剛久さん

 

12月20日 日記より転載 74文字改行で42行

題材:ドラクエ・Kanon


「祐一君、この奥……だよね」
「ああ、そうだな」
「うぐぅ、ドキドキしてきた……」
「別に、お前が心配する事じゃないぞ」
「でも……」
「大丈夫、絶対勝てるって」
「うん……」
「よし、この階段を降りれば、もうボス目前だ。 体力とか、大丈夫だよな」
「うん、さっき回復したよ」
「そうだったな……。 ああもう、俺まで心配になってきた。 くそ、あゆのせいだ」
「うぐぅ、そんなぁ……」
「ええい、心配しててもしょうがない。 とっとと行って、さっさと倒すぞ」
「そ、そうだね……あっ、コレ、コレかなっ?」
「どうやら、そうらしいな……。 くそ、強そうだな」
「そりゃ、ボスだもん、強そうに見えるよ」
「よし、とりあえずバイキルトだっ」
「祐一君っ、それよりフバーハだよ、フバーハ」
「何でだよっ」
「だって火吐いてきそうだもん」
「そ、そうか……? そうだな、防御優先するか」
「わっわっ呪文、呪文だよっ! 早くマホカンタかけてっ」
「バカ、そんないっぺんに出来るかっ! うわ痛てっ、くそ」
「だ、大丈夫?!」
「ああ、まだ全然……痛てえっ!」
「わーっ、はやくベホマベホマ! 死んじゃうよっ!」
「くそ、なんでコイツ……ああっ!!」
「わああーーーっ!!」

「ふたりとも、うるさいよー」
「――え」
「――あ」
「どうしてゲームしてるのにそんなに声出すの?」
「いや、ちょっと熱中し過ぎて。 ってか俺はそんなに声出してないだろ。 コイツだコイツ」
「ええー、祐一君だよ、うるさいの。 ねー名雪さん」
「……どっちもだよ、声出してたの」
「え、マジか……? って、ああっ」
「あー、全滅……」
「やっぱまだレベル足りなかったか」
「そうだね……」
「もう、ふたりとも……」



久慈光樹より一言

 いや、ドラクエでは声出さないと思う……


 

12月5日 日記より転載 74文字改行で54行


「――寒いなぁ」
「もう12月だからね。 冬だよ」
「そりゃわかってるけどさ。 それにしてたって今日は寒い」
「むー、寒い寒いって。 そんなに寒い?」
「ああ寒い。 昨日の鈴木のギャグより寒い」
「……それは鈴木君が可哀想だよ」
「とにかく、それくらい寒いってことだ」
「もぉ……しょうがないなぁ」
「お? 鞄なんか漁って、なんかあるのか?」
「うん、まあ――はい」
「コレは……マフラーか?」
「そうだよ。 ホントは、……クリスマスに渡そうと思ってたんだけど」
「クリスマスって……まだ結構あるだろ」
「だからっ、今渡すか迷ったんだけど。 キミが寒い寒い言うから」
「いやまあ、確かに言ったけどさ」
「あー、せっかく編んだのに。 嬉しくないの?」
「いやいや、そんな事言ってない言ってない、嬉しいって。 ただ、なんでもうクリスマスプレゼント持ってるのかなと思って」
「え、だって先月から――あ」
「……先月から?」
「あ、うそうそ、全然違うっ。 別に待ちきれなくて先月から編んでたなんてことな――あ」
「……わかったわかった。 とりあえず落ち着け」
「もぉ、ヘンな事言わせないでっ」
「あー、悪かったよ。 でもま、…ありがとな」
「う、うん。 それよりさホラ、付けてみてよ」
「あ、ああ、――って、さっきから思ってたんだが、コレでかくないか? っつーか長いなオイ」
「ああそうそう、それね、ちょっと貸して」
「? どうする気――っておわっ?!」
「えへへ、これで二人ともあったい」
「ちょ……さすがにコレは…」
「キミ背低いからさ、やってみたかったんだよ、こういうの」
「……恥ずかしいって。 知ってるヤツに見られたらどうすんだよ」
「うーん、そのときはそのと」
「あああぁーーーーーっ!!」
「うわっ?!」
「おおおお兄ちゃんっ?! なな何やってんのよ?!」
「……なんでコイツはこうベストタイミングで現れるかなー……」
「……い、妹さん?」
「ね、ちょ……何やってんのよっ!」
「何やってると言われてもなぁ……なぁ?」
「え、う、うん、……ねぇ?」
「あぁもぅ、信じらんない! せっかくお兄ちゃん待って一緒に帰ろうと思ってたのにっ」
「いや俺にそんな事言われても」
「と、とにかくっ、どんな言い訳したってダメだからねっ! 火の無い所に煙は立たないのよっ!」
「……は?」
「帰るっ!」
「あ? おーい……」
「え、えーっと……?」
「……何だったんだアイツは」
「さ、さぁ……?」




久慈光樹より一言

 「妹」はルールぢゃねぇ!