でもやっぱりネコが好き!
2000/05/12 久慈光樹
ある日、学校から帰ると猫がいた。
俺のベッドの上に鎮座する猫。
でかい。
でかいにもほどがある。
よく見ると、名雪だった。
バカデカイ猫の着ぐるみを着て、ベッドの上でじっと俺を見つめる。
なんというか
死んだ魚のような目だ。
「名雪、お前……」
「マンチェスター」
「な、なに?」
「マンチェスター」
無表情で、その言葉を繰り返す名雪。
まんちぇすたー?
えーと……
着ぐるみの名前だろうか?
猫の名前がマンチェスター?
どういうセンスなのか。
猫の名前がマンチェスターなど、非常識にもほどがある。
……
いや! まて!
そんなことはこの際問題ではない。
この状況で、着ぐるみの名前がマンチェスターだろうとモンゴメリーだろうと、そんなことは問題ではないのだ。
問題は。
なぜ名雪が猫の着ぐるみを着て、俺の部屋のベッドの上に乗っているのかということだ。
必死で考える。
名雪が猫好きだから?
いや、そういう問題じゃない。
猫好きにもほどがある。
人間、超えてはならない一線というものは確かに存在するのだ。
それとも嫌がらせだろうか?
俺、何か名雪を怒らせるようなことしたか?
「にゃーー ごーー」
「ひっ!」
無表情で鳴く名雪。
ちくしょう! 嫌がらせだな? 嫌がらせなんだな?
嫌いか、そんなに俺のこと嫌いか!
ちくしょう! かかってこいやぁ!!
「うなぁーーー!」
「ひぃっ!!」
教訓:
オチはきちんと考えてから書き始めましょう。