第31崩壊【茶目っ気でGO!】
名雪「……買い物、早く行こうよ」
祐一「ううっ、メチャクチャ寒いぞ」
名雪「お母さんに頼まれたんだから……」
祐一「嫌だ、行きたくない」
名雪「昼は付き合ってくれるって言ってたのに」
祐一「あン時は、こんなに寒いなんて知らなかったんだよっ!」
名雪「祐一、嘘つきだよ…」
祐一「何と言われようが絶対に行かないっ!」
名雪「じゃあ――」
名雪「祐一だけ、今日のゴハンは畳針」
祐一「………えっ?」
名雪「お茶碗に山盛りの畳針と、おかずはまち針だよ」
祐一「……………」
名雪「ちなみにデザートはミシン針ね」
祐一「――どこまでもついていきます、名雪サマ」
名雪「最初から、そう言えばいいんだよぉ♪」
祐一(…名雪、そんなに俺のこと嫌いか…?)
第32崩壊【悲劇ふたたび】
祐一「…ま、まだなのか?」
栞 「はい、絵が完成するまでは動いちゃダメです」
祐一「完成…するのは、無理だろ…」
栞 「えぅ〜、そんなこと言う人――」
栞 「――ストール攻撃ですっ!」
祐一「マジっすか!?」(滝汗)
……バフッ!
祐一「…あれ? 何ともないぞ…?」
栞 「あっ、手元が狂ってしまいました♪」
香里(…な〜ん〜で〜あ〜た〜し〜が〜〜〜…)<運命?
第33崩壊【矛先は北川】
香里「…はぁっ、はぁっ…」
祐一「やっと出してもらえたか…」
香里「もぅ、死ぬかと思ったわよっ!」
祐一「まぁ、そのくらいの元気があれば大丈夫だろ」
香里「本っっ当に、どうしてあの子ったら――」
栞 「おねぇちゃ〜〜〜〜〜〜ん…」
香里「――こんなにカワイイのかしらっ♪」
栞 「恥ずかしいよ、お姉ちゃん…」
祐一「あれ…お前ら、さっそく仲直りしたのか?」
栞 「はいっ、だって…私の…大好きなお姉ちゃんですから」
香里「そ、そうね栞…あっ、相沢君も何言ってるのよ?」
祐一「はははっ…」
祐一(――要するに、怖くなったんだな)
栞 (…つ〜ぎ〜は〜だ〜れ〜に〜し〜よ〜う〜か〜な〜〜〜…)
第34崩壊【カエルも必死】
祐一「大体、高校生にもなってヌイグルミと添い寝…ってのがダメだな」
名雪「え〜…そんなこと、ないもん…」
祐一「よし、じゃあけろぴーは俺が取り上げてやる」
名雪「そっ、そんなぁ…」
祐一「翌朝になったら、程良い薄さになってると思うぞ?」
名雪「絶対にダメッ! そんなことしたら――」
名雪「――お母さんが本領発揮しちゃうからっ!」
秋子『いいヂャムの原料になりそうね……っ♪』<恍惚(こうこつ)
第35崩壊【気取って轟沈】
ネコ(…吾輩は猫である。名前は、まだ無――)
真琴「今日からキミは、『ぴろ』だよっ♪」
――そんなっ、いきなり!!?
第36崩壊【高速回転事件】
祐一「じゃあ、このパンを佐祐理さんにあげるよ」
舞 「………私の分を」
佐祐理「でしたら佐祐理のお弁当を、舞に…」
祐一「それじゃ、この弁当を佐祐理さんに…」
舞 「…………」
佐祐理「では、このパンを…」
……サッ
サッ、サッ…
…サ、サ、サ、サ、サッ…
サササササササササササササササッッ!!!
――やがて三人の食べ物は、溶けて美味しそうなバターに…。
祐一「なるかーーーーーーっ!!」
第37崩壊【続・高速回転事件】
祐一「じゃあ、このパンを佐祐理さんにあげるよ」
舞 「………私の分を」
佐祐理「でしたら佐祐理のお弁当を、舞に…」
祐一「それじゃ、この弁当を佐祐理さんに…」
舞 「…………」
佐祐理「では、このパンを…」
……サッ
サッ、サッ…
…サ、サ、サ、サ、サッ…
サササササササササササササササッッ!!!
――その回転はあまりにも速く、次元の歪みをも生み出してしまうほどだった。
祐一「マ、マジか…?」
舞 「………宇宙人さん」
佐祐理「はぇ〜…でも何だか、どこかで見た顔ですね〜…」
往人「我々ハ地球侵略ノタメ、遠イ星カラヤッテ来タ『くにさっきー星人』ダ。
コノ日ヲ一日千秋ノ想イデ、待テバ海路ノ日和アリ……?」
――もう、なにがなんやら…。<謎
第38崩壊【別れの歴程…その後】
ふたりがみちると別れた直後、夕焼けの屋上にて――。
美凪「みちる…」
往人「空に、想いは届けられたのか?」
美凪「…国崎さん、わたし…私は、咎人(とがにん)です…」
往人「そう自分を頑なに責めるもんじゃない」
美凪「でも………でもぉっ!」
往人(なぁ、みちる――お前は、空の少女に逢えたのか?)
――その頃、空では…。
みちる「にょわっ?」
神奈「くぬぅっ!」
ヒョイ、ヒョイ、ヒョ……ポテッ!
プクゥゥゥ……パチンッ!
みちる「にょわわわっ!」
神奈「わぷぷぷぷぷぷっ!」
みちる「んに…お手玉って、むつかしいねぇ」
神奈「いや、この『さばん玉』というのも…なかなか…」
みちる「楽しいねぇ〜」
神奈「うむっ、何か大切なことを忘れている気がせんでもないがな…」
――やっぱり、平和そのものだったという。
第39崩壊【気になるんです】
祐一「起きてるんだったら、質問するぞ!」
名雪「う…にゅ…」
祐一「25+7は?」
名雪「…さんじゅう…に」
祐一「今日の日付は?」
名雪「…いちがつ…じゅうはちにち」
祐一「よし、それじゃあ――」
祐一「――秋子さんの職業は?」
名雪「あんさ…………って、うわぁっ!!」
…ガタガタガタガタガタガタガタガタガタ…<恐怖の震え
名雪「そっ、それ以上は言えないよーーーーーーっ!」
祐一「何故ッ!!?」
秋子「――フッ…」(にやそ)
第40崩壊【あり得るんです】
あゆ「映画に行こうよっ♪」
祐一「いいけど、そのチケットはどうしたんだ?」
秋子「私があげたんですよ。たくさん余ってましたから」
祐一「たくさん…って、おわぁっ!」
ドサドサッ!
祐一「な、何で無料招待券がそんなにあるんですかっ!」
あゆ「そんなこといいから、早く行こうよ〜」
秋子「ふふっ、楽しんできて下さいね」
祐一「…まぁ、いっか…」
…………
………
……
あゆ「…うぐぅ、怖かったよぉ…」
祐一「そうかぁ? 俺は面白かったけどな」
あゆ「…祐一君、早く帰ろうよぉ…」
祐一「まぁ待て、スタッフロールくらい見てやろうぜ」
あゆ「…う、うん…」
『 脚本・監督 水瀬 秋子 』