今後本文でゲストさんをお招きする際にも言えることですが、印刷会社さんから提示された締め切りはいわば最終ラインです。それをそのまま伝えてしまったら、もし絵描きさんが何かしらの理由で遅れてしまったときに取り返しがつきませんし、確認したり入稿したりという時間がなくなってしまいます。
 ポプルスさんから提示された締め切りよりも、2、3日早い日程を締め切りとしてお伝えしましょう。あまりこれをやりすぎると「で、本当の締め切りはいつよ?」とか言われるようになるわけですが。本当の締め切りなどない! 帰れ!
 お願いする絵の内容をお伝えしなければいけないわけですが、ここは難しいところです。描いていただくキャラや絵の雰囲気をお伝えするのは当然として、構図やらタイトルの位置などまで指定するかどうかは絵描きさんによります。
 ここは「事細かに指定した方が描きやすいですか? それとも概略だけ決めて後はお任せの方が楽ですか?」と直接聞いてしまうのがよろしいかと思います。このあたりは絵描きさんによって違うので難しいところですから。
 初めての同人誌ですから自分のやりたいようにやるのが一番ですが、えてして文章書きの貧相なイメージよりも、絵描きさんのデザインの方がよかったりするものです。うまくコミュニケーションをとりながらデザインを決めましょう。
 ただ一つだけ言えることは、信頼してお任せする以上はたとえ自分のイメージと多少違ったものになっても、絵描きさんを尊重しろということです。自分の中に確固たるイメージがあってそれを余すところなくお伝えしたなら別ですが、概略だけお伝えしてあとはお任せという方法を使ったのなら、リテイクは厳禁ですよ。それが「信頼する」ということです。
 同人活動というもので一番大事なのは信頼関係です、特に絵描きさんは本の顔ですから、お願いした以上は信頼しましょう。
 まぁ「この凛の持っている金属バットに血糊をつけてください。スプラッターハウスっぽく」であるとか「ぱんつの柄はシマシマって言ったじゃん!」くらいだったらOKです。簡単な手直しくらいだったらお願いしてもいいかもしれません。
 あと表紙のトータルデザインをお願いするのなら忘れてはいけないのが背表紙の厚みです。
 背表紙の厚みは紙の厚みで決まってくるわけですが、100ページの本であれば少しでも厚くなるように「90k」という厚さの紙を使うとよいかと思います。普通の文庫本では「70k」が一般的ですが、90kでもさほど違和感無くページがめくれると思います。
 背表紙の厚み、90kの場合は16ページで1mmですので100ページですと6.25mmですね。ちなみに70kの場合ですと20ページで1mmですから、100ページだと5mmです。その旨を絵描きさんにお知らせしましょう。
 あとはこのあたりであるとかこのあたりを絵描きさんに見てもらうといいでしょう。ポプルスさんのQ&Aは非常にわかりやすく為になるので一度ぜんぶ目を通しておくといいかも。
http://www.popls.co.jp/cgi-bin/002/qanda.cgi?no=7&reno=5&oya=5&mode=msgview&page=10
http://www.popls.co.jp/cgi-bin/001/qanda.cgi?no=6&reno=4&oya=4&mode=msgview&page=0






手順7 予約をする

 あれ? 先に本文を書くんじゃないの? とお思いの方も多いかと思いますが、先に予約を済ませておくべきです。
 見積の時と同じく、poplsメールオフィスから予約をしましょう。
 予約の際には「サークル『くじうんぐ』の紹介です」と言ってもらうといいかもしれません。なんの特典もないばかりか「あそこのサークル関係者か!」と警戒されて通常より締め切りを厳しく管理されるかもしれませんが。ダメジャン。
 予約するとしばらくしたら受付番号を書いたメールが送られてきます。この受付番号は問合せや納品の際に必要になりますので、必ず控えておきます。
 さあこれで予約してしまったからには後には引けませんよ。
 初めての同人誌、必ず完成させましょう。




手順8 本文を書く

 さてここからが本番です。自分で決めた仕様に基づき本文を書きましょう。何を書くかは完全にあなたの自由です、初めての同人誌で後悔しないように気合を入れて書いてください。装丁や表紙は確かに同人誌にとって大切なものですが、小説系同人誌にとって一番大事なのやはり本文です、いまのあなたが持っているすべてを書ききってください。自分自身すら納得できないような作品で読者さんを納得させられるはずがありませんから。

 ここでは本文以外の部分で初心者さんが引っかかるであろう部分をフォローします。
 Web公開のSSと違い、本にするということは本文以外の装丁部分が非常に面倒です。ページ番号をどこに入れるか、目次はどうするか、奥付はどんな感じにするか、一ページ何行にしたらいい? 一行の文字数は? エトセトラエトセトラ。同人初心者の方が一番引っかかるのが、この装丁部分だと思います。
 一から自分で作るのは非常に大変ですから、参考までにうちのWordフォーマットと文庫装丁例を差し上げます。正直に言うとうちのフォーマットも色々と試行錯誤してきた結果ですので、ぽんと出してしまうのは口惜しくもあるのですが(笑)
 まぁこれで少しでも文章系同人をやってみようという方が増えることを願って。



 フォーマット

 文庫装丁例(2004年夏コミ発行『遠坂凛の金属バット文庫』(完売済))



 うちのもそう凝っているわけではありませんが、これで必要最低限の要件は満たせると思います。
 あとはこれを元に作ってみて、いろいろ自分なりに試行錯誤してみてください。特に1ページあたりの行数や1行あたりの文字数は、人によって見やすい基準が違いますので、自分なりのフォーマットを確立してください。ただそのあたりは実際に刷って物を見てみないことにはなんともいえません、初回はうちのフォーマット通りに作って、次回から色々改定していくといいかと思います。
 他にもB6本やB6コピー本のフォーマットもありますので、欲しい方がいらっしゃいましたら掲示板やメールフォームで要望してくだされば提供しますよ。毒食わば皿まで。
 今回は104ページの本ですから、Wordのページ数がぴったり100ページになるように調整して書いてください。オーバーしたりショートしたりすると料金が変わってしまいますよ。
 もし挿絵がある場合には、挿絵のページを空白にしておきます。「挿絵(ファイル名)」とか書いておくと親切ですね。挿絵ページのページ番号はポプルスさん側で消して下さるのでそのままで大丈夫です。




手順9 入稿する

 さあいよいよ入稿です。ポプルスさんだと間違いなく表紙を先に入稿ですので、忘れないように。
 FTPで入稿するわけですが、FTP入稿の詳しい説明はポプルスさんのページにあります。
 入稿したら忘れずにポプルスさんにメールするわけですが、初心者にはやや判り辛いかもしれません。(というかわたしも未だによくわかってなくて毎回電話される)
 このメールで間違ったから本ができない、なんてことはありませんので、気軽に書きましょう。わからないところはポプルスさんに電話して聞いてみると、親切に教えてくれます。逆に間違えているとポプルスさんから電話が来ます。カワイイ声の女性の方で舌足らずの噛み噛みだったらそれはうちの担当をしてくれてるEお姉さまですので、失礼の無いように。特に締め切り破ったりした後にうちのサークル名を出されると、わたしの印象が更に悪くなるので絶対にヤメロ。なにせ今回も見事に締め切りを破り、Eお姉さんにこっぴどく叱られたばかりです。これで通算6回連続くらいで締め切り破りです。そろそろブラックリストに載りそうなイキオイであるわけなのです。Eお姉さまごめんよぅ……
 そう、入稿の際に一番注意しなくてはならないこと、それは――


