ふたりをとめて ひみつ - 2003/11/03(Mon) 02:03 No.175
「お姉ちゃんには私の気持ちなんて解らない!」
「そ、そんな……栞」
「触らないで!」
昼休みの中庭。わたしと祐一が駆けつけたときには、既に破局の序曲は高らかに鳴り響いていた。
「あたしは栞のことを解ろうと……」
「何を! 何を解ろうとしたって言うの!」
「そ、それは……」
「解るわけない! お姉ちゃんになんて私の気持ちが……解るわけがない!」
「栞!」
ダメ! とわたしが叫ぶより前に、祐一が動いた。
振り上げた香里の右手を掴み、止める。
はっと我に返るように、でも次の瞬間には掴まれた手を振り払うようにして、まるで何事も無かったかのように冷静さを取り戻してしまう親友が。わたしには、このうえなく哀しい存在に見えた。
「何があったんだよ、いったい」
祐一のそのどこか途方に暮れたような言葉に、返答は無い。
栞ちゃんはただ俯いて、細かく肩を震わせているだけ。
泣いているのだろうか、そう思ったわたしが側に寄り添おうと動いた瞬間だった。
「そう、お姉ちゃんや名雪さんなんかには絶対に解るわけが無いんです!」
「……え?」
何が起こったのか、理解するより前に――
わたしは栞ちゃんに両胸を揉みしだかれていた。
えーーー!
「なんですかこのチチは! どういうつもりですか!」
「ひあっ! ちょ、ちょっと栞ちゃん……!」
「くあー! なんですかこのでかさは! 凶器ですよこれはもう! あーこんちくしょう!」
「あ、ああん! や、やめ……」
「お姉ちゃんも名雪さんもだいっ嫌いです! 巨艦巨砲主義断固反対!」
「わ、わわっ、香里ー祐一ー助けてーあふっ!」
「……そろそろ教室行くか」
「……そうね」
「わわっ、待ってよー! ひあっ! 栞ちゃんさきっぽ摘んじゃダメー!」
栞ちゃんの攻撃は結局それから40分近く続いた。