朋也くんより開かれました!
「暑いな……」
アパートの狭い部屋にカジキマグロのように横たわりながら、呟く。
暑い。とにかく暑いのである。
少しでも動くと関節の摩擦熱で更に暑くなるような気さえする。いくら夏のさなかとはいえ、限度ってものがあるだろう。
「渚はバイトから帰ってこねーし」
暑い。
「かといってバイト先に涼みに行く金はねーし」
暑い。
「部屋の気温、三十度余裕で突破してるし」
暑い。
…………
……………………
「ぬがーーっ! 暑いんじゃあああああああぁーーーっ!」
俺、爆発。
「ナメてんのかコラァ! ここはチュニジアか! パプアニューギニアかっ! なんだこの暑さは、いくらエアコンすらない六畳間でありなおかつ連日連夜の超晴天とはいえ、この限りなく強まった暑い暑い具合をどう処理したらいいんじゃああああああぁぁーーーーっ! てめぇか! てめぇのせいで暑いのか! なめんなコラァ! こちとら肉体労働者だ! ブルーカラーだ! スパナを喰らえっ!」
がっつんがっつんとタンスに向かってスパナを打ち付ける俺。
無論ツッコミを入れる者は皆無。そんな夏の休日。
ぴんぽーん。
「ぬぅっ!」
渚のぱんつが入った引き出しをあらかた破壊し終え、散乱した縞やら縞やら縞やらのぱんつを頭に被り始めた塩梅で、そのチャイムは鳴り響いた。
「クロスアウッ! フオオオーーーッ!」
当然ながらいまどきあんど慶周なんて誰が知っているんだというツッコミを入れる者もなく、渚お気に入りであるところの「朋也くん、ちょっと私も勝負しちゃいました」ぱんつを被って玄関に突進する俺。
がちゃり。
「はい、どちらさまでしょうか」
「宅急便でーす、岡崎朋也さんですか?」
「はい」
「こちらにハンコかサインお願いしまーす」
「おかざきともや、と、はい、ご苦労さま」
「ありがとうございましたーーっ!」
いまどき珍しい好青年と思わしき宅急便屋の兄ちゃんを笑顔で見送る俺。無論ぱんつなど被っていはいない。
社会に出るということは表と裏を使い分ける分別を持つということであるわけだが、まぁこれだけ暑ければ多少の奇行は感受されて然るべきであろう。とりあえず前回オオアバレした際には渚にしばらく実家に帰られたので、今後は一人の時のみにしようと固く心に誓った次第であるが、ドアを開ける直前にポケットに忍ばせた渚の勝負ぱんつを返すつもりは毛頭ない。
「とりあえず、荷物誰からだ?」
受け取った荷物を確認する。
さして大きくもないダンボールの箱。差出人は『ぱんつでるみえーる』
すぐにぴんときた。
「遂に届いたかああああぁっ!」
俺、絶叫。
約三年に渡りWizをプレイした挙句に地下十階で宝箱を開けたら初めて未識別名「Wepon?」を発見したSE(今年三十)も真っ青な勢いでその小さなダンボールを引きちぎる俺。
そうして中から出てきたのは、まばゆいばかりのピンク色に輝くレッグハンガーと専用ストッキング、そうしてこれまたまばゆいばかりのピンクと白のストライプに彩られたぱんつ。
「これぞ男の夢! 英語で言うとドリーム! あのどちらかというと清楚可憐風味の渚に、この淫らでありながらも淫らゆえの気品をほのかに香らせるところのステキアイテムを装備させるところを想像しただけで俺は、俺は――っ!」
「どうなるんですか?」
「うおあっ!」
俺、垂直四十センチジャンプ。吉本も真っ青。
「な、渚、いつからそこに?」
「『どちらかというと清楚可憐風味の』くらいからです」
恋人、兼、将来を誓い合った中、兼、目下絶賛同棲中、の我らが古河渚さんは今日も輝くような笑顔であるが目はまったく笑っていない。
「ち、違うんだ渚! 確かに渚はどこからどうみても清楚可憐ではあるが、その実、夜は割合に淫らで――ぬがっ!」
頭部に衝撃、暗転、転倒。
「朋也くんはえっちですっ!」
流血大惨事で倒れ付す俺。
渚さん、スパナは人を殴り倒すものじゃありません……
数時間後。
「だいたい、朋也くんはえっちです! えっちすぎますっ!」
俺、超正座。
「昨日の晩だって、わたしは嫌だって言ったのにムリヤリ……」
「いや、でも最後はあんなに乱れて……」
「しゃらっぷ!」
ゴス。
渚さんお願いですからスパナを床に叩きつけるのは勘弁してくださいもう敷金絶望的です。
「だいたいなんですか! このタンスの惨状は!」
半壊したタンスをビシィと指差し、正座する俺を可愛く睨む渚。
ああ、渚かわいいなぁ……
「不埒なことを考えない!」
ゴス。
ああ、グッドバイ敷金。
「あ、いや、別に不埒なこと考えてたわけじゃ……」
「朋也くんのことです、どうせエッチなことでも考えていたんでしょう!」
「たとえば?」
「そう、たとえば一昨日の晩は犬さんみたいな格好をわたしにさせたあげくに違う方の穴を弄ろうとしたらわたしが抵抗したから残念だったとか――って何を言わせるんですかっ!」
渚さんお願いですからこれ以上床をスパナで強打するのはやめてくださいやめてくださいそのうち床が抜けるんじゃあるまいか?