 締め切りを守れ


 なんという説得力の無さか。




手順10 校正を確認する

 入稿してから何日か経つと、表紙と本文の校正が送られてきます。
 表紙に関しては素人が見たってどうせわかりゃしないわけですから、可能であれば描いてくださった絵描きさんに直接見ていただくといいと思います。とはいえ今回は安いオンデマンド印刷ですから、あまり高品質を期待してはいけません。オンデマンドなんてちょっと質のいいカラーコピーですから、許容範囲内であれば我慢しましょう、いつかCTP印刷でバリバリ刷れることを願って。
 あなたが一番確認しなければいけないのは本文校正です。ホチキス止めではありますが、本のような形式になっている校正を見て、あなたは激しく感動したはずです。ですが感動してばかりもいられません、誤字脱字がないか、ページ割は間違っていないか、挿絵はちゃんと指定の場所に印刷されているか、すべて確認してもし間違いがあればお願いして直してもらわねばなりません。
 ポプルスさん側のミスでない限り、1箇所の修正につき500円取られます。誤字脱字1文字で500円、これはかなり痛い金額です。10箇所も直したら5,000円ですよ! ちょっと高いなぁと思わないわけでもありませんが、入稿前の推敲不足ということで観念して直してもらいましょう。
 ちなみにうちは今回も入稿が遅すぎて校正が間に合わず、校正なしでした。みんなこうなっちゃダメだぞ☆

 校正がOKであったら、その旨をポプルスさんに伝えます。そのときに搬入先も指定しましょう。イベントの名前と日にち、それからブースの番号をお教えすれば当日に直接搬入してくれます。100部ぜんぶ搬入してもらいましょう。どうせそんなに売れないよと半分だけ、とかはやめたほうがいいです。
 同人誌というのは、当然ながら新刊の時が一番売れ行きがいいです。というより全体の7割が新刊の時に売れてしまいます。逆を言えば新刊じゃなくなったら3割しか売れないということです、同人誌は鮮度が命なのです。これは将来、ショップさんに委託することになったときも同じですので覚えておきましょう。




手順11 イベントの準備をする

 イベントでは同人誌だけあればいいという物ではありません、事前に最低限これだけは準備しておくべきという物は――

・ブースに敷く布(1m×1mくらい)
・おつり用の小銭(最低でも100円×50枚、500円×10枚、1000円×5枚くらい)
・値札

 この3つは必須です。特におつりは必須、忘れたらイベントになりません。
 今回は700円の本ですから、100円が大量におつりとして必要になるでしょう。目安としては最初から1万円札を出されてもおつりが出せるようにしておくのがマナーです。
 値札に関してはできれば印刷した紙を使いましょう、1冊を見本誌として透明フィルムのブックカバーを付ける等すれば完璧です。

 その他、なるべくお客様に目に止めてもらえるよう、いろいろ工夫してみてください。
 うちはポスターを机の全面に貼ってます、ポプルスさんであればサービスポスターということで、2,000円(内送料1,000円)で文庫本の表紙をA1サイズのポスターにしてくれます。
 とにかく設営で大事なのは「目立つこと」、そのイベントのルール内で最大限目立つように考えましょう。ただし隣や後ろのサークルさんに迷惑を掛けるのは厳禁です。気をつけて。




手順12 イベント!

 遂にゴールの瞬間がやってきました。サークル入場をしたあなたのブースの机の下に、待望の初同人誌が搬入されているはずです。震える手で包装を解き、出来上がった本を初めてその手に取る瞬間は、いくら慣れても格別のものがあります。
 おめでとう、だが戦いはこれからだ!





 さて、くじういんぐ流、「同人初心者の方が同人誌を作るまでの手順」いかがでしたでしょうか。
 そこは違うんじゃないか、こういう方法もある、等のご意見大歓迎です。だいたいから文章系同人の世界は互いの情報共有が希薄すぎるんですよね、文章系は狭い世界なんですから、もっとこう相互に情報交換して、よりよい形態を模索できればいいなぁなんて考えてます。

 同人に関する話は今日で一旦おしまいですが、皆さんのご意見ご感想を大募集いたします。
 下にメールフォームを用意しましたので、匿名で結構ですのでご意見をお聞かせください。「取り上げてもよい」にチェックが入っていれば、今後の雑記で取り上げさせていただきます。

 それでは皆さん、よい同人ライフをっ!!




同人関連エントリに対する、ご意見・ご要望をお寄せ下さい。

名前: メール:
本文:
    雑記帳での反応を希望 / 不用
    


20060722 同人の話 最終夜 その1




 最初に前置き。
 同人という括りの中では、小説系のそれは傍流です。イベントで周りを見渡してみても、ほとんどが漫画の同人サークルさんばかりであり、小説系というのはとても少ないのが現状です。
 SS書きの方、オリジナル書きの方、わたしたちと一緒に同人活動しませんか?
 文章書きの方にとって、自分の創作物が本になるということ、それを目の前で買ってくださる方がいるということは、この上ない快感です。「自分には同人活動なんて関係ない」そう思われてる方も、「同人活動とか、ヲタは救われねぇな」とか思われてる方も、一度自分の本が目の前で売れたらもう病みつきになって抜け出すことは不可能になりますよ。だってわたしがそうだった(笑
 わたしのこの駄文が、「興味はあるけど踏み出せない」という文章書きさんの背中を押すことになれば幸いです。



 というわけで、ダラダラと続けてきた同人の話、いよいよ最終夜です。
 最後は今までの総括を兼ねて、「同人初心者の方が同人誌を作るまでの手順」を具体的に書いていこうと思います。
 ひょっとすると、いや、ひょっとしなくても1回じゃ終わらないかもしれませんが、もう少しだけお付き合い下さい。



 さて、同人初心者であるあなたがまず考えねばならぬことは、どのジャンルで本を出せばいいのかということです。同人誌の原作となる作品をまずは選定せねばなりません
――――などと書くと思ったかああぁーーっ!!
 いきなり失格です。あなたには同人誌を出す資格がありません。お疲れ様でした。
 いいですか? これは同人活動において最重要事項であるわけですが、原作をリスペクトする手段としての同人誌です、原作への愛がないのであればそも同人活動をする意味がありません。同人誌を作るために原作を何にするか選ぶ、なんてのはナンセンス。見事に目的と手段が逆転しています。そんなハンパな考えだったら同人活動なんてやめてしまえ!

