第2話 Air(和訳空気)を感じろ!

 

ある夜、水瀬家にて・・・

「祐一っ〜、祐一っ〜。」

「何だ、真琴。オレは今忙しいんだ。」

祐一は居間でテレビを見ている。なぜかあゆも一緒にいる。

「真琴、友達が欲しい。」

「はあ?オマエ美汐がいるだろうが。」

「他にも欲しい。」

「んじゃ、今日からこのうぐぅがオマエの友達だ。これでいいだろ。」

「あうー・・・。 真琴、生きてる人間がいいよ。」

「えっ!?」

一瞬、時の止まるあゆと祐一。

 

「どーした真琴、よく聞こえなかったぞ。」

と、ケロピーに話しかける祐一。

「って何で真琴とケロピーをおきかえるの!」

「オマエが禁句を言うからだ!!」

「それより、ボクが生きてる人間じゃないってどーいうこと!?」

魚のような目で突きをくりひろげながら祐一に詰め寄るあゆ。

「落ち着けっ、あゆっ!」

必死にあゆをなだめようとする祐一。しかし、あゆは止まらない。

「ボクは生きてるのです!まだ生きてるのです!・・・うっ!!」

突然、倒れるあゆ。その後ろにいつのまにか秋子さんが立っている。

「ありがとうございます。秋子さん。」

(殺気はおろか気配すら感じさせないとは・・・。)

祐一の本能が彼女を敵に回してはいけないと告げている。

「いえいえ。それより、真琴。あまり祐一さんに迷惑をかけてはいけませんよ。」

「あうー、ごめんなさい。」

秋子さんに注意されてうなだれる真琴。

「ん・・・、 お母さん、どうかしたの?」

一連の騒動で名雪が目を覚まして一階に下りてきたようだ。

「なんでもないぞ、名雪。」

「そうですよ、名雪。」

二人にそう言われてしまい何か言いたそうではあったが、眠気には勝てないのであろう名雪は部屋に帰ろうとした。

が、寝ぼけてテーブルの上に横になる。

「ふぅ・・・。じゃあ、秋子さん。オレは名雪を上の部屋に連れて行きますんで。」

ぐにゅっ!

「うぐぅ。」

祐一は名雪を背負って二階に上がる。

「ええ。お願いしますね、祐一さん。さあ、洗い物を片づけないと。」

「あ、真琴も手伝う。」

げしっ!

「うぐぅっ。」

どがっ!

「うぐぅー。」

秋子さんと真琴はキッチンに向かう。

「うぐぅ・・・、踏んで行かないで・・・。」

 

翌日の昼休み、学校にて・・・

祐一は真琴を学校につれてきていた。なぜか、うぐぅも来ている。

「よし、真琴。オレの友達を紹介してやるからな。それでいいな?」

「うん。」

新しい友達を紹介してもらえるとご機嫌の真琴。

「うん、ボクも楽しみだよ!」

「じゃあ、行こうか。真琴。」

「うん、祐一!」

「うぐぅ、ほっとかないで・・・。」

 

祐一は真琴をいつも佐祐理さんと舞が昼食をとっている階段の踊り場に連れてきた。

「よお、舞。」

そこには、舞だけが先に来ていた。その舞に祐一が方手を上げて挨拶する。

「・・・(こくこく)。」

と舞の目線が祐一から真琴に移った瞬間、

ざくっ!

舞がどこからか取り出した槍で真琴を刺そうとする。間一髪で真琴はそれを避ける。

「ゆっ、祐一っ!なんなのよっ、この女っ!!」

「舞っ、いきなり人を刺そうとするんじゃないっ!ってなんだその槍はっ!?」

祐一に怒鳴られてショックを受けた舞はうつむいて答える。

「・・・獣の槍。」

「はいっ?」

「・・・だから獣の槍、ケダモノを滅ぼすの。」

「うっ(ずーん)。」

青くなる祐一。

「ど、どこにそんなものがあったんだ。」

とりあえず祐一は聞いてみる。

「・・・佐祐理の家の倉の中に刺さってあったのを持ってきた。」

「返してらっしゃい!!」

「そんなことより、どうして真琴をねらったの!危ないじゃない!!」

二人の会話を止めて、真琴が舞に詰め寄る。

「・・・槍が教えてくれたの。」

「何をよ!」

「・・・ケダモノだって。」

「誰がよ!!」

だまって舞が真琴を指さす。

「!?」

再び時の止まる祐一と真琴。

 

「なんて言ったんだ、舞。」

「ボク、舞さんじゃないよ。」

びしっ びしっ  

あゆに話しかける祐一に舞がチョップする。

「イタッ、オマエがいらんことを言うからだろーがっ!」

「って真琴がケダモノってのはどーいうことなの!」

昨日のあゆのように魚のような目で突きをくりひろげて真琴が祐一に迫る。

「落ち着けっ、おまえはあゆか!」

「うぐぅ、ボクそんなことしないよっ!」

してたじゃん。

「真琴は誰!?真琴は真琴!!真琴は誰!? ・・・真琴は誰ですかー!? うっ!!」

突然静かになったと思ったら、真琴が倒れる。そして、そのうしろには佐祐理さんが立っている。

「さ、佐祐理さん・・・。」

「あ、殺してはいませんよ。水月という急所をついただけですから♪」

と佐祐理さんは笑顔で祐一に答える。

 

