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訓練?
あれを訓練って言うのか?
まあ、俺は良いとしても祐介や浩之にはかなりつらいだろ。
もう少し乗り心地を考えてくれんかな……。
まあ、貧乏学生の俺にとっては、3食がちゃんと出るだけありがたいけどね。
しかも、来栖川重工から給料もでるし……。
時給3000円+危険手当と来たもんだ。
これで昼寝がついてたら言う事無しなんだけどなあ……。
『学生戦隊Leaf〜浩之と愉快な仲間たち〜』
〜第三話〜
変形、リーフロボウイング
「Aパート」
祐介「耕一さんも、浩之も、良く食べれますね……」
浩之「なんとか慣れた」
耕一「祐介はまだ無理か……」
祐介「はあ……」
昼食。
午前中、訓練をして午後の訓練まえの小休止。
本日のメニューは、野菜や果物のサンドイッチ、スポーツドリンク。
消化の良い素材が使われている。
本当はパンを使うのはどうかという話もあったのだが、固形物を食わないと食った気がしないということで強引に作ってもらう事にした。
もっとも、祐介は飲み物を飲むので精一杯のようだが……。
祐介「どうせ、食べても吐くだけだし……」
浩之「午後に吐けるぐらいの量は食っておかないとな……」
耕一「まあ、胃液吐くよりはましだろ」
梓「まったく、食事中の人が見てたらどうすんのさ!(もうしわけありませんby作者)」
耕一「どうせ、食事してるのこの3人だから問題無し」
梓「そういう問題じゃ無いだろっ!!」
言い忘れてたが、食事は梓や初音ちゃんらの料理が得意な人達が作ってくれている。
有りがたい話だ。
来栖川側からは専門のシェフを用意しようかという話もあったのだが、梓達に作ってもらった方が良いという強硬な俺の意見で……。
浩之「……そういや、あかりはどうしたんだろ……」
耕一「ん? 浩之、どうかしたのか? さてはあかりちゃんが居ないんで不安になってるんだな? 若いねえ」
浩之「そ、そんなわけじゃ……」
祐介「こ、耕一さん、そういう他の人を刺激するような事は……」
おっと、確かにそうだ。
ここには浩之の友人達がいっぱいいるからな……。
特に、芹香ちゃんと綾香ちゃんは、怒らせるといろいろやっかいだ。
例え、浩之の本命があかりちゃんだとしても、彼女達を怒らせるような事は言わないのが賢明というものだろう。
祐介「……にしても、本当に神岸さんどうしたんでしょうね?」
耕一「別に、昨日からいないだけで、自分の家にでも帰ってるんじゃないのか?」
祐介「それだけじゃありません、佐藤君もいないんですよ。 浩之の幼馴染達がそろって居ないというのも……」
耕一「考え過ぎだと思うがなあ……」
浩之「さて、さっさと地獄の特訓に戻りますか」
耕一「ん? もうそんな時間か……」
祐介「ふう……」
そんなこんなで午後の特訓を受けにその場を離れた。
もちろん、その後何が起こるかなんて、気づけるはずもなかった。
浩之「……後で電話でもしてみるか……」
その頃、日本国内の某地点。
矢島「では、私に作戦の指揮を取らせていただけると?」
月島「ああ、まあやってみてくれ……障害が取り除けるのならそれに越した事は無い」
矢島「ふっふっふ、おまかせあれ、すでに奴らの弱点は用意済みだ……」
月島「健闘を祈る……」
「CM」
ガディムを迎え撃つため、来栖川がついに動いた。
長瀬「そう簡単にやられはせんっ! 人間をなめるなよ〜っ!!」
3体のジェットが、今、合体する。
浩之「ちぇ〜んじ、ウイング……スイッチお〜んっ!!」
超合金「リーフロボウイング」今、君の元へ!
