水瀬名雪嬢ご生誕記念SS
名雪 DE バースディ
2002/12/23 MITUKI
12月23日、クリスマスイブ一日前のこの日は、俺の従兄妹であり恋人であるところの水瀬名雪嬢の誕生日である。
世間一般の恋人を持つ男は恋人の誕生日くらいはきちんと覚えていて、プレゼントの一つも用意するものであり、それは俺も例外ではない。
ここ数ヶ月のアルバイト代をつぎ込み、こじゃれたネックレスを名雪に送った。
名雪はとても喜んでくれた。目に涙さえ浮かべて「ずっとずっと大事にするよ」と言ってくれる笑顔を見るだけで、贈った甲斐があったというものだ。
せっかくだからいっしょにお出かけしようよ、とはしゃぐ名雪は、非常にその、微笑ましく、俺も快諾していっしょに出かけた。どうせ出かけるつもりでちょっと背伸びしたディナーの予約なんて入れてしまっているあたり、なんつーか俺もバカップルである。
「えへへ、祐一、腕組んでこっか」
「お、おぅ」
いつもよりもほんの少しだけ着飾って、いつも以上に積極的な名雪に内心どぎまぎしながら、素っ気無く返す。普段であれば俺のその態度にフクレる名雪も、上機嫌でいつも以上にべったりとくっついてくる。腕を組むというよりは、俺の左腕を抱え込む勢いだ。
「お、おい名雪、歩きにくいだろ」
「えへへ、ゆーいちぃ」
「な、なんだよ」
「なんでもなーい」
「そ、そうか」
「ゆーいちぃ、えへへ」
「だからなんだよ」
「呼んでみたかっただけー」
「そ、そうか」
バ、バカップルだ……
緊張してディナーの味もよくわからなかった俺とは対照的に、名雪はよく笑い、よく話し、そしてよく飲んだ。コースでついてきたワイン1本、ほとんど名雪が飲んだんじゃないだろうか。
明らかにはしゃいでいるのはわかったが、まぁ俺も悪い気分ではなく、ワインにほんのりと頬を染める名雪をいつも以上に綺麗に思ったりした。
「ちょっと、飲みすぎちゃった」
ディナーを終え、もうすっかり日の落ちた街。
俺の左腕を身体で抱え込むようにし、そして掌を両手で包み込み、名雪は軽く目を瞑ってそんなことを言った。
「ちょっと…… 寄り道してこっか」
「お、おう」
アルコールでほんのりと染まった頬を更に赤く染め、視線を逸らしつつそう言う名雪の言葉。いくら俺が鈍いとはいえ、その意図がわからぬほどニブチンではない。
ひょっとしたら少し遅くなるかもしれない旨、秋子さんには事前に伝えてある。俺たちの仲はほぼ秋子さん公認と言っていい状態だから、楽しんできてくださいねと笑顔で送り出してもらったくらいだ。
「えへへ、やっぱり緊張しちゃうよね」
駅に近いそれ系のホテルでご休憩の意を伝え、鍵を受け取って部屋に入る。そこでやっと名雪が照れくさそうに口を開いた。ずっと俺の腕に顔をうずめるようにして一言も口を開かなかったのだ。
こういうホテルに来ることは滅多になかったが、何度来ても慣れることはない名雪のその初々しい反応は、逆に俺を喜ばせた。
ベッドに腰掛け、潤んだ瞳を俺に向けて、名雪がおずおずと口を開く。
「祐一、今日はありがとう」
いつにはない名雪のその様子に、踊りだす心臓を必死でなだめながら、俺はいつもどおりなんでもないように返す。
「ははっ、どうしたんだよいったい。今日は殊勝じゃないか」
「うふふ、だって今日はわたしの誕生日だもん」
あまり答えになっていないような気がしたが、幸せそうな名雪の顔を見られるだけで、そんなことはどうでもいいように思える。
「あの……ね、祐一」
「ん?」
そこで名雪は、もともと赤かった顔を更に高潮させ、俯き加減で俺に声をかけてくる。
「今日ね、その…… わ、わたしも、その……」
真っ赤になって、少し上目遣いで俺を見ながらたどたどしく言葉を紡ぐ名雪の様子に、俺の心臓はオーバーヒート寸前である。
「わたしも、その…… 祐一に、プ、プレゼントが、あるんだよ」
「え?」
思っても見なかったその台詞に、俺は思い切り虚を突かれた表情をしたのだろう。少しリラックスするようにくすりと笑って、名雪は先を続けた。
「だからその、ちょっとだけ、後ろを向いててもらえるかな?」
驚かせようというのだろう、少女のようなその悪戯心とプレゼントを用意してくれていたという名雪の気持ちに、俺は胸がいっぱいになりながら優しく頷き、その場で後ろを向く。
「いいって言うまでこっち向いちゃダメだよ?」
「おう」
「ぜったいだよ?」
「おう」
本当に童女のような名雪に、思わず笑みを浮かべながら、言われたとおり後ろを向いてじっと待つ。
後ろでは何か衣擦れの音と、それとは別に何かを巻きつけるような音が聞こえてきて、首をかしげた。
何をしようってんだ、名雪は。
そのまましばらく待つと、先ほどよりも更に小さな消え入りそうな声で、名雪が「いいよ」と言う声が聞こえてきた。
ゆっくりと振り向き、そして俺は固まった。