祐一は、舞としばらくして目を覚ました真琴を目の前に座らせる。

「オマエらいいかげんに空気を読めるようになれ!ネタバレになるなるからそういうことはいってはならんのだ!!」

「・・・祐一、ごめん。」

「なんで真琴が祐一にそんなこと言われないといけないの!」

舞は反省しているようだが、真琴は反省するつもりはさらさらなさそうだ。

「何だと!こーしてやる!!」

と言って、祐一は真琴の顔に網あぶら(料理用)を張り付ける。

「ぬあああああ、なんてことするの!」

「いいか、オマエらよく聞けっ!空気の読めれなかったヤツらの最後をおしえてやる!!

 @空気が読めず教室内で七瀬留美と連結ごっこ。 → この世とのつながりが無くなり一生永遠の世界に。

 A空気が読めず会社の研修旅行で日野森あずさと結合 → BAD ENDにまっしぐら。

 B空気が読めずあの人にどろり濃厚ジュース → 「が、がお。」 ごんっ!ってことになる。

 それに空気の読めんヤツがいるとあの男がくるぞ!!」

「祐一さん、あの男って誰なんですか?」

佐祐理さんが祐一にたずねる。

「・・・あの男とは、」

とその時、

「うわあああああっ!!」」

という悲鳴が聞こえてきた。

「あの声は北川のっ!?ってどうでもいいか。」

「そうですね、祐一さん。それより一緒にお昼をたべませんか?」

「・・・(こくこく)。」

「祐一君っ、ひどいよ!・・・面白いから見に行こうよ。」

「あゆ・・・。オマエが1番ひどくないか?」

 

その数分前、教室にて・・・

「そういえば、美坂。」

「なに、北川君。」

北川が美坂になにかたずねている。

「最近よく見かけるけどさ、オマエの妹ってどっか悪かったんじゃないのか?」

がらがらがらがら・・・ きょろきょろ・・・ にやっ

突然一人の男が教室に入ってきて北川のところまで歩み寄ってくる。

「空気の読めんのはオマエだな?」

「な、なんだ、オマエは!」

北川は突然の乱入者にとまどっている。

「はい、そうです。」

だから、代わりに香里が答える。

「み、美坂〜っ!!」

北川が情けない声を出しながらさらわれていく。

 

「名雪、何が起きたんだ!」

悲鳴を聞いた祐一たちが、教室に駆け込んできて名雪にたずねる。

「・・・くー。」

ぽかり

「うぅ・・・ ひどいよ−、祐一。」

「香里、一体なにがあったんだ?」

祐一は涙目の名雪を無視して香里に聞いてみる。

「北川君が空気の読めてない発言したら、突然変な男が来てさらっていったのよ。」

香里がしれっと答える。

「なるほど。で、北川とその北川のいい人はいずこに?」

「裏庭の方に向かってたわ。」

「了解。ただちに向かいます。」

祐一がビシッと敬礼しながら香里に答えて、

「・・・ご飯を食べてから。」

と、あとから続けた。

 

「北川ー、北川ー!」

あれから祐一たちは佐祐理さんのお弁当を食べてから裏庭にきた。ゆっくり食べたから優に三十分はかかった。

それから食後に急な運動をするのは体に良くないという佐祐理さんの提案で食後の休憩をとった。

そうこうしているうちに昼休みは終わり、授業が始まってしまった。授業が終わってもホームルームがある。

だから、実際に裏庭に来たのは放課後になってからだ。

「相沢、相沢か!助けに来てくれたのか!」

「いや、面白いから見に来ただけだ。」

「うっ・・・。」

限りなく深みのある表情をする北川。

「きっ、貴様は相沢祐一!!」

北川をさらった男が祐一を見て叫ぶ。

「やはりあなたでしたか・・・。おひさしぶりです。ほりさん。」

「はぇー、また祐一さんのお知り合いの方なんですか。」

「ええ。そうです、佐祐理さん。オレの先生だった人で、元天才塾第六感養成コースのほりさんです。」

「黙れ、相沢祐一!貴様のせいで天才塾は崩壊。そのとき第六感を養う実験をしていた私は事故のショックで

 空気の読めない人間になってしまったのだ。貴様はもはやわれわれの敵だ!」

祐一の佐祐理さんへの返答を聞いてほりさんは激昂して言った。

「また、祐一のせいでできた変態・・・。」

名雪が沈みがちにつぶやく。

「だから貴様に復讐してやろうと街中をうろついていると空気の読めていない発言が聞こえてきたから、

 行ってみるとこの男がいたのだ。」

と言ってほりさんは北川を指さす。

「この男の空気の読めなさ加減は十年に一人の逸材だ。」

「なっ・・・。下っぱが十年に一人の逸材ですと!きぃぃー、妬ましい!!」

ほりさんの発言でスイッチの入る祐一。そう、祐一は十年に一人の逸材という言葉に弱いのだ。

「十年に一人の逸材?オレのことかい?」

ついでに北川のスイッチも入る。

「あーあ、北川くんつけあがっちゃって。」

香里が面白そうにつぶやく。

「こうなったら、ほりさん!アナタの選んだ十年に一人の逸材と勝負させてください!!」

「ふんっ。よかろう、祐一。ルールはより空気の読めん発言をしたものの勝ちだ。いけっ、北川!」

「ははは!任せなされ、ほりさんとやら。ではまずオレからいきますぞ。」

と校舎に駆け込んでいく北川。

 