「Bパート」
助手「東京湾にG反応!!」
研究員「この反応は……間違い有りません!! ガディムですっ!!」
長瀬「総員、第1種戦闘配備。 パイロットをリーフジェットに搭乗させろ!!」
助手「しかし、未だ訓練過程を終了したわけではありません」
長瀬「今は、彼らしか対抗できる手段が無い。 かまわん、急がせろ!!」
研究員「は、はい」
助手「パイロット、リーフジェットへ搭乗せよ、繰り返す、パイロットリーフジェットへ搭乗せよ……」
耳障りな警告音と、放送が聞こえてくる。
祐介「来たみたいですね」
耕一「もう少し時間が欲しかったが……」
浩之「とにかく、行くしかないな……」
すぐに訓練施設を出て、リーフジェットの格納庫に向かう。
この間、わずか30秒。
うむ、どうせなら自動で格納庫に行けるようなのを作って欲しいなあ。
長瀬「みんな、準備はいいか?」
祐介「せめて昼食食べてからにしたかったなあ」
耕一「まあ、帰って来てから食えばいいだろ」
浩之「どうでもいいけど緊張感無いなあ」
長瀬「……それは私の台詞だ……いくぞ、リーフジェット発進っ!!」
そんなこんなで3機のジェットが空を飛ぶ。
その色は赤、黄、青。
まるっきりなにかのパクリである。
祐介「敵機発見したよっ!! 空に3匹、地上に4匹」
浩之「よっしゃ、さっそく行こうぜっ!!」
耕一「まずは地上の敵を全部叩くぞっ!!」
祐介・浩之「「了解っ!!」」
耕一「行くぞ、変形合体リーフロボ……ブレードッ!!」
3機のジェットが縦に重なり、一つになる。
一番下になった赤の機体から足が伸びる。
そして、上半身となった黄の機体から頭部や腕が出る。
耕一「行くぞっ!! ヒートナックル!」
ジュウッ……。
突き出した拳が、敵の体を音も立てずに貫く。
耕一「せいやっ!!」
ジュウッ……。
助手「おおっ……」
長瀬「ふっ……勝ったな」
長瀬の言ったとおり、地上にいた怪物は、あっさりと地上に倒れ伏した。
耕一「ふう……これなら何とかなりそうだな」
浩之「まだ、上に残ってますよ」
祐介「行きましょう、狙い落としてやります」
祐介「変形合体、リーフロボスナイパー!!」
一旦分離し、青、赤、黄の順で合体。
祐介「行くぞっ、ミサイル発射っ!!」
ばらまかれるかのように多量のミサイルが飛んで行く。
そして、磁力で誘導されたミサイルは狙い違わず命中して、敵を打ち落として行く。
祐介「……よし」
研究員「やりましたね、主任」
長瀬「はっはっは、科学の勝利と言うやつだね」
浩之「まった、もう1匹来るぞ」
耕一「真打登場というところか?」
祐介「そのまま打ち落としますか?」
……愚かなる人類よ、あくまでも我々に闘いを挑むつもりのようだな……
祐介「何か言ってきてますね」
耕一「ほっとけ、ほっとけ」
浩之「何だ? 聞いた事あるような声だな……」
……ならば、我々は容赦しない、貴様らは絶望の淵に立たされる事になるのだ……
祐介「絶望の淵ねえ……」
耕一「言わせとけ、言わせとけ」
浩之「待った、あの空から来る奴、何かぶら下げてるぞっ!!」
耕一「ほうほう……人か?」
祐介「人って……あっ、あれは!!」
浩之「あ、あかりっ!!」
そこには、藤田浩之の幼馴染、神岸あかりが吊るされていた。
矢島「わっはっは、藤田、これなら貴様は攻撃できまいっ!!」
耕一「な、なんてお約束な奴だ……」
祐介「でも、これじゃどうしようもないですよ……」
浩之「くっ……誰だか知らねえが、姑息な真似を……」
……
……
矢島「誰だか知らない? じょ、冗談のつもりか?」
浩之「知るかっ!! さっさとあかりを放せっ!!」
矢島「お、俺……PS版にも出演してるのに……SSによっては主役も張ってるのに……知らないだとっ!!」
耕一「おい……なんか、あいつ逆切れしてるぞ?」
祐介「彼にもいろいろあるんでしょ……きっと」
矢島「いいだろうっ!! 放してやるさっ!! 彼女が死んでから後悔するんだなっ!!」
ぷつっ……。
そんな音と共にあかりちゃんを繋ぎとめていたロープが切り離された。
浩之「あかり〜っ!!」
矢島「はっはっはっ!! 泣け、叫べ、貴様の乏しい記憶力を嘆くがいいっ!!」
浩之「変形合体リーフロボ……ウイングッ!!」
一旦分離したリーフジェットが、赤、黄、青の順番で重なる。
浩之「全速力だっ!!」
ぐっとレバーを引き、フットペダルを押しこむ。
勝負は一瞬。
耕一「いかん、落下速度が速いっ!!」
祐介「ぎりぎりだっ!! 浩之っ!!」
浩之「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
地上までわずか30m。
ぎりぎりだったが、かろうじて受け止める事に成功した。
耕一「あれだけの高さを落ちてきて……どっか折れたりしてないか?」