「確かにあれは残念だった……」
「え、えと、朋也くんがどうしてもって言うならわたしは……って違います! そういう話じゃありません! というかメモをとらないでください!」
「え? 証拠として?」
「証拠になんてしないでください! というかなぜ疑問形なんですか!」
「まぁとりあえずは、だ、渚」
「なんですか?」
「とりあえず、服を脱げよ」
「……」
沈黙。
「……すみません朋也くん、よく聞こえませんでした」
「服を脱ぐんだ渚、ぱんつもな――とりあえず渚さん、その振りかぶったスパナを下ろしてくれないか、いや振り下ろせと言っているわけじゃないぞー、ふふふかわいいやつめ、あ、ばあさん久しぶり、え? こっち来ちゃダメ? なんだよ冷たいな、あははは渚ー、部屋が真っ赤だぞー」
教訓 スパナは頭よりも硬い。
「もう、朋也くんはえっちです」
数十分後、何とか復活した俺だったが渚は未だご立腹だ。
「すまん、反省してます」
もうっ、と頬を膨らます渚が可愛くて、くすりと笑ってしまう。
「あ、朋也くんいま笑いました、ぜんぜん反省してないです」
「そんなことはない」
神妙な表情を作ったつもりだが、くすりと渚も微笑んだところを見ると、どうやらまったく成功していないようだ。
しかし――
こうやって優しく微笑んでいると、本当に早苗さんそっくりだ。
普段はまったくと言っていいほど意識していないが、渚はこう見えて、俺よりひとつ年上だ。こうして微笑んでいると、嫌でもそれを意識してしまう。
なんだか渚が急に遠い存在に感じられて、気付けばその頬に右手を添えていた。
「朋也くん?」
少し戸惑ったような声をあげて、それでもすぐに微笑んで、俺の右手に自分の手を重ねる渚。ただそれだけで、漠然と感じていた不安のようなものが霧散するのがわかる。
ああ、そうなのか。
俺が早苗さんに感じている感覚。そしていま渚から感じているもの。
俺は、どこかで求めていたのかもしれない――
母の温もりというものを。
俺って意外とマザコンなのかもしれないな、とそんなことを考えて内心で苦笑する。
「朋也くんは、意外と甘えん坊さんです」
「そうか?」
「そうです」
引き寄せ、胸に抱きしめられる。まるで小さな子にするように。
「渚は、いいお母さんになるな」
「そうですか?」
「ああ、そうだ」
それからしばらくは二人とも無言で、ただじっとお互いの温もりだけを感じていた。
「ときに、渚」
「はい、なんですか朋也くん」
「渚に、プレゼントがあるんだ」
「え? プ、プレゼントですか?」
心底びっくりしたというように、目を丸くする。それはそうだろう、クリスマスや誕生日はまだ先だ(というか渚の場合、その二つは同日なのだが)、プレゼントを用意する理由がない。それに加えて、うちの家計はかなり厳しい、はっきりいって無駄な出費などをする余裕はないのだ。
「ああ、渚にはいつも世話になっているからな」
「そんな、わたしなんて……」
「まぁ、俺の気持ちだと思って受け取ってくれ」
少し小さなサイズのダンボール箱をそのまま渡す。
戸惑いながらも、嬉しさを隠し切れない表情でダンボールを開ける渚。
その時の渚の表情遷移をチャートにするとこんな感じだ。
何でしょう何でしょう、楽しみです楽しみです
↓
えっと、なんか布製品でしょうか、服かな?
