仮面の男さん

 

10月23日 日記より転載 74文字改行で53行


SEQUENSE STARTS......

「お兄ちゃん、起きてる?」
「なんだ煩いな……今、夜中の二時三十分十四秒と三二一を過ぎたところだぞ」
「むー、何でそんなに細かいんだよー。あ、それよりお願いがあるんだけど」
「お願い? 何だ? 良い歳して便所が恐いなんて言うんじゃないだろうな」
「――えへへー、実はそうなの」
「――寝る!」
「あ、待ってよ。今日、友達から恐いゲーム借りてやってみたら本当に恐くて」
「――それで眠れないのか?」
「うん。だって本当に恐いんだよ。『かまいたちの夜』っていうゲームなんだけど」
「――ったく、前も一人でホラー映画見て同じことやってたじゃないか」
「だって、嫌も嫌よも好きのうちって言うでしょ」
「お前、用法が違うぞ」
「あれ、そうだっけ。まっ、堅いことは言いっこなしってことで」
「あ、こら、引っ張るなって、袖が伸びるだろ」
「それが嫌なら、さっさとついてくるのっ」
「――ったく、中学三年生にもなって餓鬼っぽい」
「お兄ちゃん、さっきからそればっか」
「知るかよ。それより、トイレは良いのか?」
「あ、そうだ。早く行かないと――」
「ほら、電気点けないと転ぶぞ」
「そこまで子供じゃないですよーだ」
「――子供の癖に」
「何か言った」
「いや、別に」
「――――じゃあ、逃げたら駄目だからね。それと覗かないでよ」
「覗くかっての――ったく、こんなんで俺がいなくなったらどうするんだ?」
「えっ、お兄ちゃん、いなくなるの?」
「馬鹿。もう半年もしたら俺だって大学生だぞ」
「そっか、いなくなるんだ――」
「何だよ、急に神妙になって」
「うん――せいせいっ、するなって思って」
「あーお前そんなこと言うか? しかもはっきりと、強調して」
「だって、これでアイスやおやつの争奪戦しなくても良いんだから」
「あそう、じゃあ俺は用事思い出したんで、上がるな」
「あ、待って待って、冗談だよう――意地悪なんだからあ」
「甘えた声を出すな、気色悪い」
「むー、そんなこと言うかなあ。折角、可愛い妹が頼んでるのに」
「人にものを頼む口調じゃないだろ」
「むー、ひどい言い方だよう、鬼畜だよう」
「お前、鬼畜だなんて言葉、どこで覚えてくるんだ?」
「さあ、どこでしょう――?」
「あ、くそっ、はぐらかすなよな。まあ、良いけどさ」
「あー、お兄ちゃんは私がめくるめくあんこくどうに突き進んでも良いんだねっ!」
「何だよ暗黒道って――」
「盛者必衰の儚い道だよっ!」
「――分かった、もう何も言わん。おやすみ……俺は寝る」
「あああっ、ごめん、もうふざけないから。だから側にいてよう。じゃないと、ストックを手に持った犯人が襲って来るんだよーー。生殺しだよーー。お兄ちゃんの馬鹿、鬼畜、変態、ベランダに隠してあるエロ本の在り処、お母さんに全部ばらすよーー!!」
「わっ、やめろ。お願いだからそれだけはっ!!」

「二人とも静かにしなさい! 母さん眠れないでしょ!!」

THEME [SISTER]
TITLE [NOISY NIGHT]





久慈光樹より一言

 経験則っすか? おのれこのリアル兄が!