祐介「大丈夫ですよ、浩之が落下の衝撃を逃がすように受け止めてますから……それでも全身打撲や骨折は結構酷いはずですが」
長瀬「今、そちらに救急用装甲車を送った、早く神岸さんを乗せたまえ」
救急車に運び込まれるあかりちゃん。
モニターできるその表情は苦しそうだったが……。
どうやら、命に別状は無いようだな……。
耕一「浩之、あんまり気にするな、ああ見えても来栖川の医療体制は完璧だからな」
浩之「分かってますよ」
今は、目の前のあいつを倒す。
浩之の目が、そう語っていた。
これなら大丈夫だろう。
浩之「耕一さん、祐介、行くぞっ!!」
耕一「おうっ!!」
祐介「了解っ!!」
浩之「行くぞっ! くらいやがれ〜っ!!」
ウイングの標準装備武器ライジングスピアを取りだし、敵の円盤みたいなのに突入する。
矢島「ぐおおっ!!」
浩之「ライジングチャージッ!!」
ウイングの機体が強力な電撃に包まれる。
そのまま敵にぶつかり、強烈な一撃を叩きこんだ。
矢島「ぐお……だが、まだだっ!!」
槍は見事に相手に突き刺さったが、まだ 落ちない。
だが、この先に何が起こるのか予想できる俺はほくそえんだ。
浩之「こいつで終わりだっ!!」
ウイングが両手を広げ、空中で静止する。
次第に強力な電撃が頭部を中心に集まりだし、強烈なエネルギーの塊となった。
矢島「な、なんだっ!!」
浩之「くらえっ!! サンダークラッシュッ!!」
電撃がほとばしる。
矢島「くっ、避けろ」
耕一「無駄な事を」
避けようとしても無駄だ。
ウイングの必殺技サンダークラッシュはただの電気の塊。
それだけなら敵に命中する事なんて普通は無い。
矢島「ば、ばかなっ!! なぜ電撃が方向を変えるのだっ!! ……まさかさっきの槍はっ」
そう、さきほどのライジングスピアが言わば目印になっているわけだ。
ウイングとスピアの間でイオンの通り道ができてるとかおっさんが言ってたが……。
矢島「ぐああああああああああっ!!」
ちゅどーん。
祐介「よしっ、どうやらやったみたいですね」
耕一「そうみたいだな」
浩之「急いで戻ろうっ!!」
確認ぐらいしておくべきだったかもしれない。
祐介は気にもとめていなかったし、浩之はあかりちゃんの事で早く帰りたがっていた。
そして、俺は、文系なのでやっぱり理由が良くわからないなあと考えていた。
そう、誰も小型の偵察機のような物が爆発の直前に出て行くのを見てはいなかったのだ。
矢島「くそう……奴ラメ……次ハコノ男デハナク、モット能力ノアルヤツデイカナクテハ」
浩之「あかりはどうなんだっ!!」
長瀬「衝撃が凄まじかったからね、しばらくは入院だ……でもあの高さを落下した割には軽い怪我だよ……」
耕一「軽いというと、具体的には?」
長瀬「全治二ヶ月と言う所かな? 脳波等も異常は見られないし、意識も戻ってるからな」
その瞬間、浩之が脱力するのが見て取れた。
長瀬「まあ、君はお見舞いにでもいってきたまえ、報告とかそんなものはどうでもいいから」
浩之「ああ、それじゃ」
長瀬「彼女は203号室にいるから」
浩之は、目にもとまらぬ早さで駆け出して行った。
長瀬「若いってのは良いねえ……」
耕一「ところで、一つ気になる事があるんだが……」
長瀬「気になる事?」
耕一「今回の敵がだれだったのかは良く分からないが、どうやら浩之の知り合いだったようだ」
長瀬「ふむ……恐らく、月島のようにガディムにとりつかれたのだろうな……それで?」
耕一「あかりちゃんも、それで安心してついていってしまった可能性が高い……」
長瀬「ふむ……」
耕一「もう少し、彼女達の身辺に気をつけないと、今後も同じような事になりかねないと思うんだが……」
長瀬「分かった、上の方にかけあって、彼女達の身辺警護に人を割いてもらおう」
耕一「すまない」
長瀬「なに、それで少しでも君らが安心して戦えるんなら問題無いさ」
その頃、病室では浩之とあかりちゃんが何事か話していたらしいが……。
まあ、そうっとしておいてやろう。
人の恋路を邪魔して馬に蹴られるのもなんだしな。
祐介「……そう言いつつ、そのほっかむりは何です?」
耕一「気分だよ、気分」
祐介「ちなみに行かない方が良いと思いますよ」
耕一「何で?」
祐介「浩之の知り合いの子たちが病室の前で殺気立ってます」
耕一「……やっぱり覗きとかは良くないよな」
祐介「下手すると殺されかねませんからねえ……」
こうして、俺達の二度目の戦いは、無事終わった。
だが、次はどんなヤツが待ち構えているのだろうか……楽しみだなっと♪
次回予告
地上を高速で疾走する巨大戦艦。
その大きさに圧倒されるリーフロボ。
だが、彼らの力が合わさった時、その障害は取り除かれるのだった。
次回「炸裂!! マグネティックキャノン」
祐介「行け〜っ!!」
お詫び:今回登場のマシンデータは現在調整中のためしばらくお待ち下さい。