このSSは「TYPE-MOON」の「月姫」の設定を使用した2次創作です。

ネタばれを多少含みますのでゲームをクリアしてからお読みください。

なお、この物語は「シエルグッドエンド」後です。

誹謗、中傷、抗議、訂正、激励等は管理人さんではなく作者にお願い致します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『しあわせなじかん』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日の光がさしこむ。

 清々しい空気が、頬をくすぐる……。

 

「そうか……もう、こんな時間なんだなあ……」

 

 遠野志貴、高校生……。

 いたって普通の生活をおくる常識人。

(一部、語弊がありますことをお詫び致します)

 

「……なんで、俺はここで寝てるんだったっけ……」

 

 勘当済みとは言うものの、大金持ちの家の長男。

 自分づきのメイドまで持ち、 何不自由無い生活……。

 

「ええと……昨日はたしか有彦と酒を飲んで……」

 

 頭の痛みを押さえつつ、まわりを見渡す。

 休みの日の公園は、早朝ということもあってか誰もおらず……静まり返っていた。  

 

「うう……だいたい、なんで高校生なのに酒盛りになんて発展したんだろうなあ……」

 

 

 

 

 

 

 

 同じ頃……。

 

「兄さんがこんな時間になっても帰ってこないなんてっ!! まさかあのシエルとか言う女になにかされたんじゃ……」

「落ちついてください、秋葉様。 志貴さんなら襲われても経験が増えるだけですよ」

「そんなもの増える必要ありませんっ」

「シエル〜っ!! まさか私の志貴を〜」

「……アルクェイド様、志貴様は貴方のものではありません……」

「に、兄さんの貞操を渡すわけにはいきません!!」

「なに言ってるの……志貴の貞操なんてとっくの昔にシエルに奪われてるのに……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「こうなったら乗りこんで兄さんを救出しますっ!! 琥珀、行くわよっ!」

「シエル〜あなたはやっぱり殺しておくべきだったようねえ〜」

 

 

 

「……皆様いってらっしゃいませ……」

「翡翠ちゃん、お留守番よろしくね〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 初夏の風が薫る……。

 二日酔い気味の体を引きずって丘の上の屋敷へと戻りながら、移ろい行く季節を確かに感じ取っていた。

 

 永遠の生なんて必要無い……今、この一瞬に生きてる事がとても素晴らしい……。

 ふと、頭のすみっこにそんな言葉が浮かぶ。

 すでに居なくなった、ロアの一部でも残っていたのだろうか?

 

 

 

「やれやれ、朝帰りになっちゃったなあ……」

「お帰りなさいませ」

「わっ……翡翠……まさか昨日から……」

「……」

「ごめんよ、こんなに遅くなるなんて思わなかったんだ……怒ってるよね」

「……前にも言ったはずです、せめて連絡を入れる事ぐらい出来たはず、と……」 

「う……ごめん……飲まされて前後不覚になってたみたいで……っと」

 

 急に翡翠が泣き出した。

 

「えっ、おっ、あっ、うっ……」

「そんなに心配させないで下さい……私、昨日は不安で……また志貴様になにかあったんじゃないかと……」

 

 こういうとき自分が嫌になる。

 俺は、また彼女達を心配させてたんだなあ……と。

 だから、俺は一言だけまた言った。

 

「ごめんよ……けど、もうあんな事は絶対にないから……」

 

 静かに流れる平和な時間……。

 今、この一瞬が……とても大事な時間だと思えた。 

 

 

 

 

 

 その頃……。

 

 

 赤い髪の化け物と、金髪の吸血鬼、司祭服の女性が学校で戦っていたのだが、勿論俺が知るはずも無かった。

 

「シエル!! あんた志貴をどこに隠したのよっ!」

「兄さんになにをした〜っ!!」

「いきなり訳のわからないことを言って襲ってくるな〜っ!!」

「はあ〜……お茶でも用意してくればよかったかなあ〜」

 

(エンド)