The answer
〜Now is more important than the past〜
<後>
Written by マウントアイアン
鳴子は複雑な気分だった。
『久流夢の答えに任せる』
そんな答えを出した鳴子は、久流夢がどんな答えを出したか気になっていた。
「よっ、久しぶりだな、鳴子」
久流夢は3日間かけて出した答えを鳴子に言うつもりでここまで来ていた。
しかし、鳴子を前にするとやっぱり言い辛い。
「うん、久しぶりだね……」
鳴子も久流夢が答えを言いに来てくれた事は何となく分かっていた。
しかし、聞きたいとはやっぱり言い辛い。
「とりあえず、入らない?立ち話もなんだし……」
鳴子は久流夢を部屋に入れる。
「適当に座って」
「あぁ……」
久流夢はベットにもたれる様に座った。
「コーヒーで良い?」
「あぁ、うん」
鳴子は台所にコーヒーを炒れに行った。
久流夢は鳴子の部屋で、答えを頭の中で整理していた。
その間、鳴子の部屋では物音一つしなかった。
鳴子がコーヒーを炒れて部屋に戻ってきた時、久流夢は眠っていた。
三日間、寝ずに答えを考えていたからだろう。
鳴子は、久流夢の横に座った。
久流夢の顔を見ていた鳴子だったが、いつの間にか二人は寄り添う様に眠りについていた。
1時間後、久流夢は目を覚ました。
もちろん鳴子は眠っている。
久流夢は呟いた。
「鳴子、今までありがとう……これからもよろしくな」
そして、久流夢はまた眠りにつこうとした。
「ん……」
鳴子も目を覚ました。
「起きたのか……」
「うん……」
久流夢は少し恥ずかしかった。
しかし、鳴子には聞こえていなかったらしく普通の顔をしている。
久流夢は決心した顔をして鳴子に話しかけた。
「鳴子、俺の出した答え、聞いてくれるか?」
「うん、聞いてあげる」
「俺の答えは……」
久流夢は鳴子の薬指に指輪を入れる。
「俺の答えだ」
鳴子は嬉しかった。
しかし、少し不安だった。
久流夢は大丈夫なの?
母は良いの?
鳴子は少し暗い顔をしていた。
そんな鳴子に気付いた久流夢は言った。
「鳴子、今の俺には死んだ母より鳴子、お前が必要な事に気付いたんだ」
久流夢は赤面した。
さすがに恥ずかしかったんだろう。
しかし、久流夢の本心には違いなかった。
「ありがとう、久流夢」
鳴子は泣いていた。
久流夢も、鳴子の答えを聞いて涙が頬を伝った。
鳴子、俺の答えを受けてくれてありがとう
母が死んだ時も俺の事を支えてくれたのに、酷い事をしてしまった
死んだ母には言えなかった言葉
生きている君にはそれ以上の言葉を言う事をが出来る
今、俺はお前を世界で一番愛している
これからもずっと……