 まぁオリジナル創作はまた別であるわけですが、ややこしくなるので割愛。わたしはオリジナルでやる気は今後も無いですし。ただオリに関してこれだけは言えるのは、SS同人で名を売ってからオリに転向、とかいうのはちょっとやり方がセコイんじゃね? と。もうちょっとストイックさを持ちましょうや。


 改めてスタート地点から。
 あなたは好きな原作があって、その原作の二次創作同人誌を出したいと思いました。
 まずは文章系同人誌製作のための前提条件を書いておきます。




前提条件
・Microsoft Wordを持っている(Word2000以上が望ましい)
・Wordを普通に使えるくらいのスキルがある(改ページ、ヘッダー/フッダー程度)



 もしあなたがWordを持っていなかったら――

 買ってしまえ。

 くれぐれも、「友達からCD借りてインストールする」であるとか「会社のCDを焼いた」であるとかは厳禁。不正コピーはソフトウェア開発してる身としては絶対に看過できぬ行為です。割れ厨死ねよ。
 Word単体であればさほど高くないですから、今後の投資と思って思い切って買ってしまいましょう。
 一太郎とかでも構いませんが、Wordに慣れておいて損はありませんよ? 将来的に。


 さて、Wordをなんとか使えるようになったら初めてスタート地点。



 まずあなたが考えなきゃいけないことは
――




手順1 出るイベントを選ぶ

 売る本があっても売る場がないと話になりません。まずは出るイベントを選びましょう。
 オススメはやはりなんといってもコミケ、他のイベントとは規模がまったく違います。その分、倍率も段違いですので、当選するかどうかは神のみぞ知る。ちなみにわたしゃ前回までに4連荘で落ちてますいえーい!
 コミケの場合、申し込み用紙が必須ですので事前に1度は会場に行く必要があります。下見も兼ねて、一度一般参加してみましょう。圧倒されるはず。
 コミケ以外だと、関東ではサンクリでしょうか。関西はよく知らね。
 とりあえずイベントに関してはレポート等でいろいろ紹介しているサイトさんを周って調べてみてください。
 それかこことかで聞いてみるといいよ。本人はどう見てもヤクザですが、きっと親切に教えてくれるはず。





手順2 コピー誌にするか、オフセットにするかを決める

 コピー誌って何? オフセットって何? という人に久慈光樹からのアドバイス! ググれ。
 まずはここが大きな分岐点です。最初だから無難にコピー誌でいくか、それとも一気にオフセで勝負をかけるか。


コピー誌の特色
1.原価が安く、手軽に出せる
2.利益が出ない(ほぼ赤になると思います)
3.製本が激しく面倒くさい
4.どうしてもページ数がかさむ
5.原則的に小説系のコピー誌は売れない


 基本的に、小説系同人誌はコピー誌には向いていません。
 なぜなら小説はどうしてもページ数がかさむから。コピー誌というのは少ないページ数で手軽に作るものであって、何十ページもあるようなコピー誌というのは最大のメリットである「手軽さ」というものを活かせていないからです。
 そもそもコピー誌というものは、絵系同人誌のためにある形式だと思います。大好きな絵描きさんがいて、その方の絵を見たい、たとえラフ集みたいなものであってもコピー誌であれば値段も安いから手軽に買える。そういう用途としてのコピー誌だと思うのですよ。
 まぁ利益が出なくて赤になる、というのは、所詮コピーですから無視できる範疇でしょう。例えば20ページ表紙モノクロのコピー誌であれば20回コピー取るわけですから1冊の原価は200円、まぁ20ページのペラ本であれば相場は100円でしょう。つまり1冊売るごとに100円ずつ赤字になるわけです。売れば売るほど赤字というのは辛いですが、まぁ100円ですから10冊売っても1,000円、50冊売っても5,000円程度の赤字です、目の前で売れる楽しみに比べれば無視できる範疇ですよ。
 問題は労力の方。20ページの本を50冊作るとしたら、両面コピー中綴じだとしても1冊あたり10枚、かける50冊で500枚の紙をひたすら半分に折らなければなりません。紙500枚といったら、オフィス用のコピー用紙1束です、重ねた厚みが4.5cmですよ! やべぇ考えただけで辛い……

 よってわたしとしては、「最初からオフセット行っとけ!」と提案したい。
 やっぱ同人誌を出すからにはよりたくさんの方に読んでいただきたいじゃないですか。そうなるとより多く売るしかありません。だったら最初から気張って、オフセットで行きましょう。大丈夫、100ページの本であれば文庫本が100冊6万円で作れます! 学生さんやおこずかい制の社会人(既婚者)には辛い金額かもしれませんが
――まぁここは趣味と割り切って、すっぱりと6万用意しろコノヤロウ。






手順3 本の仕様を決める

 本文を書く前に、本の仕様を決めましょう。
 仕様と言っても中身のことではなくて、何冊刷るか、何ページにするか、本のサイズは何にするか、とかです。
 書いたらHTML化してWebに掲載するだけのSSと違い、本にする場合は先に仕様を決めておかないと後でばたばたしてしまいます。枠を先に作り、中身はその後です。特にオフセットであれば印刷会社さんにお願いしますので、「こういう本が作りたい!」というイメージはしっかりと持っていないと迷惑をかけてしまいます。
 とはいえ、最初ですからイメージしろと言われても無理な話。ここはある程度決め打ちで行きましょう。

 そうね、本のサイズは文庫がいいかな。
 文庫本の利点は一目見ただけで小説と判る、という点です。このメリットは大きいですよ。なにせ同人は漫画本がメインですから、一目で小説と判れば一見さんに優しいです。イベントで手にとってもらっても、パラパラと中を見て「何だ小説か」という顔で戻されるのはかなり淋しいものがありますから。
 小説系同人誌の需要というのはさほど低くないと思うのですよ。なんだかんだ言いつつ、うちも今では800〜900冊くらいは最終的に完売しますしね。需要は確実にあると思うのです。
 ですが、実際にイベントに行ってみるとわかりますが、小説本を探すのって思っていた以上に面倒なんですよね。数十サークルに1つ2つくらいの割合の場合もあり、小説本が欲しいと思っても探すのが面倒になっちゃう。その場合にブースを一目見ただけで小説と判る文庫本は非常に有利です。わざわざ設営に「小説サークルです」とかでかでかと書かなくても、文庫本を置いているだけで小説系だと判る。これは非常にメリットですよ。
 次に決めなきゃいけないのは、何ページにするかということです。まずは参考までにポプルスさん価格表を見てください。ページ数が上がれば上がるほど価格も跳ね上がっていくのがわかると思います。
 基本的に文章系同人誌が漫画系のそれより原価が高い理由は、ページ数が多くなるから、ただそれだけです。小説はその性質上、漫画のように十数ページというわけにもいかず、それが故に原価が高くなってしまうのです。
 前の雑記で原価を試算しましたが、あのときは200ページで試算しました。しかもCTPカラーで表紙を作る試算でしたからあの値段でしたけれど、最初はオンデマンド印刷で十分です。印刷のクオリティ的にはCTP印刷>オンデマンド印刷ですけれど、CTPにするのは300冊以上刷れるようになってから、今はオンデマンドで十分です。
 ページ数は104ページにしましょうか、それなら6万以内ですし。ただし文庫で104ページというのは、はっきり言ってペラペラです。薄すぎて「ちょっとこれは小説として読みでがないんじゃ?」と思ってしまう厚さです。でも最初だから仕方ありません。読みでがある本は次の機会に取っておきましょうよ。
 ちなみにページ数というのは、表紙・その裏・裏表紙・その裏、の4ページを含んだ数です。その他にも目次や扉や奥付やあとがきがありますから、だいたい本文は90ページと考えていただければ間違いはないかと。
 あとこれは重要な選択ですが、最初のオフセットでは個人誌を作りましょう。いきなり最初から合同誌というのはあまり賢い選択ではありません。なにぜあなたは初心者、自分自身すら慣れていないのにゲストさんにお願いするなんて無謀です。最悪の場合、ゲストさんに多大な迷惑を掛けてしまうかもしれません。最初は個人誌が無難です。
 他にも色々決めなければいけないことがありますが、順を追って次の手順以降で。





