10月21日 日記より転載 74文字改行で46行
題材「ハピレス」
「やよいママ―――じゃない、やよい先生いますか?」
「こら、学校でママって言っちゃダメでしょう」
「うん、ごめん」
「で、どうしたのかしら。保健室で寝かせてくれー、とか?」
「あはは、まさか。せっかくのお昼休みだし、やよい先生の所にお茶でもしに」
「あら嬉しい。ちょうど今朝、美味しい玉露が届いたのよ。水羊羹もあるから一緒に、ね♪」
しばし歓談―――
「―――それで、体育祭の時なんか大変なのよ。まるっきりこっちの方が運動会なの」
「うわぁ……」
「いくらまだ高校生とは言え、どうして男の子があの程度のかすり傷で救護に来るのかしら。ツバつけとけば治るわよ」
「それは―――分かる気がするな」
「え、どうして?」
「うん、みんなやよい先生に会いに来たいんだと思うよ。だからたいした怪我じゃなくても来るんだよ」
「………なるほど」
「普段だって、実は結構仮病の生徒って多くない?」
「言われてみれば……ベッド貸してくれって男子生徒は毎日何人かはいるのよね」
「ね? そういう連中って、みんなやよいママに甘えたいんだよ」
「そうなの? キミって結構鋭いわね」
「そんなことないよ。僕だって―――ハッ(口を押さえる)」
「――――(ニヤ)私も、相手がキミだったら歓迎しちゃうけどなぁ」
「え、え、えぇ?」
「もしキミが仮病まで使ってママに会いに来てくれたら―――」
「…………来てくれたら……?」
「優しくベッドに寝かしつけてあげて―――」
「…………(ゴクッ)」
「ベッドで布団に包まるキミを――――」
「…………(真っ赤)」
「簀巻きにして河に放り込んじゃおうかしら♪」
「なっ、なんでやねん!? 死ぬ! それマヂ死ぬ!」
「ほほほ……だって可愛い息子が授業をサボって保健室にシケこもうなんて考える不良になるのを見過ごせないわよ★」
「くっ…………そりゃそうだ―――嬉しいけど、なんか悔しい」
「でもね―――」
「――――?」
「本当の病気の時は、ママが付きっきりで看病してあげるわ。チュッ♪」
「なっ――――(真っ赤)」
「さ、そろそろ教室に戻りなさい」
「ちょっ―――やよいママ!?」
「はいはい、また後でね♪」
久慈光樹より一言
50行以内は今んとこ悠さんだけっす(泣)