(注)このSSはToHeratのネタばれを一部含んでます。


「胸に残る気持ち」


あの人に出会ったのはいつだったろう……

春。

新しい出会いの季節。

燃えるような新緑の季節。

そこであの人と出会った。

……幼馴染?……

そういう関係だったのかな……

どこに行くのも一緒だったような気がする。

いつもはいじめられてたけど、

いざというときには助けてくれる。

まるで兄のような存在だった……

そんな人だった。



あの人を意識し出したのはいつだったろう……

夏。

太陽が照り付ける季節。

命がキラキラと輝く季節。

よく一緒に遊んでいた。

サッカー……

野球……

ドッジボール……

水泳……

何をしてもかなわなかったけど……

追い付くまで待っていてくれる……

そんなあの人の優しさがとても嬉しかった。

そして……

一緒にいれる事がとても嬉しかった。





あの人に見捨てられたと思った日はいつだったろう……

秋。

草木が紅く染まる季節。

生き物が命を次に伝える季節。

一緒に遊ぶ時間なんてほとんど無くなってた。

別の友達もいたけど……

あの人といっしょに居たかった。

やりたいこともあった……

けど、それはあの人とやりたかった。

嫌われたと思っていた……

でも……

嫌われてなんかいなかった。

いつもあの人は……

優しいままだった……

そのことがとても嬉しかった。




あの人を好きになったのはいつだったろう……

冬。

白い雪が世界を包む季節。

次の季節の訪れがとても恋しくなる季節。

いろんなことを話した。

勉強のこと……

運動のこと……

恋愛のこと……

どこか他人事のように話すあの人に……

とても、やきもきさせられたこともあった。

一緒の高校に行ける……

それは嬉しかったけど……

少し複雑な気もしていた。

同じ所にいたら……

この気持ちで狂ってしまうような気がした。

同じ所にいたら……

この気持ちを伝えてしまいそうな気がした。



伝えてはいけない……

きっとなにか壊れてしまう……

忘れてしまえばいい……

でも、

この気持ちを忘れることなどできなかった。

この気持ちを忘れたくなかった。

そして……

また春が来る……





春……

新しい出会いの季節。

自分が変わるための力を貰える、

そんな季節。

あきらめようと思ったこともあった。

でもどうしてもあきらめきれなかった。

残っていた気持ちの欠片を……

ジグソーパズルのように一つにして……

あなたに伝えたい……

この胸の思いを……










雅史「ねえ……」

浩之「ん?」

雅史「……」

浩之「なんだよ?」

雅史「……」

浩之「早く言えよ」

雅史「僕達、友達だよね」


そして雅史エンドが始まる……

(つづかない)