全日本青い春選手権

2002/12/24 久慈光樹


 

 

 

 朝起きたら、佐祐理さんと舞がいた。

 

「さあついに始まりました『全日本青い春選手権大会』司会はわたくし倉田佐祐理と」

「……川澄舞」

「でお送りいたしますー! あははーーっ!」

 

 ……夢か

 

「相沢さん寝ないでくださいー 舞!」

「(ドス)」

「はおっ! 肘を落とすな! 腹に!」

 

 俺の名前は相沢祐一、水瀬家に居候する17歳男子。

 そしてここは俺の部屋、というかこの人たちどこから入ってきたんだ?

 

「それではさっそく行ってみましょう、一番手は美坂栞さんですー!」

 

 佐祐理さんの声と共に、さも当然のように部屋のドアを開けて入ってくる栞。カムバック俺のプライバシー。

 

「エ、エントリーナンバー1番、美坂栞、青い春行きます」

「……どうぞ」

「え、えーと、『好きな娘の縦笛』」

「……」

「……」

「青い! これはかなりの青さです!」

 

 ……そういう趣旨か。

 

「それでは採点です、舞!」

「だらららら」

 

 ドラムのつもりだろうか、無表情にだららら言う舞はひどく輝いて見えた。

 というか関わり合いになりたくない類の人っぽい。

 

「65青い」

「おおっと! これは最初からかなりの高得点が出ました!」

 

 嫌な単位だなオイ。

 

「美坂栞さんありがとうございましたー! それでは次の方どうぞー!」

「エントリーナンバー2番、天野美汐」

「……どうぞ」

「『使うあてもないくせに財布に常備されているコ(ピー)ドーム』」

 

 あいたたた!

 

「……しかも破けて財布中が液まみれ」

「オチ付きかよ!」

「おおっと、これはかなりの青さ、非常に高得点が期待されます!」

「だらららら」

 

 いや、もうだららはいいから……

 

「80青い」

「これは凄い高得点です!」

 

 ああもうかなりどうでもよくなってきた、いつまで続くんだこれ。

 

「天野美汐さんありがとうございましたー」

 

 満足げな笑みを浮かべて部屋を出て行く天野。というかお前は満足なのかそれで。

 

「どんどん行きます、次の方どうぞー!」

「エントリーナンバー3番、水瀬名雪」

「……どうぞ」

「『今日は安全日だよ』」

「……」

「……」

「……」

 

 沈黙の支配する部屋。

 

「え、えーと、ま、舞!」

「だららら…… ぶーぶぶー!」

「えー」

 

 両手でバッテンをつくりながら頬を膨らませてぶーぶー言う舞と、不満げな名雪。もうなにがなんだか。

 

「……そんなあだるてぃな話題は青さじゃない、失格」

「うー、残念」

 

 どうやらダメらしい。

 というか名雪、お前まさか……

 

「はえー? どうしました祐一さん、顔が引きつってますよー?」

「な、なんでもありません!」

「祐一」

「な、なんですか名雪さん?」

「……」

「……」

「……(くすっ)」

 

 その笑いはなんだーーーっ!!

 

「お前この間のアレはまさか…… おいちょっと待て名雪! 名雪ーー!」

 

バタン

 

「え、えーと」

「……」

「『全日本青い春選手権大会』、この辺で失礼しましょー!」

「ぱふぱふぱふ」


 

<おしまい>

 

 

 教訓:

 熱があるときにSSなど書くものではない。