あとがき
私は夕日が好きです。
とくに、自分の心が痛んでるときに見る夕日が好きです。
空、雲、海、太陽――自然というのは、とっても大きなものですね。
この大きさに比べれば、人間なんて本当に小さなものだと思います。
でも、自然は、そんな小さな人間さえも包む込んでくれるような気がします。
もしかしてそれは、人間の勝手な思い込みかもしれません。自然は人間が存在する遥か以前から存在し、ただそこにあり続けるだけで、決して人間を包み込もうなど、癒そうなどとは、まったく思ってないかもしれません。
でも、人間は自然を――生命の先輩を眺めると、心が癒されます。
自然は人間を救おうなどとは思ってないかもしれません。でも、人間――人間以外も含めて――に感謝されると、それがまったくの見当違いのことであったとしても、やっぱり嬉しいんじゃないでしょうか。
世界は美しくありません。
でも、美しいものもあります。
きっとあります。
いつもよりほんの少し目線を上げれば、それが見えるかもしれない。
それを見ずに消えてしまうのは、もったいない。
生きていこう。
生きてみよう。
この物語の主人公は、そう思うことができました。
……なんだかよくわからないあとがきになってしまってすみません。
なにが言いたいのか、自分でもわかってないのかもしれません。
でも私は、この作品が好きです。
最後に。
こんな作品を掲載してくださった久慈さん、本当にありがとうございました。
それでは。
2000・8・9 あっさー
BGM「Last regrets」by彩菜