 っと、やっぱり予想通りまったく終わりませんな。
 手順4以降は次の機会にまわしましょう。もう少しお付き合いいただければ幸いです。

20060719 同人の話 第六夜




 こんばんは、かーずSPさんにまで「雑記帳さん」と紹介されて泣きそうな「くじういんぐ・ドットコム」の久慈光樹です。これというのもすべてSu-37さんのせいなので、罰として夏は新刊贈呈します、G−35aまで出頭するように。


 同人の話に入る前に例によって雑談ですが、実は例のミサイル問題を雑記でまとめようといろいろ資料を集めたり、国連での採決までの経緯をまとめたりしてたんですよ。

 しかし、これを見てすべてが無駄になりました。

 うわははははっ! すげぇ、国連での経緯がすべてまとまっている!
 基本ラインまったく事実どおりというあたりが逆にいたたまれません。違う点といえば、実際にはもっと韓国は国際社会で相手にされてなかったという点くらいです。本当に笑えるくらいスルーだったからな。
 わたしは積極的な嫌韓というわけではないのですが、最近ののむひょんくんの迷走っぷりは意味不明です。あの国際的な空気の読めなさっぷりはほんとすげぇ。

 おまけ。





 さて今回は印刷会社さんとショップさんの話題です。

 とはいえ、うちは印刷会社さんはポプルスさんしか利用したこと無いんでまったく参考になりません。ダメじゃん。
 わたしは地方在住者なので、直接持ち込みはできません。ですから必然的に印刷会社さん選定の基準は、インフラが整備されたところに限られてきます。メールの窓口を持っていること、FTP入稿に対応していること、そのあたりが該当するでしょうか。
 更に欲を言えば、Wordでの入稿に対応していることも望ましいですね。いちいちPFDに落とすのは面倒ですしね。
 そういう基準からわたしが最初に選んだのがポプルスさんで、今では他を使おうなんて気にならないほど満足しています。
 具体的なポプルスさんの長所を列挙してみます。


ポプルスさんの長所
1.スタッフさんの対応がとても丁寧で親切
2.価格設定的に他の印刷会社さんと大差ない(昔は高かった)
3.FTP入稿が可能
4.Wordでの入稿に対応
5.常連になると特急料金を免除してくれる(かも)
6.同人初心者でもセット内容がわかりやすい
7.うちの担当のEお姉さまがカワイイ



 とはいえやはり短所はあるわけで、以下に列挙すると。


ポプルスさんの短所
1.締め切りが異様に早い。他の印刷会社さんよりヘタすると半月は早い
2.そのくせ早割は無く、割引といえばリンク会員値引(基本料の7%)のみ
3.オフセット印刷の品質は中の下
4.立川店の上の階が極真の道場であり、野太いヤロウどもの声が事務所にこだましている
5.締め切り破ると担当のEお姉さまが怒る
6.担当のEお姉さんが噛み噛みで、電話口で聞いていてハラハラする



 いや、最後のは長所じゃないのか?

 とりあえずもう何年かのお付き合いであり、担当さんに顔を覚えていただけるくらいには仲良しです。前に直接本を受け取りに行った際には引換券を持っていかなかったにも関わらずキャンペーンのトートバッグをいただいて、とても嬉しかったです。

 まぁいただいたトートバッグはこれなんですが。






 ……これは何かわたしに対して含むところがあるという解釈でよろしいのでしょうか?
 徹夜しても締め切り破るな、というメッセージでしょうか?



 ま、まぁ深く考えたら負けです。次の話題にいきましょう。



 お次は同人ショップさん。

 わたしはショップさんは、メロンブックスさんととらのあなさんしか利用したことがありません。一概に長所短所と言えない部分もあるので、特色という位置付けで比較してみると。



メロンブックスさんの特色
1.売れ行きで見ると、とらのあなさんには及ばない感じ。だが最近はとらよりも売れることも多い
2.小説系には比較的力を入れている、小説専用の棚を設けたりする店舗も多く、小説本の委託引取り数も多め
3.入金が比較的早い
4.基本は3ヶ月売れ残ると委託終了で返されるが、小部数だとそのまま延長して預かってくれる
5.全国展開している
6.事前委託申込だとWebに上げたサンプルを見本誌と扱ってくれ、見本誌提出は不要
7.販促用POPを店舗の判断でつけてくれることが多い
8.コミケ時等の忙しい時期には、販売指定日に店頭に並ばないことがある(人手不足?)
9.全国展開の弊害で、首都圏の店舗で速攻売り切れて店頭に並んでいないことが多い


とらのあなさんの特色
1.基本的にメロンより売れ行きがいい。ただし小説だとメロンよりも売れないことがある
2.小説系はあまり力を入れていない、そのせいか委託引き取り数は結構厳しい
3.入金がやや遅い
4.3ヶ月できっちりと返品される
5.東京中心の店舗展開
6.事前委託申込でも後日見本誌をきっちり1冊取られる
7.常に店頭には在庫が並ぶようにしてくれているっぽい感じ



 上記はあくまでわたしの主観であることをご了承ください。
 基本的にはメロンブックスさんよりとらのあなさんの方が売れますが、それを考えても一長一短という感じがしますね。これが漫画本の委託だったらまた状況は変わるんでしょうが、小説系だとメロンブックスさんは引き取ってくれる数が多いので大変ありがたいです。欲を言えばもうちょっと流通周りをきっちりして欲しいですけれどね。
 つか過去の雑記を見る限り、どう考えてもメロンブックス秋葉原支店の担当I氏はうちの閲覧者さんです、てめぇこのヤロウ!



 さて次回はまとめも兼ねて、同人初心者が同人誌を作る流れをまとめます。

20060718 同人の話 第五夜




 えー、うちのサイトのトップページはここじゃなくてこちらになりますので、一見さんもよろしければ拙作ですがSSなんぞ読んでくれると大変嬉しく思います。うちは常連さんから真顔で「雑記サイトですよね?」とさも不思議そうに聞かれようとなんだろうと、二次創作小説サイトなのです。帰れ!
 いやうちは直リン推奨サイトですのでここに直リン張っていただくのは大歓迎であるわけですが、リンク先で「雑記帳さん」とか紹介されてるとさすがに泣けてくるわけです。

 というわけで、なんか独り言以外の何かさんとかカトゆー家断絶さんとかにリンクしていただいてえらいことになっている「くじういんぐ・ドットコム」管理人の久慈光樹です。どうもこんばんは。アク解ぶっ壊れたかと思ったじゃねーか。
 とりあえず最初に拾ってくださったSu-37さんには感謝の気持ちを込めて今度会ったら飛び蹴り食らわしたいと思います。いや会ったことねーけど。


 閲覧者さんの多さに思わずうちの愛にゃんこ、円ちゃんのせくしーきゅーとな画像などを脈絡もなく貼り付けてしまったり。












 はぁはぁ、円ちゃんカワイイ、超カワイイ。







 さて。

 色々なところにリンクしていただいたおかげで、皆さんの同人に対する色んなご意見をいただきました。
 いやー、参考になるわ。

 特にこちらとか。

 言い訳させていただけるなら、わたしとしてはUSA3さんの仰ることは、フレデリカ・グリーンヒル嬢風に言うなら「ハードルの存在自体に気付かずに飛び越してしまっていた」状態であるわけです。
 同人屋にとって、「作りたいから作る」は大前提であるわけで、その上で売上にも拘らないと次続かないよ、てなことを書こうと思ったわけですが、見事に前提条件をすっ飛ばしておりましたね、失礼しました。
 いや実際問題、「作りたいから作る」的なスタンスでなければ今時Kanonの同人誌なんて作れませんよ(笑
 ただやっぱり作りたいから、好きだから、というだけではなかなか続かないというのも事実であるわけで、小説系同人誌は原価の高さ故に漫画系のそれよりも難易度が高いと思うのですよ。



