1月1日 日記より転載 74文字改行で37行
テーマ「恋の行方」
「なぁ、ちょっとさ、聞いてもいいか?」
「あ?何だよ、そんなに改まって」
「いや、まあ、ちょっと、な」
「ふーん……まあいいや。で、何が聞きたいんだ?」
「えーっと……お前ってさ、好きな人、って、いるか?」
「……俺、か?」
「うん、お前」
「うーん……俺は特にいないなぁ……」
「ふーん、そっか。ならいいんだ……」
「……んん〜!?さてはお前、もしかして好きな人が出来たりなんかしたのか!?」
「ええ!?ああ、いや、うん、実は、な……」
「そうかそうか。で、相手は誰だ?おじちゃんに言うてみ、ほれ」
「い、いや、ちょっとそればっかりは……」
「おいおーい。ここまで引っ張っておいてそりゃないんじゃないかねチミ」
「そんなこと言われても……」
「いや、俺にはわかる。お前はその自分恋い焦がれて仕方ない心を誰かに聞いてもらいたいはずだ。そしてその誰かを俺に決めたはずだ。違うか?」
「……うん……違わない……」
「ほれ見ろ。だから早くおじちゃんにすべて吐いてすっきりしてまえ」
「うん……じゃあ、言うぞ……」
「おうよ。どんと来い」
「実は、俺……数学の鈴木先生が好きなんだ!」
「……そうか……そうなのか……それはツライなぁ……」
「うん……」
「いつの時代も、恋愛に身分の差は付き物とはいえ……ツライなぁ……それは……」
「うん……でも、なんかお前に話したおかげで、少しは気が楽になった気がするよ」
「そっか。そりゃ良かった」
「うん……なんか、変な話しちまって、ごめんな」
「いや、いいってことさ。気にすんなよ」
「そう言ってもらえると助かるよ」
「ところでさ、俺からお前に一つ聞きたいことが出来たんだが、聞いてもいいか?」
「ん?なんだ?」
「数学の鈴木先生って、男じゃなかったっけ?」
糸冬
久慈光樹より一言
801は勘弁して下サイ……(泣)