(注)このSSは「痕」の千鶴END後を想定して書かれてますので、できればゲームをクリアしてからお読みいただけるとよりお楽しみ頂けます。
尚、このHPに寄稿した「悲しいすれ違い」の続編にあたりますのでぜひそちらを先にお読みください。
なお、step8〜9を読んで頂いてからお読み下さい
苦情、抗議、剃刀等危険物は管理人さんでなく作者まで。

 

 

 

 

 

 

 

 

『悲しいすれ違い--side step--』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 警察の不祥事が叫ばれている。

 だが、あまり責めるのもどうかと思う。

 なぜなら、不祥事を起こしているのはほんの一部で、大抵の警察の人間はそうでは無いのだから……。

 だから、ここに一人の真面目に頑張る刑事の日々をとりあげてみようと思う。

 それは、日本でも有数の犯罪多発地域。

 そして、そこで、日夜たたかう男の名は柳川。

 

 

 

 これは、一人の刑事が様々な事件を追う中で、ボロボロになりながら頑張る姿を描いた記録である。

 

 

 

 

 

 そう、それはある土曜日の午後の事であった。

 

長瀬「柳川、駅前でおびただしい数の若者が重症を負ってる」

柳川「はい? 猛獣でもいるんですか?」

長瀬「いや、それらしい報告はされていないが……」

柳川「ちなみにどんな怪我を?」

長瀬「まるで、多数の集団にリンチでも受けたかのように、ひどい打撲や裂傷だそうだ」

柳川「……現場を見ないことにはなんともいえませんね……とにかく行ってみます」

長瀬「無茶するなよ」

 

 

 くっくっく……どこのどいつがバカな事をやっているのかは知らんが……久々に狩りができそうだ。

 そんな事を考え、柳川は唇の端を吊り上げた。

 先日、小学生に腹を刺されて以来、本調子ではなかった上、忙しさのせいでなかなか犯罪者を狩る事もできなかったのである。

 

 

 駅前……。

 

柳川「おかしい……それらしいものは無いな……」

 

 柳川が来たときにはそこは非常に静かで、誰も近寄ってこない状態だった。

 

柳川「くっ、誰か目撃者はいないのか? おっ、あんな所に高校生が……」

 

 柳川が見付けたのは、一人ぽつんと佇む少女だった。

 かなりの美少女だったが、そんな事は柳川にとってどうでも良かった。

 

柳川「君、高校生かな? この辺りで……」

 

 どか、ばき、ぐしゃ、どご……。

 

20代女性「そろそろ、打ち止めかしら……」

10代女性「そろそろ近づく奴もいないと思うよ……あれだけ狩ってれば……」

小学生「もう、さすがに大丈夫だと思うよ」

20代女性「そうね……じゃあ、帰りましょう」

10代女性「ええっ?」

小学生「楓お姉ちゃんを見張らないの?」

20代女性「私は耕一さんを信じる……大丈夫、耕一さんはそんな人じゃないもの」

10代女性「う〜ん……まあ、楓も無理に迫るタイプじゃないし」

小学生「そうだね、耕一お兄ちゃんを信じてもいいかもね」

20代女性(でも浮気したら許しません)

10代女性(遅く帰ってくるような事があったら……)

小学生(その時は……)

 

 

 

 こうして、駅の前で起きた連続殺傷事件は未解決事件として残される事となった。

 被害者は重傷者が25。

 いづれも打撲、裂傷、骨折といった重い怪我であったが奇跡的に死人はでなかった。

 そして、この事件の被害者として捜査員が1名、かなり重症を負わされている。

 犯人は結局見つからなかったが捜査にあたった長瀬刑事は……。

 

長瀬「この事件はとても単独犯の犯行とは思えない。 人間業でもない。 先日の遊園地破壊やその前の未解決事件と合わせて見る必要があるのではないだろうか?」

 

 というコメントを残している。

 もっとも、これは証拠があるわけでもなく黙殺されたが……。

 

 

 以上のように、警察は日々努力して凶悪犯と闘っているのである。

 ぜひ、市民の皆様にはそこの所をよく理解していただきたく思うのである。

 

(T市警察の警察官に聞く……インタビュアー:相田響子)

 

(おまけ)

 

 柳川が気づいたら病院だった。

 

柳川「くっ……なんだったんだ……」

 

 一瞬の事だったので対応もできず、相手の顔も覚えていなかったのだ。

 

柳川「ふがいない……狩猟者としての力も、誇りも、全てが傷つけられた思いだ……」

 

 次に、同じような事があったら必ず、狩ってやる……そう誓った。

 

柳川「ん? 隣の部屋から何か聞こえてくるな……」

 

 ……。

 

20代女性「耕一さん……鼻の下が伸びてますよ……」

追い詰められた20代男性「ち、千鶴さん、い、いつからいたの?」

20代女性「いつからでしょうね……うふふふふ……」

 

 痴話喧嘩か?

 別に興味も無かったので聞き流す事にした。

 

10代女性「姉さん、耕一さんを傷つけるなら許さない」

20代女性「楓……そう……戦うしかないようね」

20代男性「なぜ戦うしかないんだ〜っ!!」

 

 次の瞬間、病室は跡形も無く粉砕され、隣の病室にいた俺も巻き添えを食った。

 おかげで入院期間は3ヶ月延びてしまった。

 俺が何をしたというのだ……。

 

(終わり)