第61崩壊【解離性健忘】

  それは7年前、最後の冬――。

 祐一「また来年な」
 名雪「うん、寂しくなるね…」
 祐一「本当は好きなんだけどな、この街も…」
 名雪「だったら、わたしのお婿さんになればいいんだよ♪」

 祐一「――寒いからヤだ! 俺は帰る!」
 名雪「うぐぅ!」

 秋子「………」


  その日、夕食に出てきた“アレ”の味は俺の幼心に大きな傷痕を残した。

  …そして、僕は記憶を閉じ込めたんだ――。



第62崩壊【あくまでも<仮名>リターンズ】

 栞 「わぁ、スゴイですぅ…」
 祐一「ジャ、ジャンボミックスパフェデラックス…」
 栞 「噂に違わず大きいですね」
 祐一「本当に食い切れるのかよ…」

 澪 『大丈夫…なの』

 祐一「…ん? 誰だ、このスケッチブック少女は」
 栞 「どこかで見たことあるような、ないような…」

 澪 『三人で頑張れば、きっと大丈夫…なの』

 祐一「もしかして、話せないのか…?」
 栞 「きっ、きっと! 無口なだけなんですよ、多分…」
 祐一「一体、何をそんなに慌ててるんだ?」
 栞 「えぅ〜…」

 澪 『でも、やっぱり量が多すぎるの…』


みさき「――だったら、私の出番だね♪」


 祐一「………」
 栞 「…………」

 祐一「………」
 栞 「…………」


みさき「ごちそうさま、でも…少し物足りなかったかな?」<完食(一分)


 祐一「………」
 栞 「…………」

 祐一「目の前の出来事は幻だ、忘れよう…」
 栞 「……はい…」



第63崩壊【私立華音学園<名雪編>】

 秋子「うふふ…」
 名雪「まさか、お母さんと闘うだなんて…思ってもみなかったよ…」
 秋子「娘だからと言って手加減はしないわよ?」
 名雪「望むところだよ、お母さん…!」
 秋子「大人しくヂャムになりなさい」


  ――Round 1 Fight――


 秋子「行くわよ…超必殺技、発動ッ!!」
 名雪「そんなっ、いきなり…!?」


  “ ↑ ↑ ↓ ↓ L R L R × ○ ”


 名雪「そっ、それは――“伝説コマンド”!!?」
 秋子「喰らいなさい、我が奥義ッ!!」


  『 謎邪夢−企業秘密♪− 』<即死確定



第64崩壊【私立華音学園<栞編>】

 香里「フッ…」
 栞 「お姉ちゃんが対戦相手だったの?」
 香里「いい加減…運命のイタズラにも飽き飽きするわね」
 栞 「そ、そんな…やっと仲直りできたと思ったのに」
 香里「問答無用!」


  ――Round 2 Fight――


 栞 「お姉ちゃんのこと、大好きだったのに…」
 香里「口先では何とでも言えるわっ!」
 栞 「そんなこと言うお姉ちゃん…嫌いですぅっ!!」


  “ L1 + L2 + R1 + R2 + start + select ”(同時押し)


 香里「そっ、それは――“消去コマンド”!!?」
 栞 「大好きなお姉ちゃん…永遠に、このストールの中で…」

 香里「ちょ…っ!! きゃああああああぁぁぁ…」


  『――えいえんは あるよ…

      ……ここに あるよ――』<消滅



第65崩壊【元凶は神奈?】

  羽根――

  星の記憶を…悲しみを受け継いだ羽根が、また舞い降りる…

  時にそれは形を変え、人々の願いを叶えては、再び天へと戻ってゆく…

  自らを消した少女の妹、正体不明だが愛嬌のある謎犬、そして…

  …雪降る街で、翼を象った衣服に身をまとう少女も例外ではなかった


  そんな彼女らに課せられた、羽根の恐るべき性質…それは――


 往人「このぉ、待ちやがれっ!!」
みちる「誰が待つもんか、このヘンタイ誘拐魔ァ!!」
 謎犬「ぴ〜こ〜ぴ〜こ〜…」
 往人「コイツ…地球外毛玉生物のくせして、人間様をバカにしやがったな!?」
 謎犬「ぴこぴこっ!?」
みちる「にょわっ、逃げるんだポテトぉ!!」
 謎犬「ぴっこり♪」