 というわけで間が開いてしまいましたが、今回はジャンルと発行部数の話。
 まとめ? は? ナニ言ってんのキミ?(ひどく不思議そうに)





 わたしゃKanonという7年前のえろげから同人に入ったわけでして、やっぱり最初の子というのは格別の思い入れがあるわけです。
 ですが同人という括りで見た場合、Kanonなんてもう衰退しきって塵芥のような扱いであるわけで、メロンブックスさんやとらのあなさんの売場なんて一時期の隆盛を知る者にとっては思わず哀愁すら感じてしまうほど惨憺たる有様です。
 ショップさんも商売ですから、当然のように衰退ジャンルの同人誌には厳しいわけで。うちは部数的にまぁ小手と中手の間くらいだと思いますが、それでもKanonではエロなしだと委託を断られたりします。そうするとムリヤリでもエロにしないといけないわけですが、それの是非はさて置いてそれでも預かり数はかなり厳しい。なにより売れないわけですよ、イベントとかでも。
 割り切るのなら、そこで他ジャンルへ移行すればいいわけなんですが、そこはそれ、やっぱり初めての子というのは捨てられないものなのですよ。
 幸いか否かは解りませんが、前回Kanonで本を出したということもあり、夏コミはKanonよりもまだしも売上が望めるであろうFateで本を出す予定であり、なーんかまた調子こいてお父さん1000部刷っちゃうぞー、という勢いであるわけですが、誰がお父さんだ帰れ。

 あ、知らない方には説明が必要ですね。
 Fateというのは、えろげーむです。簡単に説明するなら、遠坂凛というヒロインが金属バット片手に並み居る敵をばったばったとフルスイングでなぎ倒しつつも士郎だめぇそこは違う穴…ひゃぁ! という伝奇バトル風ビジュアルノベルです。例えて言うならスプラッターハウス?
 Kanonというのもえろげーむであり、水瀬名雪というヒロインが狂ったように哄笑しながら果物ナイフで主人公の羽毛枕を滅多刺しにしつつ祐一やめてぇそっちは汚いよ指入れちゃらめぇふあっ! という感じの青春学園ビジュアルノベルです。例えて言うならサイレントヒルあたり?

 まぁそんな感じにボケっぱなしで話を進めると、Kanonのような衰退ジャンルでも自分にとって愛すべき原作であれば厳しかろうとなんだろうと本を出すわけです。それが同人魂。
 ですがやはりそこはそれ、出すからには原価回収とリスク回避は避けては通れないわけです。
 衰退ジャンルですからあまり数を刷れません。いや刷ってもいいですが確実に余るわけですし。そうなると次の本を出す資金を確保できなくなる。ですから一年で売り切ることができる数というのをシビアに読まなければならなくなります。ここでヘタ打つと部屋に不良在庫が溢れかえるハメになり、原価数万円もする高価なベッドとして円ちゃんの寝床になってしまうのがオチです。そこで爪をといじゃダメだああぁーーっ!(実話

 そういうわけでやっぱり売り切れるか売れ残るかのギリギリのラインを狙うわけですが、こればっかりは一般論はあてになりません、そこのサークルさんが経験則から最適な部数を模索していく以外に道は無いんですよね。
 当然ながら、うちも初期はかなり大失敗かました経験があります。
 具体的には、100部刷ったらまったく足りず、もう100部増刷してみたり、500いけるだろうと思っていたら結果として200部がやっとだったり。そのたびに数万単位で赤を出し、ひぃひぃ言いながら次こそはと涙を飲んだりしました。
 増刷って高いんですよね。印刷会社さんによりますが、数パーセントか十数パーセントくらいしか値引きしてもらえないので、結局は増刷すればするほど赤字が膨らんでいくということになる。嬉しい反面、財政的にかなりキツイものがあります。
 ただ言えることは、たとえ初オフセット本であったとしても、コミケであればきちんとした装丁の小説本であれば100部〜200部は刷っても大丈夫ですよ、ということ。コミケは売り手市場ですから、100部くらいは売れると思いますよ。
 もう一つ言えるのは、初心者さんはショップに頼ろうと思うな、ということ。ショップさんも商売ですからね、一見さんにはかなり厳しいですよ。特に最近はとらのあなさんが小説に対してかなりシビアなスタンスですから、委託依頼をを出しても10部とか20部とかいう単位で預かり可能数を提示されることがあり、お断りされることも多いです。
 反対にメロンブックスさんは小説には優しくて、初回でもまとまった数を預かってくださる傾向にあるようです。ただメロンさんでも余ったら容赦なく返されますけどね、最初のうちは。
 まぁショップ委託に関してはまた次の機会に回すとして、発行部数には気を遣って使いすぎることは無いです。頑張って自分のところの最適部数を把握するようにしましょう。

 うちはまだまったく把握できてないけどねっ(←オチ)





 さて次回は今回ちらりと話が出た、印刷会社さんとショップさんについて書こうと思います。
 駄文ではありますが、もうしばらくお付き合いくださいませ。


20060711 同人の話 第四夜




 今回もまた同人の話です。
 一番現実的な案であるところの前回紹介した案3を元にして、以下ステップごとにお願いする流れを。


ステップ1 好みの絵描きさんを探す

 まずはお願いする絵描きさんを物色です。基準は自分、この人にぜひ表紙を描いていただきたい! と思える方を探しましょう。
 絵のリンクサイトはたくさんありますから、探すのだけはそんな苦ではないはずです。よくわからんという人は、とりあえず「CG定点観測」でググれー。
 好みの絵描きさんが見つかったら、その方のサイトをよく見ましょう。商業の仕事をボチボチとでもされている方だったら、お願いするのは避けた方が無難です。商業をやられてるということはプロ(セミプロ含)であるわけで、ご好意(ノーギャラ)でお願いするのは逆に失礼と取られる可能性もありますから。
 まぁそれ以前に商用のお仕事は忙しいでしょうから、単純に時間が取れまい。
 あと現実問題として、自分が作りたい本の原作をその絵描きさんがプレイされているということも前提になります。その原作の絵をメインで描かれている方であれば更によいわけですが、そうなるとその原作コミュンの界隈で既に声をかけられている可能性が高いので、痛し痒しです。
 理想としては、自分好みの絵で、原作プレイ済で、商用やってなくて、できれば同人もやっていない方が望ましいです。いるのかよそんな完璧超人。
 この条件を全て満たした絵描きさんが見つかったら、次のステップに進みましょう。
 まぁ全ての条件を満たす人が見つかったとして、実際に表紙を描いていただける確率はまだ5%にも満たないわけですが。