↓
ぎょっ!
という感じだ。
すごいぜ渚、表情だけで「ぎょっ!」と語るひと初めて見た。
というかシリアス的な展開は早々に終了したということを悟れ。
「これは、なんでしょうか?」
「見ればわかるだろう」
「えっと、ストッキングと、ショーツと、それから……ガーターベルト?」
「否あぁぁーーーっ!」
「ひぃ!」
「違う、違うぞ渚! それはガーターベルトではない! レッグハンガーだ!」
「何の違いが……?」
「違う! 激しく違う! ガーターベルトなどは卑属の装着物! レッグハンガーこそ、清楚かつ奥手な渚に相応しい!」
「え、えと、そうでしょうか」
「なおかつ色はピンク! ここがミソ!」
「へ、へー……」
「黒は露骨すぎ、白では物足りない、赤は下品だし、青は作りすぎ。その点ピンクは完璧! 初々しいその恥じらい! 『朋也くん、わたしちょっと冒険しちゃいました…恥ずかしい……』的な風味でっ!」
「口真似が微妙に似てて気持ち悪いです」
「そしてパンツはそのピンクと、純白のストライプ! 正に完璧!」
「えっと、ピンクじゃなくても、その、紺とか……」
「しぎゃーーっ!」
「ひぃ!」
「紺? 紺だと? いま紺って言ったかコラァ!」
「い、言ってないです、わたし何も言ってません!」
「まぁ紺もいいな」
「えっ、いいの!」
「だがピンクには及ばない。例えるなら紺はヒシアマゾンだが、ピンクはトウカイテーオー」
「解りません!」
「じゃあそういうわけで、さっそく脱ぐんだ渚」
「い、いまここで、ですか?」
「無論だコラァ!」
「ひぃぃ!」
「脱がないというなら俺が脱がす! いやむしろ脱がせろ!」
「ひゃぁ! い、いきなりそんなぁっ!」
問答無用。こんなこともあろうかと、敷いておいた布団に渚を押し倒す。
「な、なぜ布団がっ!」
「ええい! じたばたするなぁ!」
「悪役です! 朋也くんメチャメチャ悪役っぽいですっ!」
最近ウェイトレスのバイトを始めたとはいえ、肉体労働歴約二年の俺に敵うはずもなくベッドに組み伏せられる渚。
な、なんかこういうのもいいな……
「ひゃっ! す、スカートをめくり上げないで下さい!」
この期に及んで這って逃げようとする渚の、割合に大き目のお尻を掴み、スカートをめくる。
渚らしい、白色のぱんつが眩しい、激しく抵抗するため、左側が少しお尻に食い込んでいる。思わずむしゃぶりついてしまった。
「あっ、んっ!」
純白のぱんつ越しに左右のお尻の肉を掴み、左右に押し広げる。
「あっ、ひ、広げないで……」
痛くならないように適度な強さで掴み上げた左右の肉に、舌を這わす。渚はお尻が性感帯なので、すぐにびくんと跳ねるように反応した。
「ふ、服を脱がすだけだって言ったのにぃっ!」
「まぁそういうこともある」
「ああんっ!」
うつ伏せ状態のお尻を少し上げさせ、その下に素早く枕を差し入れる。結果として渚はスカートを捲り上げられた状態で、枕の分だけ少しお尻を突き出したような格好になった。
「こ、こんなの恥ずかしいです……!」
俺はその上げられたお尻にむしゃぶりついているので、答えられません。
「はっ、ん……!」
やがて、お尻を左右に広げると、くちゅりと水音がするようになった。お尻に埋めた鼻先に、あの女性独特のむせかえるような匂いが少しずつするようになる。
「あっ、お、音を立てないでください……! というか匂いを嗅いじゃいやぁ……」
脚を広げさせ、股間部分を押し開く。先ほどよりも更に水音は増した。
「んっ、はぁ……」
太ももの後ろから秘部にかけて、丹念に舌で舐める。ぶるぶると震え、抵抗らしい抵抗もなくなって、渚は必死に刺激に耐えているようだ。
太ももに這わせた舌を、徐々に内側に寄せていく。
「うあぁ……」
太ももとお尻の境目部分を少し押し開き、鼻先でぱんつを少しずらす。少し色のくすんだ、産毛の生えたぎりぎりの部分にまで舌を這わせる。