  …それは――


 祐一「またか、またなのかっ!?」
 あゆ「うぐぅ、だって財布がなかったんだよ〜っ」
 祐一「毎度のことながら、確かめてから注文しろよ!」
 あゆ「と、とにかく逃げる!」
オヤジ『待て〜〜〜…』


  ――やたらと“逃げる”運命に振り回されることだったり…



第66崩壊【真夏の大惨事】

 名雪「ホント、暑いね〜…」
 祐一「季節は夏まっ盛りだからな」
 名雪「喉も渇いたね…」
 祐一「だったらジュースでも買ったらどうだ」
 名雪「今月お小遣いピンチだし、なけなしの百円だけど…」
 祐一「生理的欲求を抑えても仕方がないだろ?」
 名雪「そうだよね、だったら…いちごオレ、っと」



  『 ここからは、しばらく効果音のみでお送りいたします。 』



  チャリンッ…<百円投入

  ポチッ。<押

  …………

  ………

  ……

  ザラララララララッ!<氷

  ジャアアァァァ…<液体

  ジャアァァ…ブッ、ブホブホッ…<尽

  …………

  ………

  ……

  コトッ。<容器

  ピッピッピッ。<電子報告音

  …パッ!<“売切”表示



 祐一「…おぅ、じぃざす」

 名雪「わたし…もぅ、わらえないよ…」<自閉



第67崩壊【風の辿り着く場所−替歌−】


  目の前にハゲ 光が舞った

  日常にだけ 抜けた分の髪の毛が 

  見上げれば雲 遠くへ伸びろ

  幼い日の フサフサ毛が懐かしい



  雪解けを待っていた オヤジのように

  怒る光る頭皮 輝いてる

  明日の別れさえ 気付かずにいる

  季節たちのなかで ファイナルヘアなびく



  世界中の奇跡に願っても 叶う日こない 

  ずっと旅をしてゆく僕らの 最後の一本抜け落ちる



第68崩壊【茶目っ気でGO!4−魔女ッ娘編−】

 祐一「よぅ」
佐祐理「あ〜っ、祐一さんだ〜っ!」
 祐一「おぅ、祐一さんだぞ?」
 舞 「祐一、逃げて…」

 祐一「――えっ!?」


佐祐理「ユウイチ…サンダーーーッ!」

  ドンガラピッシャアアアアアアァァァンッッ!!!

 祐一「ぎゃああああああぁぁぁ…」
 舞 「…脳天直撃」


佐祐理「ユウイチ…ファイアーーーッ!」

  ジュゴゴゴゴゴゴオオオオオオォォォッッ!!!

 祐一「ぐわああああああぁぁぁ…」
 舞 「…火ダルマさん」


佐祐理「ユウイチ…絶対零度ォォーーーッ!」

  …カチコチンッ!!

 祐一「――…………」
 舞 「…沈黙は金」


  …そして、俺の記憶は再び凍りついたんだ――。



第69崩壊【お約束−Part.3−】

 観鈴「もぅ、いいよね…」
 晴子「あかんっ…」
 観鈴「ゴールしても、いいよね…?」
 晴子「何言うてんのや…そんなん、ウチは許さへんでっ」
 観鈴「…さん、にぃ…」
 晴子「イヤや…」
 観鈴「…い〜ち…」
 晴子「こんなん、絶対にイヤやぁぁっ!」

 観鈴「………ゴールッ!」

(BGM:青空)

 晴子「みすずーーーーーーーーーーーーっっ!!!」


  …………

  ………

  ……


 観鈴「はい、また私の勝ちだね♪」
 晴子「はぁぁ…上がってもぉたかぁ…」

 観鈴「にははっ。お母さん、スゴロク弱すぎ」



第70崩壊【始まって終わり−Again−】

 名雪「雪、積もってるよ…」
 祐一「お、遅すぎる…」
 名雪「あれ…今、何時?」
 祐一「3時!」
 名雪「…わ、びっくり」
 祐一「他に言うことはないのか?」
 名雪「ご、ごめん…それにしても、何か、暗いね…」
 祐一「あ、あぁ…何せ――」

 祐一「――14時間も待ってたからな…」


  …ドサッ!<凍死

 名雪「ゆっ、祐一? …ゆういちぃぃっ!!」


                 < Kanon Fin... >

 

 

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