ステップ2 絵描きさんと面識を得る

 いよいよ絵描きさんとお知り合いになりましょう。
 とはいえ、いきなり住所を調べて押しかけるとかしちゃダメです。つかそれストーカーじゃねーか。捕まるぞ。
 あと、いきなり「ファンです! 同人誌の表紙描いてください!」とかメールするのもやめておいた方がよろしい。久慈は某女史某氏にそれやって奇跡的にOKしてもらったわけですが、それは彼女と彼がいい人だっただけであり、普通はそんな失礼なメールは即ゴミ箱行きです。自分もやったのでヤメロとはいえませんが、ただでさえ低い確率を更に低くするのはあまり賢い選択ではありませんな。よほど切羽詰っているのでない限り、避ける方が無難です。
 まずは絵の感想メールを送るのが一番いいと思います。動機が不純と思われるかもしれませんが、結果的に感想メールをお送りするのは悪いことではありませんし、そもその作者さんの絵が好きじゃないとメール送る気にならないですから。
 そういうわけで感想メールを書くわけですが、絵の感想って難しいんですよね…… 特にわたしのように高校時代美術でダブりかけた人間には技術的なことなんて一切分かりませんし。
 でもそんなことを気にしていてはダメです。自分がその方の絵のどこを好きなのか、なぜ知ったのか、そのあたりを思ったままに書けばいいのです。カッコよく書こうとするから迷うのです。考えるんじゃない! 感じるんだ!
 そんな感じで感想メールを書くわけですが、相手からの返答を当然だと思ってはいけません。メールに返答がないのは悲しいことですが、だからといって相手を礼儀知らずだと怒るのは筋違い。返信が来たらラッキーくらいの気持ちでいきましょう。しつこくメールなんてしたら間違いなくスルーされます。
 そうして何度かメールのやりとりをしたら、次のステップです。3、4回のメール交換くらいが目処です。


ステップ3 いよいよお願いをする

 いよいよ、表紙絵をお願いするわけです。ここが正念場だ!
 文面には気を遣いましょう、こちらはお願いする立場なわけですから、いくら丁寧な言葉を使っても足りないくらいです。慇懃無礼にならないように注意しながら、心を込めてお願いしましょう。
 ここで一番に伝えなければならないのはあなたの熱意であるわけですが、現実的な問題として、作りたい本の種類(Fateの凛本等)、だいたいの締め切りくらいはお伝えしておきましょう。詳しいことはOKしていただいてからで十分ですからあまり先走らないように。早い男は嫌われます。とりあえず「ぱんつは必須」であるとか「縞々しか認められん」であるとかいう指定は、相手が女性であった場合には間違いなくセクハラですので自重しましょう。そういうのはもうちょっと親しくなってから! 「あの構図だとパンツ見えなかったから、ムリヤリスカートとっちまったぜ!」と返してくれるくらいに親しくなってからやりましょう。大丈夫かあのねーちゃん。
 お願いする時期としては、早ければ早いほどいいです。向こうも予定があるわけですから、なるべく早くにお願いしましょう。
 そうそう、忘れちゃいけないのが、何もお礼ができませんが、の一文。こちらが原稿料を払えない旨をきちんとこの段階で伝えておかないと、後でトラブルになってしまうかもしれません。お願いするに際しては、絵描きさんが判断材料とする情報はすべて提供するようにしましょう。



 さぁ、あとは結果を待つだけです。
 OKしていただけるように祈りましょう。
 もし断られたなら、すっぱりと諦めましょう。相手の絵描きさんもしっかり考えて可否を決めてくださったはずですので、その上で断られたなら何度お願いしてもダメです。逆に悪印象ですよ、しつこいのは。
 たとえ断られたとしても、あなたがその絵描きさんと知り合いになったことは無駄にはなりません。もっと親しくなれるように感想メールは送りつづけましょう。


 絵描きさんをゲットするのに必要なのは、積極性と社交性。ただこれだけです。
 人脈も、知名度も、資金も、あればそれに越したことはありませんが、必須ではありません。
 積極性と社交性の方がよっぽど重要なのです。
 同人で本を出したいと思っているSS書きさんは、積極的に絵描きさんに感想を書くところから始めましょうよ。そうすれば自然と人脈もできます。
 まずは自分から動くこと、座していても物事はなにも進展しません。


 結局は何が言いたかったかといえば、わたしは現状確かに絵描きさんに恵まれていますけれど、それは自分から積極的に絵描きさんと知り合いになろうと頑張った結果ですよ、ということ。
 OKしていただいた数よりも、断られた数の方がよほど多いっつーの!
 以後「久慈さんは絵描きに恵まれていていいなあ」とかは一切禁止でお願いします。正直ムカツクので。(←今回の一番言いたかったこと)


 さて、もう1回だけお付き合いいただき、次回はまとめということで。

 あととりあえず夏はKanon本落ちたよ! ひゃっほぅ!


20060710 同人の話 第三夜




 さて、今回は前回に引き続き同人の話題。
 今回は、いかに表紙を描いてくれる絵描きさんを確保するか、方針と対策。

 まず前提として、絵描きさんにとっては小説本の表紙絵を描いたとしてもろくにメリットなんて無いです。それどころか面倒ごとを抱え込むわけですから、デメリットしかないと言い切ってもいい。
 うちのサイトで言えば、表紙を描いてくださった絵描きさんに限らず、ゲスト参加してくださったSS書きさんにも絵描きさんにも、直接的な報酬は一切お渡ししていません。せいぜい刷り上がった本を進呈するくらい。あと表紙絵を描いてくださった方には飲みを1回奢って差し上げるくらいですか。
 じゃあ単純に報酬をお渡しすればいいのかというと、それも色々難しいわけです。
 だいいち、金銭を渡すという行為は相手方に失礼だと、わたしはそう思っています。同人で一番重要なのは義理と人情ですよ。
 そしてもう一つのネックは台所事情。基本的に小説系同人サークルはよほどの大手にでもならない限り、自転車操業です。うちなんて自転車操業どころか一輪車操業だっつーの! 絵描きさんへの報酬の相場はわかりませんが、1000円2000円てことは無いでしょうから、そうなると情けない話ですが正直かなり厳しいです。
 そう考えると、絵描きさんにはメリットなんてろくに無いわけです。
 絵描きさんがSS本に表紙を描いてくださるのは、完全に好意だということ。これは絶対に忘れてはいけないことです。

 さて、そうなるとまずは絵描きさんと知り合わないことには話になりません。
 イモウトさんが絵描きさんだとか、カノジョさんが絵描きさんだとか、そんな状況があるわけねぇだろうがこのバカヤロウ! わたしの場合はそれ以前の問題だわ!!
 では見ず知らずの絵描きさんと知り合うためにはどうしたらいいでしょう?



案1 サイトで公募してみる

 最初にはっきり言っておきますが、この案は不可です。
 サイトで絵描きさんを公募したとして、名乗り出てくれる確立なんて1%切ってると思います。いいですか? 繰り返すようですが、SS本の表紙なんて描いても絵描きさんにはメリットなんて無いんです。世の中そんな物好きなんていねえっつーの!
 それに、もし万が一、絵描きさんが名乗り出てくれたとする。表紙絵描いてもいいですよ、とか言って。
 それでもし、その絵描きさんの絵があまり好きじゃなかったら、あなた断われますか? せっかく好意で申し出てくれた絵描きさんに対して、「あなたの絵、わたしの好みじゃないんですねー」とか言えますか? いや言えるならそれでも構わないんですが、とりあえずいずれ友達いなくなると思うよ、そんなことしてると。
 断れないならお願いするしかないわけですが、10万20万という金を出して自分の好みじゃない表紙絵をつけて本を刷れますか? という話。
 自分好みの絵描きさんが名乗り出てくれる確立なんて、それこそゼロに近いと思います。
 この案はやめておいた方が無難ですよ。