だが決して秘所には触れないようにして、左右とも同じように丹念に舌でなぞっていく。
やがてぱんつの中に差し込んでお尻を広げていた両の親指に、溢れ出した液体の感触。
俺はそこで、顔と両手を渚から離した。
「あっ……」
潤んだ瞳でこちらを振り返り、恥ずかしそうに顔を伏せる。
どうして止めちゃうの? という無意識の問いかけと、それを意識して恥ずかしがる仕草だった。
「渚……」
「あ、んっ、朋也くん」
枕を取り除き、うつ伏せになっていた渚を仰向けにして、抱きつく。
服の裾を捲り上げると、これまた白いブラ。渚は白が好きだ。
「ん……」
フロントホックのブラを外すと、やや小ぶりな、だが形の良い乳房が覗く。その先端は少しだけ勃起しているようだった。
「乳首が立ってるな」
「は、恥ずかしいから口に出さないでください!」
「いやだって、ほら」
「ひゃうんっ!」
両手で、左右の乳首を摘む。徐々に硬くなっていくそのポッチを、人差し指と親指の腹でくりくりと転がした。
「ひゃぁ、つ、つまんじゃ、だ、だめです! って、ひっぱるのもダメです!」
禁止されましたよ?
「ふぁっ! く、口で咥えるのも禁止ですっ!」
再びアバレ始めた渚を押さえつけ、思う存分に乳房と乳首を弄った。
「よっ、と」
「ふわっ!」
仰向けになった渚の、抵抗する太ももを肩に担ぐような格好で抱えて起こす。専門用語で言うところの、「まんぐりがえし」というやつだ。もっとも渚はまだぱんつを穿いているのだが、あふれ出す液体で股間部分が船の形に濡れていた。
「こここここんな格好、恥ずかしいです!」
「うっわ、すげーいやらしい……」
「だ、だからそういうことを言わないでくだ……ふあっ!」
目の前に広がる濡れたぱんつの部分に、鼻先を埋めてみる。
「あっ、だ、だめです!」
鼻腔いっぱいにあの濃厚な渚の女の香りが広がり、抱え込んだお尻がびくんと跳ねた。
同時に両手でお尻を掴み、左右に広げる。
「あっ、ああ、ま、また開く……!」
ちょうど顎の部分に、ひくひくと震える窄まりの感触。少し顎を突き出すようにしてそこを更に強く押し込んでみた。
「あああっ! そ、そこは違います! ああんっ!」
「……なんか心なし、反応が激しくなったように感じるんだが」
「そそ、そんなことありません!」
既にべたべたになってしまった鼻の頭を拭い、左手の人差し指でぱんつの股部分をずらすと、薄い陰毛とその下でぱっくりと口を開ける水気を大量に含んだ割れ目。鮮やかなピンク色をしたそこに、右手の人差し指と中指を差し込んだ。
「あっ! ふあああっ!」
垂直に指を前後させて出し入れを繰り返すと、ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が響いた。
「そ、そんな、そんな激しくされたら、わたし……!」
更に激しく、指を上下に運動させる。溢れ出した液体で、もともと濡れていたぱんつが更に濡れていく。渚はぎゅっと目を閉じて、口から発せられる嬌声が徐々に切羽詰ったものになっていく。
「うあっ! わ、わたし、わたし!」
そして左手の指でクリトリスを擦り上げた瞬間。
「あっ! あっ! あっ! あああああああんっ!」
絞り上げるような声を上げて、渚は達した。
「しくしく、服を脱がせるだけだって言ったのに……」
部屋の隅にうずくまって膝を抱える渚。背中にどんよりと雲がかかっている。
「えーっと……」
しまった、今日は渚にレッグガーターを穿かせてウハウハの予定が、ついつい……
「とりあえず渚、今から着替えるという案はどうだろう?」
「却下です!」
くわっ! と振り返り拒絶する渚。そんなに嫌なのか。
「いいから着ろコラァ!」
「キレるの早っ!」
そして数分後。
「入るぞ渚ー」
