祝65535Hit!

くじういんぐ65535Hit記念SS

澪 :『どうして65535Hitをお祝いするの?』
浩平:「16進数に直すと65535はFFFF、きりがいい数字だからさ」
澪 :『じゃあ次は83520Hitなの』
浩平:「え? 83520Hit? 16進に変換しても14640だし、
   澪、83520に何か意味があるのか?」
澪 :『17進数でGGGGなの!』
浩平:「……」

 とまあ、いつもの(?)浩平・澪の満才はさておき、第11青函丸「くじういんぐ」
への初投稿、ONEのギャグSSです。



 飛行機で行こう! ONE編(In the Air Pline)


   澪の場合

 チェックインや出国手続きX線検査が終わって、俺たちはようやく搭乗できた。
 飛行機は俺と澪を乗せニューヨークに向け離陸した。演劇のメッカ、ブロードウェイ
にミュージカルを見に行くところだ。

 『うれしいの』

 「本場のミュージカルを見に行くことができるからか?」

 『それもあるの』

 「俺と一緒に国際線の飛行機に乗ることができたこともか?」

 『そうなの』

 「大丈夫か? スチュワーデスさんは英語しか通じないかも知れないぞ?」

 『大丈夫なの それに今は「スチュワーデスさん」じゃなくて、Cabin Attendant
 (キャビン アテンダント)さんて言うの』

 「ふーん、そうなのか。物知りだな、澪は」

そんなやりとりをしているうちに、機内食の時間となった。

  “Which would you like pork or chicken?”
  《豚料理・鶏料理どちらがよろしいでしょうか?》

 キャビンアテンダントさんが豚肉料理と鶏肉料理のどちらが好みか訊いてくれる。
国際線の機内食は、普通2種類のメニューからどちらかを選ぶことが出来るという話
を思い出した。

 ところで、澪は豚と鶏のどちらが好きなんだろう? そんな事を考えながら、
澪のスケッチブックを覗き込んだ。

 『I would like to get Japanese Sushi NANO!』

 「澪、選択肢を作るんじゃない!」




  みさき先輩の場合


 隣の席にはみさきが座っている。
 昨日まで「みさき先輩」と呼んでいたが、彼女と名字を「折原」に変える儀式を済ま
せ、俺も「みさき」と呼ぶことにした。少し違和感があるがそのうち慣れるだろう。
 果てしなく続く大草原で、その息吹きを一緒に感じようと、みさきに相談したら静か
にうなづいてくれた。そうして、飛行機に乗込んだ。


 何やら抱えたキャビンアテンダント(スチュワーデス)さんに話し掛けられた。

 「ブランケッ」

 ブランケ? 何のことだ? 戸惑って何も答えられないでいると、隣の席からみさき
の声が聞こえた。

 “Excuse me? Please tell me again.”
  《すいません、もう一度言ってもらえませんか?》
 みさきが英語で対応してくれている。

 “Would you need a blanket?”《毛布はご入用でしょうか?》

 “Just moment, please.”《ちょっと待って下さい》「浩平、寒くない?」

 みさきの問い掛けに、少し肌寒さを感じた俺は「まあな」と答えた。

 “Two blankets, please.”《毛布2枚下さい》

 “Here you are.”《どうぞ》

 “Thank you.”《ありがとう》
 英語でのやりとりを経て、キャビンアテンダントさんから毛布をもらった。
 「ありがと、礼を言うよ。でも驚いたな、みさきは英語が出来るんだ。英語は得意科
目だったけ?」

 「そうじゃないんだよ。英語の勉強はきらいだよ。でも…」

みさきは一旦言葉を濁らせた。

 「でも、私にとっての英会話は、相手の人を『見る』ための、てだてなんだよ」

 小さな出来事だったが、俺は彼女が背負った境遇を再認識させられた。だからこそ、
みさきは英会話をこなすことができるんだ。

 英会話は任せて大丈夫だ。
色々な意味を含めて俺はそう思った。


 そうしている内に、機内食の時間となった。

  “Which would you like pork or chicken?”
  《豚料理・鶏料理どちらがよろしいでしょうか?》

 キャビンアテンダントさんが豚肉料理と鶏肉料理のどちらが好みか訊いてくれてい
る。国際線の機内食は、普通2種類のメニューからどちらかを選ぶことが出来ると、ど
こかできいたことがあった。

 豚と鶏、どちらの料理が好きなんだろう? と思って彼女の方を見ると、みさきは迷
う素振りも無く、満面の笑みを浮かべながらキャビンアテンダントさんに答えた。

 “Both, Please!”《両方下さい》

 英会話はみさきに任せて大丈夫……かな?
暑くも無いのに伝う汗を背中に感じながら、俺はそう思った。



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