案2 他のサークルで表紙絵を描いている人に声をかける

 あー、これやっちゃうんだよねぇ…… わたしもやったしやられたし。
 恐らく成功率で言えば、これが一番高いと思います。他のSSサークルで表紙絵を描いているわけですし、その場合は「知り合いのSS書きのそのまた知り合いの絵描きさん」である以上、友達の友達感覚でOKしてもらえる確率は大きい。
 だけどこれ、気をつけないと友達無くしますよ?
 幹事が苦労して渡りをつけてなんとかまとめたコンパに、なんの苦労も無く参加させてもらった上に一番可愛い子をお持ち帰りしちゃうみたいなもんです。それで次回は幹事やってくれてナースとかとコンパを開いてくれりゃいいのに、コンパに参加だけはするくせに幹事として新規開拓とかはぜったいにやらない、いますよねそういうヤツ。キエーーーッ!
 とにかく、これやる場合には最低限、SS書きさんの方に一声あって然るべきです。つかわたしはそうしてます。たとえ絵描きさんがそのSSサークルに所属しているんじゃなくても、SSサークルを通じて知り合ったのなら絶対事前にSS書きさんに承諾を得てから、絵描きさんに声をかけてます。ゲスト絵の場合は事後になっちゃうこともありますが、一言は必ず伝えてます。
 そんなことするのかと思う方もいるでしょうが、こればっかりは一度逆の立場になってみないと解らないかもしれません。泣けますぜ?



案3 自分の好きな絵描きさんにメールでお願いする

 現実的には、この案しかないと思います。界隈のSS書き経由ではなく、まったく面識のない自分好みの絵描きさんにお願いするのです。
 ですが、普通に考えて確率はかなり低い。巧い絵いい絵というのは当然描いてらっしゃる方はある程度有名人であるわけで、簡単にSS本になんて表紙を描いてくれるわきゃーないのです。
 現実って厳しいですね。




 で終わりではあまりにもアレなので、またしても引っ張って、次回は更に具体的な話を。



20060707 同人の話 第二夜




 名古屋駅前の東横インからこんばんは、久慈光樹です。また出張です。2週に1回は名古屋に行っている印象。
 つか暑ぃんだよっ! ナメんなよ名古屋!
 この時期の名古屋とかマジ行きたくないんですガー。ジメジメキライ。


 さて本日も同人話題ということで、販売努力について。

 同人活動と言えど、やはり販売努力せねばならないことは多々あるわけです。
 以下に列挙してみます。


1.内容のクオリティを上げる
2.装丁のクオリティを上げる
3.充分な宣伝活動を行う
4.価格を低く抑える
5.イベント時に設営を考える


 ざっと思い浮かぶのはこのあたりでしょうか。


1.内容のクオリティを上げる
 まぁ一番重要なのはこれでしょうね。やはり一番大事なのは中身ですよ、地道ですが、やはりこれが一番確実な販売努力だと思います。1度買ってくださったお客さんがまた買ってくくださるような本を作ることこそが一番努力しなければいけないことですね。
 いや奇麗事じゃなく、本当にそうなんですよ。リピーターさんをつけるというのが、零細サークル脱出の避けては通れない条件だと思います。


2.装丁のクオリティを上げる
 これも非常に重要な要素です。小説本にとって一番大事なのは中身だと思いますが、だからといって装丁、つまり外観を無視していいかというと、決してそんなことはない。中身のクオリティはリピーターさん確保に必要不可欠ですが、では一見さんをして手に取らせるにはどうしたらいいかといったら装丁に凝るしかないのです。
 小説本、特に文庫本というのはどうしても市販のものと比べられてしまうわけです。市販の文庫本はさすがプロがデザインしているだけあって非常にクオリティが高い。それと比べられてしまうと、滅多なものではみずぼらしく見えてしまいます。
 そして特にSS本となると、比べられる対象はライトノベルであり、ライトノベルといえば美麗な表紙絵です。SS本には表紙絵は必須だと、わたしはそう思っています。
 ですが表紙絵に関しては執筆者の能力だけではどうしようもない部分です。SS書きでもあり絵描きでもある人なんてそんなにいませんしね。そうなると絵描きさんにお願いするしかないわけですが、このあたりは長くなりそうなのでまた次の機会に。


3.充分な宣伝活動を行う
 一般に営業活動といえばこれなんでしょうけれど…… 正直、わたしとしては宣伝活動というものの効果に関しては、やや懐疑的です。Webでこんなことを書くのもアレですけれど、特にWeb上での宣伝活動には期待するほどの効果は無いのではないかという気がしています。
 うーんでもそんなこともないのかなぁ、よくわからん。
 とりあえずこういうことを書くとまた怒られそうですけれど、少なくともこんぺ関連に関してはまったく宣伝効果ないと断言します。こんぺからSSに入ったような方はこんぺがすべてなんでしょうけれど……いやまぁあんま言うと多方面から怒られるんで割愛。久慈光樹は生まれ変わってイイ人になります。


4.価格を低く抑える
 これもあんま意味ねーなと思うんですけれどね。
 ここら辺までくると、もう売り手の自己満足の世界だと思うんですよ。なにせイベントはお祭りなんで、本が900円だろうと700円だろうと買われる方にとってはあんまかんけーねーよってな世界です。特にコミケなんてもう皆さん金銭感覚狂いまくってるとしか思えねぇ!
 でもまぁやはり、売り手としては拘りたい部分であるわけですよ。少しでも安く、買われる方に喜んでいただきたい。1000円だから高いとか、600円だから安いとか、買う側としては判断をしてしまいがちですが、1000円なら1000円なりにそのサークルさんは一生懸命頑張ってらっしゃるのです、どうかそのあたりを察してあげてください。
 SS本はここでも市販の文庫と比べられてしまうのが痛いところですね。同人誌では200ページ超で500円とか正直言ってムリなわけです。漫画同人誌とかだと同人誌独自の形式(A4サイズとか)なわけで、市販のものとは比べられないわけですが、文章系はそうではない。これはかなりキツイですね。


5.イベント時に設営を考える
 これは売上げに直接結びつく重要な部分だと思います。イベント時のブースの設営というのは、少しの工夫で驚くほど変わるものなんですよ。
 簡単な例でいえば、机の上に布を敷くだけで見栄えがぜんぜん違います。机に直で配布物だとなんか貧相に見えてしまうんですよね。「3冊……売れました…」という感じです。こみパネタなんていまどきの若い人にはわからんだろう。
 サークルくじういんぐは、設営としてはポスター攻勢です。常に前面に表紙絵のポスター張ってますし、たまに後ろ側にも張ってあるという徹底ぶり。効果の程はよくわかりませんが、こだわり持ってやってます。



 販売努力というのは確かに大事であるわけですが、やはり一番有効なのは、いい装丁でなによりいい内容の本を作ることが一番の販売努力なんだと思います。奇麗事と思われるかもしれませんが、きっとそれが一番確実ですよ。

 まぁとりあえず、57万の夏の印刷代を46万と勘違いしていたために資金繰りがエライことになっているわけですが、具体的にはまた親から借金するしか手がないわけです。前回借金した時には母上様に「お前ね、どうせ借金するなら結婚資金を貸してくれとか言えないの?」と説教され、カノジョと別れたことがバレた時などは「あんたあんないい子とどうして別れるの!」と小一時間説教されたわけですが、このままだと見合いとかマジ持ってこられそうで怖ぇ!!(←オチ)