着替えるので外に出ていてください! と部屋から追い出されていた俺は、そう声をかけて部屋に入った。六畳一間であるので、外でニヤニヤしながら待っていたのだ、危うく近所の人に通報されるところだった。
「あっ、ま、まだダメです朋也くん……!」
装着方法は教えたが、慣れぬため戸惑ったのだろう、渚はちょうどレッグハンガーの上からぱんつを穿いたところだった。ブラすらしていない。
露な胸を隠すべきか、それともシマシマのぱんつを隠すべきか、突然のことに混乱して結局どちらも隠すことのできない渚。相変わらずとろい子だった。
これ以上ないくらいに赤くなった顔、ブラに隠されることなく露のままの胸、ピンクのレッグハンガーで吊るされたストッキング、そしてその上から穿かれた鮮やかなストライプのぱんつ。そしてなにより、その恥じらいの表情。
俺は――
「渚、愛してるーーーっ!」
「ひぃっ!」
超、襲いかかりまくり。
「あっ、だ、だめです、ふぁっ」
逃げようとする渚を後ろから抱きとめ、脇から手を回して露な胸を揉みしだく。
下から掌全体で持ち上げるようにして揉み、先端の突起を指に挟んでこりこりとしごく。敏感な渚はすぐに乳首が勃起し始めた。
「ふぁん、だ、ダメだって言ってるのにぃーー」
首筋に舌を這わせ、しばらく胸を弄ると、渚はとろんとした目になって抵抗をしなくなった。
「ん、ふっ……」
そこでいったん渚を開放すると膝まづき、後ろから観察する。
薄いピンク色のストッキング。少し厚手のそれはストッキングというより太ももまでのオーバーニーソックスと言った方がいいかもしれない。
張りのあるお尻を覆っている白とピンクのストライプ鮮やかなぱんつ。お尻の谷間に沿って横縞がカーブを描いているのがいやらしかった。
そして腰の部分に回されたレッグハンガーが、ぱんつの下を通ってストッキングを吊り下げている。ぱんつの下を通しているため、その部分だけがくっきりと線になっている。ぱんつとストッキングの間の部分が少しだけ素肌を露出させているところが、妙に艶かしい雰囲気だ。
「あ、あんまり見ないでください、恥ずかしいから……」
「渚、立ったまま、そこのちゃぶ台に両手をついてくれ」
「えっ、は、はい……」
観念したのか、素直に従う渚。
膝上くらいの高さにあるちゃぶ台に両手をつくと、お尻を突き出すような格好になる。
ぱんつはぴっちりとお尻にフィットし、レッグハンガーの紐部分が少しお尻に食い込む様はもうなんというか、生きていてよかった、という感じである。速攻でお尻に顔を埋める俺。
「あっ、んっ!」
存分にシマシマぱんつの感触を堪能したところで、ぱんつに手をかけ、少しずつ下ろしていく。
「は、恥ずかしいです……」
そろそろと必要以上にゆっくりとぱんつを下ろしていくと、やがて薄茶色の皺に覆われたお尻の穴が見え始める。そこでいったん止めて、ふうっとそこに息を吹きかけてみた。
「ひゃんっ!」
びくんと思い切りお尻を跳ねさせる渚。お尻の穴の窄まりがきゅっと締まるのがわかった。
「なななななにをするんですか!」
「出来心だ」
「自信満々に言わないでください!」
その抗議を受け流し、再びぱんつを下ろす作業を再開する。お尻の穴から蟻の門渡り、そして遂に少しびらびらのはみ出した秘所が姿を現す。
ぱんつは太ももで止めておき、少し足を開かせる。
「ううっ、朋也くんへんたいです……」
お尻部分が曲線になっているため、食い込んだレッグハンガーの紐が自然とお尻を割り開いている。そのため図らずもぱっくりと開かれた渚の恥ずかしい部分は、見てわかるほどに濡れていた。
すぐにでも突撃したい気持ちをぐっと抑え、お尻の上部に視線を移す。
そこには薄茶色をした皺だらけの窄まりが、渚の呼吸に合わせて僅かに震えている。
お尻を包み込むようにして手を沿え、両の親指でそのいやらしい穴をくいっと広げると、再び息を吹きかけてみた。
「ひゃぁ! そ、そこはやめてくださいっ!」