下着姿になった名雪が、頬はおろか全身を紅潮させながらもじもじと立っていた。
それだけであれば驚きこそすれ、硬直はしなかったろう。
問題は、ほんのりと赤く染まった身体全体に巻きついた、真っ赤な紐。
ラッピングということなのだろう、幅2センチくらいの真っ赤な紐が名雪の腕といわず腰といわず巻かれている。
首の部分にまるでチョーカーのように結ばれた紐は、そのまま肩を通ってブラに包まれた豊かな胸にまるで圧迫するように巻きつき、腰を通ってレース仕立てになったショーツへと巻かれている。左足へそのまま流すように巻きつけられた紐は、結ばれることなく床に垂らされていた。
「えと、その……」
無言のままじっと見詰める俺の視線に耐え切れぬように、太ももの内側を擦り合わせるようにもじもじと佇む名雪。
全身は紅潮し、瞳はうるうると潤み、少し上目遣いで「ど、どうかな」とでも言うように俺の視線に晒される名雪。
「え、えと…… プレゼントは…… わ、わたし、だよ」
ぷちーん
俺の理性は、そこで切れた。
「モエーーーーっ!」
「ひっ!」
俗に言うルパンダイブ。
ベッドの前に立つ名雪をそのまま押し倒す。
「わっ、わっ、わっ」
「これだっ! 俺の求めていたものはこれなんだっ!」
「ゆ、ゆゆゆ祐一?!」
「ステキだ! ステキだぞなゆきーーっ!」
「さ、さっきまでの良さ気な雰囲気はいったいどこに?!」
「雰囲気? バカなっ! 雰囲気などではご飯は食べられませんよ?」
「ご、ご飯関係な……ふぁっ!」
そのまま首筋に舌を這わせた俺に、くすぐったさとは明らかに違った甘い声を上げ、それでも抗議するように言葉を止めない名雪。
「だ、だって今日はわたしの誕生日で、明日は聖夜なんだよ?」
「性夜?」
「ち、ちがうよっ!」
祐一オヤジギャグ! と失礼なことをのたまい、なおも言い募る名雪。
「も、もっとこう、愛、そう、愛に満ちた雰囲気を演出…… ひゃあっ!」
「愛と愛欲って似ていますね」
「に、似てないよ! ぜんぜん意味違うよ!」
いったい何が不満なのか、「騙されたよっ!」「コメディじゃないからおかしいと思ってたんだよ!」とわけのわからないことを叫びながら、名雪はじたばたと暴れる。
「ええい暴れるな!」
「詐欺ー、詐欺だよー!」
「ええい、こうしてやるっ!」
「わっわっわっ!」
暴れる名雪の身体をこてんとうつ伏せにし、そのまま身体を流れる紐で後ろ手に縛る。
「わっわっ、こ、拘束ぷれいだよっ! 祐一変態さんだよっ!」
「だまらっしゃい!」
痛くならないように注意して、それでも簡単には解けないように紐を手首に巻きつけ、縛った。
「わわっ、な、なんか大変なことに……」
「何を言う、これがいいんですよこれが!」
観念したのか、大人しくなった名雪に後ろから覆い被さるようにして、ベッドに押し潰されている胸をブラ越しに揉んだ。
「ふぁっ……」
邪魔なブラを上にずらすようにすると、豊かな胸がこぼれるように飛び出してくる。もっとも、ベッドに圧迫されたそれは名雪の自重に潰れて横からはみ出していたが。
「名雪って胸でかいよなぁ」
「そ、そんなことな……んっ! ああっ!」
否定しようとする名雪に後ろから覆い被さり、胸とベッドの間に手を差し込む。潰れた胸を揉みほぐし、耳の後ろに下を這わすと、名雪はびくりと全身を跳ねさせた。
ふふふ、相変わらず敏感なやつ。
「よっと」
「んあっ」
そのままでは揉みづらかったので、肩に手をかけて優しく上体を起こしてやる。
相変わらず後ろ手に縛られ、ぺたんとまるで子供のように座り込んだ名雪の目は、とろんとしていた。
「はむ」
「やっ、ひゃぁ!」
ぼんやりとしている名雪の右胸、その頂きにぽっちりと在るピンク色の部分を、口に含んだ。再び電流が走ったかのようにびくりと身体を振るわせる名雪。
なんだか……
「いつもより、感じてないか?」
俺のその言葉に、もともと赤かった名雪の顔はみるみる真っ赤になっていく。どうやら図星だったようだ。
「そ、そんなこと……!」
「縛られて感じるなんて、名雪って過激だよな」
「そ、そんなことないよっ!」
慌てたように叫ぶ名雪に苦笑し、そのまま後ろから抱え込むように両胸に手を這わせた。
「うっ…… あっ……」
質量のあるそれを少し持ち上げるようにして包み込む。全体を捏ねるように包む。だんだんと尖ってきた先端を指で挟み込む。
「うぁっ、ふぅ……」
両目をきゅっと閉じ、眉を寄せて、まるで何かに耐えるように必死に声を漏らさぬようにする名雪。
その名雪の表情に満足し、更に大胆に手を動かす。
「あっ、あっ、あっ」
こりこりと硬くなった乳首を、親指と人差し指で摘む。掌に収まりきらないほどの乳房全体を、捏ねまわす。
「んっ、ふぅ、ん……っ」
既に名雪の全身からは力が抜け、俺に背中越しに寄りかかるようにして体を支えていた。
もうだめぽ……