 さて次回は今回ちらりと話した絵描きさんの見つけ方を。


20060706 同人の話




 7月に入り、そろそろ夏コミ原稿の締め切りも佳境となってきたわけですが、それでもいつも通り一文字も書いていない久慈光樹です。どうもおひさしぶり!
 とりあえず夏コミは当選しておりまして、Fateの凛本とKanonの名雪本の2冊を発行できたらいいなぁと、既にして予定ではなく願望になりつつあるあたりがくじういんぐクオリティ。


 さて、久しぶりの雑記ですが、今回は珍しく他者の日記に乗ってみようと思います。
 もりたとおるさんの7/3。

 うーん。
 もりたさんの仰りたいことも、解らなくはないのですけれども……

 中小規模のサークルが採算をある程度度外視しているというのは、完全に同意です。
 うちはまぁ赤はなんとか回避してますけれど、かといって儲けが出てウハウハかというとそのようなことは無く、いつだって自転車操業状態です。人件費入れたらまったくもって赤字であり、人件費度外視は農業と趣味の世界しか通用しません。

 小説系の同人誌の場合、原価が高いですからその分リスクも高いわけです。

 例えば、これを読んでいる閲覧者のあなたが新刊を800冊刷ったとしましょう。文庫、200ページ、カバーCTP印刷、送料その他込み、印刷会社はポプルスさん、で考えると原価は35万円くらいです。
 この場合、あなたとしては単価をいくらにすればいいかをまず考えなくてはなりません。
 単純に考えれば、原価35万で800冊ですから、計算すると350,000円÷800冊=437.5円となり、1冊あたりの原価は437.5円となります。
 じゃあ区切りのいいところで450円に設定します。
 1冊あたり12円くらい利益が出るから12円×800冊=9,600円の利益でひゃっほーっ!



 はい、あなたは次のコミケで本を出す資金を確保できません、お疲れ様でした。




 何がいけないのでしょうか。


1.イベントじゃ800冊も売れねーよ
 まず大きな間違いとして、800冊をイベントで完売しようというのが間違いです。1回のイベントで800冊完売できるのであれば、それは中小サークルではなく立派な大手です。とっとと壁にでも行きやがれっ!
 中小サークルであればコミケであっても1回のイベントで売れる数は多くても200冊程度でしょうか。後はどうするかというと、とらのあなさんやメロンブックスさんに委託することになります。
 委託した場合は、委託販売手数料として売値の3割をお支払いしなくてはなりませんので、450円で売った場合には残りの7割、315円しか手元には残りません。
 イベント売り分が200冊×450円=90,000円、ショップ委託分が600冊×315円=189,000円、総売上は279,000円となり、原価35万ですから71,000円の赤字になります。夏冬のコミケだけで考えても年142,000円の赤字を出してしまう計算になり、これではいくらなんでも続きゃしません。
 つまりショップ委託分はイベント売りより値上げしないとならないわけで、3割を上乗せしたらイベント450円売りだと585円になります。イベント分と合わせてこれでやっと9,600円の利益が出るわけです。


2.そもそんなに早く完売しねーし
 1の試算もまだ甘く、すべて完売することを前提に話をしている時点で間違いです。うちだったら800刷ったらだいたい半年から1年くらいかけて売り切るくらいで考えないといけません。
 当然、完売するまで本を出さないなんてわけにはいかないわけですから、原価回収する前に新たな本を刷る、という循環が続くことになり、そうなるともう自転車操業ですらありませんね。会社でいえば売上が上がる前に社員の給料を払わねばならない状況となり、資金繰りに行き詰まって即倒産です。これではやっぱり続きません。
 じゃあ1回のイベントで完売するくらいの数を刷ればイイジャンと思われるかもしれませんが、多く刷った方が1冊あたりの原価は抑えられるということを忘れてはなりません。
 例えばこれを800冊から200冊にしたとして、原価が4分の1になるかと言えばそんなことはないわけで。実際に同条件で200冊にすると、原価は16万円くらいです。刷った本の数は4分の1なのに、原価としては半分弱くらいにしかならないわけです。1冊あたりの原価800円ですよ。
 更に刷り数が50冊なんてことになったらえらいことですよ、50冊だと原価は約11万です。1冊あたりの原価2200円かよ! ありえねぇ…… まぁ50冊となるとカバーCTP印刷は普通しないでしょうからもうちょっと安くできるでしょうけどね。
 とにかく、「自分とこのサークルが1年くらいで売り切れる量を刷る」というのは、同人活動の大原則であるわけです。


3.今回の本が上手くいっても、次の本が上手くいくとは限らない
 ここがいちばん辛いところなんですよねぇ、事実わたしも500冊刷ってまだ200冊以上残ってて、売れる見込みも無い不良在庫を抱えてる本があります。こうなるともう事前の予測なんてすべて吹っ飛んでしまい、回収できない原価投資(負債)だけが残るという最悪のパターンです。
 そうなると、次回からはなんとかその分も補えるように、また次にそういう本を出しても耐えられるように価格設定を考えないといけません。はっきりいって原価ギリギリ(もしくは赤)なんてことをしていたら、1回コケたら取り返しがつかなくなるわけです。



 これらの要素を考えて、うちでは文庫の場合はイベント売り700円、ショップ委託では800円が基本ラインです。これだったらイベントだと原価的に250円強の利益が見込め、ショップ委託でも取り分560円ですから110円強の利益です。イベントで200冊売ったとするならショップで375冊売れば原価を回収でき、次の本を出すことができるわけです。
 また残りのショップ委託225冊分、126,000円をまるまる利益としてストックできますから、次回コケて刷り数の半分しか売れなかったとしてもなんとかまた次の本を出すことができます。その次もコケたらアウトですけどね。
 200冊とかのサークルさんは原価が800円ですから、1000円でもかなり厳しいでしょうね。ショップ委託分の売値を1200円にしたとして、えーと、170冊売れば元が取れる計算ですか。でも利益が25,800円ですから、3回に1回コケて半分しか売れなくてもなんとか回る計算ですね。



 昔と違い、今はショップ委託という道が確立されてだいぶ楽になりました。でも先ほど書いたとおり手数料の3割は中小サークルにとっては大変に厳しい。そう考えるとイベントでなるべく売れた方がいいわけで、出たイベントで売れないというのは、恐らくもりたさんが考えてらっしゃる以上に危機的状況であるわけです。
 ですから少しくらい商売っけを出したような発言をしたとしても、許して欲しいなー、と、今回のそれが主旨。

 はっきり言って赤になる金額が1万2万だったら別にどうってことないんですよ、一応社会人ですし。でも刷り数や売価設定を見誤ると、簡単に10万単位で赤字になってしまいます。1回だけならまだしも、それを2回3回と続けてしまうと損失がもう趣味の範疇ではなくなってきてしまうわけです。
 日本人的な発想ではあまり売上にガツガツ拘るのは非常に見た目よろしくないのは確かです。わたしだってあんまり露骨には売れて欲しい姿勢を見せないようにしていますしね。でも現状は、売れてくれないと本当に厳しいわけです。
 それで食っているわけではない以上、すべては趣味ということになるわけですが、1回に20万30万の投資というのもずいぶんとリッチな趣味だなぁと自嘲してしまう久慈光樹でした。

 とりあえず今回は2冊なので原価は46万くらいだけどねっ!(←オチ)

 どうもなんか勘違いしていたみたいで、改めてポプルスさんからのお見積もりメールを確認してみたら、2冊合わせたら57万越えてましたよ、あははははははっ!


 中古車でも買うつもりなのかっ!


 同人の話、もうちょっと引っ張ります。
 次回は販売努力の話。


 


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