「ではまず、あの女人どもからゆくとするか。」

北川の前をちょうど天野美汐と真琴が歩いてきている。

「あれ?真琴ちゃん、まだ人間の世界にいるの?」

「美汐ちゃん、人間の友達がいないんだってね!」

「「なっ!?」」

北川の発言で凍り付く二人。

 

「ふんふん、どんどんいきますぞ。お、あれは・・・。」

見ると前方から栞が歩いてくる。

「栞ちゃんの誕生日っていつ?やばいんでしょ。」

「な・・・。」

栞も凍り付く。

 

やっとそこに北川のあとを追いかけてきた名雪とあゆたちが追いついた。。

「ひどいよ、北川くん。それに北川くんのは空気が読めてないんじゃなくてただの悪口だよ!」

「そうだよ、名雪さんの言うとおりだよ。」

「うーん、何かな?水瀬さんに月宮さん。君たちもボクに言われたいのかい。」

「「えっ・・・。」」

「水瀬さんって雪ウサギつくるの上手なんだって?相沢に見せたら喜びますぞ!」

「月宮さんって好きな男の子には夜這いかけるんでしょ?」

「「な・・・。」」

凍り付く二人。

「祐一、何とかしてよ!祐一のせいでこうなったんだよ!!」

「うーん、でも勝負の途中だからな。どーにもならん。」

「きっぱり言わないでよ、祐一くん!」

二人に責められる祐一。でもどーにかする気はさらさらない。

「かかかかかかっ、月宮さんのならまだありますぞ。」

北川があゆに近づいて言う。

「月宮さんの本体はどこにあるんですか?無線で動いてるんですか?」

「ば、ばかっ。北川それを言ったらあゆは・・・」

「なっ、ボクの本体ってどういうこと!?祐一くん、ボクは生きているの!?生きてますか!?生きてますよ!!

 わからないよ!わからないよ!!」

「あゆ、しっかりしろ!」

祐一があゆを揺さぶる。

「・・・・・・。天使が来る、黒い羽の天使が来る!ボクを解体(バラ)しに天使が来る!!」

そこで頭だけ180度回転させて北川の方を見るあゆ。

「ひぃぃぃっ!!」

情けない悲鳴をあげる北川。

頭を回転させた状況のまま、あゆは北川に近寄る。

「天使めっ、黒い天使めっ!殺られるもんか・・・、殺られる前に解体(バラ)してやるっ!!」

そう言うとあゆは北川を股のほうから裂いていく。

「ひぃいっ、あゆがこわれた!なんとかしなきゃ!!」

「はい、これが月宮さんの取り扱い説明書よ。」

と香里が祐一にあゆの取り説を渡す。

「おお、ありがとうございます。ってなんでこんなもの持ってんだ、香里!?」

「そんなことより早く月宮さんを何とかしないと。」

「・・・。そうですね。ええっと、」

 

故障かな?と思ったら(会話が成り立たない等。) → 復活の呪文を唱えてください。 

 

「うっ(ずーん)。」

沈んでいく祐一。

「さっ。相沢くん、はやく。」

「えーい、ゆうて いみや おうきむ こうほ りいゆ うじとり やまあ きらぺ ぺぺぺぺ ぺぺぺ ぺぺ・・・・・」

しかし、北川を抹殺したあゆは今度は祐一に迫ってくる。

「うわあああっ!」

がるがるじょぎばばばざむでむしがぐごでぐざむざむがばでで・・・・・・

「今度は聞いたことのない言語を!!」

あゆの頭が今度は縦に180度回転する。

だばだばぎがばだじば

「ひぃいいっこわい!!もうだめだ!サービスセンターに電話します!!」

取り説にかいてある電話番号に電話する祐一。

「はい。こちら、倉田マシーナリー株式会社。」

「すいません。二宮あゆが壊れたんです。修理は可能でしょうか?」

「申し訳ありません。そちらの商品は部品がもう工場にもないために修理は不可能です。」

ざむでむしがぐごでぐざむ・・・

「ひぃいい、じゃあ処分をお願いします!」

「わかりました。ただちに伺いますので。」

 

数時間後、北川をなおも細かくする作業に没頭していたところを捕獲されたあゆは業者に引き取られていった。

 

数日後のT県の山奥の産廃処分場・・・

「ボク壊レチャッテマスカ?ボク壊レチャッテマスカ??」

ざくっ ざくっ

「保証ノ対象外デスカ?」

ずばっ ずばっ

 

その後T県の山奥の村で村人全員が惨殺されるという事件が起き、しばらくの間テレビをにぎわせた・・・・・・

 

続く

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