きゅっっとお尻を窄めて逃げようとする渚だが、お尻をしっかりと押さえられていて逃げられない。人差し指で、ほぐすようにお尻の穴を突っついてみる。
「あうっ! はっ、んっ!」
と、そこで突然ズボンのポケットがぶるぶると震えた。
何事かとポケットに手を入れると、会社から支給されている携帯電話に着信のようだ。
くっ、こんないいところで呼び出しかよ! と思って開くと、着信表示にて曰く。
『おっさん』
……シカトしよう。というか会社携帯をバリバリ私用に使ってます。すんません社長。
「朋也くん?」
「あ、いや、なんでもないよ」
数回コールして切れた携帯を再びポケットにしまおうとして、素晴らしいことを閃いた。
「渚、動いちゃダメな」
「は、はい」
右手の人差し指をぺろりと舐めて、唾液をお尻の皺に刷り込むようにしてくりくりと弄る。
「はぅ! だ、だからそこはやめて……ああんっ!」
そしてお尻の穴が十分に潤ったところで――
携帯電話のアンテナ部分を、あてがった。
「ひゃっ! な、なんか硬いものが当たっているんですが!」
「気のせいだ」
「はうっ! な、なんかお尻の穴が押されているんですがっ!」
「気のせいだ」
「ああっ! だ、だめーーーっ!」
くりくりと携帯を回しながら、アンテナの先をお尻の穴に押し込んでいく。
「と、朋也くん変態です! 超、変態です! あうっ!」
つぷっ、と塗りこんだ唾液の音をさせて、アンテナの先端一センチくらいがお尻の穴に吸い込まれた。びくんと跳ね上がるお尻。
「な、なんか入ってきました! あっ、ダメ、そっちはダメえぇ!」
身体をぶるぶると震わせて甲高い声を上げる渚。ぱっくりと開いた秘所からはとめどなく液体が零れ、ストッキングの内股部分は塗れて色が変わっている。
と、そこで再び携帯に着信。
「ひゃあああぁぁっ!」
バイブにしているため、ぶるぶると震える携帯、当然ながらその震えはアンテナにも伝わり、それが挿入されているお尻の穴にもダイレクトに伝わっているだろう。
「ああああぅ、あぅ、お尻が、お尻が震えて…… ふあああん!」
切れた。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
またかかってきた。
「きゃうううっ!」
切れた。
「はぁはぁはぁ……」
またかかってきた。
「ひゃうううん! もういやーーーっ!」
きっとおっさんだろう。気の短いおっさんらしい、ステキなイヤガラセ電話だ。だがまさかおっさんも自分がかけた携帯が娘のお尻の穴に入っているなんて思うまい。
今度は切れずにずっと震え続ける携帯。俺が出ないので、出るまで切らないつもりなんだろう。
「はう! あっ! だ、だめ、とめて、とめてください……!」
ちゃぶ台に手を突いたまま、背中をきゅうっと反らせてお尻への刺激に息も絶え絶えな渚。秘所から溢れる液体は既にぽたりぽたりと床に垂れている。
「あ、だ、だめっ、わたし、わたし、お尻で…… お尻でイっちゃうぅ!」
普段清楚な渚がレッグハンガーで開かれたお尻の穴に携帯のアンテナを突っ込まれ、イきそうになっている。なんだか夢に出てきそうな光景である。
「あっ、だめ、だめ、だめ! だめええええええええええっ!」
ぴゅっ、と秘所から液体を飛ばして、遂に渚は初めてお尻で達したのである。
「渚―ー?」
「……」
「渚さーん?」
「……」
結局その後、渚は怒ってしまい、ギリギリまで膨張した俺の一部はおあずけ状態であり、とりあえずあれから三日経ったが一言も口をきいてもらえません。
「なあせっかく買ったんだからつけてくれよ、レッグハンガー」
「 嫌 で す 」
三日ぶりの会話は拒絶であった。
「もうお尻に携帯のアンテナとか入れないから」
「朋也くんは変態です! 変態すぎます!」
「いやそれを言うならお尻でイった渚も相当な……ふごっ!」
教訓、やはりスパナは頭よりも硬い。
おわれ